サル痘 米・NY市で急拡大の理由 新型コロナとの“W感染”は「非常に苦しい…」
【映像】サル痘 全米の感染者約3割がNYに集中…なぜ?
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 アメリカのニューヨーク市で25日、感染者が1000人を超えた。同市保健局によると、22日の時点でニューヨーク市だけで全米の感染者の約3割を占め、感染拡大の中心地となっているという。

【映像】NYで行われた世界最大級のLGBTQイベント 鮮やかな衣装を着た人々が楽しんでいる様子(2:30ごろ〜)

 世界的に人の行き来が多いニューヨーク市。なぜ現地でサル痘の感染が急拡大しているのだろうか。ANNニューヨーク支局・中丸徹支局長はこう話す。

「6月下旬までにわかった感染者528人のデータをみると、16カ国でトランスジェンダー1人を除き、感染者は98%が男性で、同性愛者が96%で、バイセクシャルが2%でした。とはいえ、女性への感染も報告されています。感染者の平均年齢は38歳で、HIV陽性のサル痘患者は41%でした。また、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が26日に発表した内容によると、アメリカ全体で3487人、NY市だけで1092人、1日で52人増加しています」(以下、中丸支局長)

 6月にLGBTQコミュニティをサポートする世界最大級のプライドパレードが行われ、200万人の観光客がきたニューヨーク市。同性愛者、バイセクシャルといった情報は「必要に応じて公開されている」という。

「サル痘が、かつて流行した天然痘に非常によく似ていることから、現状は天然痘のワクチンがサル痘予防にも効くだろうとみられています。しかし、ニューヨーク市が配布した1万6000人分のワクチンの予約はすぐになくなってしまい、追加分として2万6000人分を配布しようとしています。なかなか必要としている人にワクチンの供給が追いついていない状況です」

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 また、中丸支局長は「LGBTQのコミュニティでサル痘の感染が広がっているのは事実」とした上で「差別や偏見につなげてはいけない」と話す。

「ニューヨーク市保健局は、同性愛者の男性に対し、サル痘の感染を防ぐため性的パートナーの数を減らすように呼びかけるかどうか、議論しています。ウイルスも怖いですが、差別も怖いものです。社会的な問題にならないようどのようにすべきか、対応に苦慮しているように見えます」

 サル痘の感染急拡大に、アメリカ政府はどのように対応していくのだろうか。

「アメリカ政府も差別を防ごうとしています。LGBTQ団体は連邦政府に対して、公衆衛生上の緊急事態宣言をするよう要請しています。これは新型コロナウイルスの感染拡大の際も要請されたもので、医療資源が豊富なところから少ないところに移せたり、州の判断で飲食店などに営業をやめるよう指示ができたりする緊急事態宣言が出せるようになります。ただ、これはまだ検討段階です」

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 忘れてはいけないのが、新型コロナの感染状況だ。アメリカ国民の新型コロナに対する向き合い方はどのようになっているのだろうか。

「今年1月、アメリカではオミクロン株の流行によって1日の新規感染者数が80万人という爆発的な感染拡大がありました。その後は、坂を下るように減っていきましたが、最近になってBA.2やBA.5といった株が出てきて、また感染者数は増加傾向になっています。今は全米で1日12万人ほどが新型コロナに新規感染者している状況です。アメリカの人口は日本の約3倍なので、日本で『1日4万人が新規感染している』といったレベルです」

 新型コロナとサル痘に同時感染した例もあり、中丸支局長は「メカニズムはわかっていないが、両方に感染した本人は『非常に大変で苦しかった』と話していた。同時感染は稀(まれ)なケースだと思いますが、起こる可能性は充分あるでしょう」と呼びかけ。

「新型コロナの新規感染者数は横ばいです。アメリカでは『症状が出た』と思った段階で、薬局で売っている簡易キットを使って抗原検査ができますから、そこで陽性が出たら、5日〜7日は自宅待機をします。入院が必要になるまで、家でおとなしくしている人も多いです。報告されている数は1日約12万人ですが、実際にはその3〜4倍の新規感染者がいるのではないかといわれています」

ABEMA倍速ニュース
 

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