子どもの“重症化割合”は流行初期から変わらない 10歳以下のワクチン接種に医師「副反応は非常に少ないので安心して」
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 現在、20代以下の若者を中心に急増しているコロナ感染者。逼迫する医療現場や若年層のワクチン接種による副反応について、医師でこびナビの副代表・木下喬弘先生は「10歳以下の子の副反応は非常に少ない」と話している。

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 現在、新型コロナウイルスの感染者が急増しているが、年代別で見ていくと男女ともに10代や20代の若者、10歳未満の子供の感染が広がっている。そして、ワクチンの接種状況を見ると、高齢者の90%以上が3回接種しているのに対して、5歳~11歳の子どものワクチン接種率は20%以下というデータがある。

 若年層の感染が拡大する中で、子どもが感染した際、どうすればよいのだろうか。こびナビの副代表・木下喬弘先生は「まず最初は病院に連絡することが大切」と話す。

木下医師「まず、慌てずに“病院に連絡する”ということが、最初のステップになります。現在、どこの病院の発熱外来でも受診の時間帯や場所を分けているので、いきなり飛び込んでしまうと見てもらえない可能性があります。なので、必ず『熱がある』とか『喉の痛みが出た。子どもがコロナに罹ったかもしれない』という症状を病院に確認していただくというのが大切になります」

 最初にすることは、病院に症状を伝えること。そこから病院に行くか行かないかの判断をしてもらうべきと話す木下医師。しかし、同様の症状だとしても、年齢によって受診の判断に差異があるという。

木下医師「子どもの中でも本当にちっちゃいお子さん、生後3カ月未満のお子さんは38度の熱が出たら必ず病院に行って頂きたいと思います。それ以降3カ月より後のお子さんに関しては、また症状との相談です。簡単な目安としては『食う寝る遊ぶ』。この3つができていたらそんなに慌てることはないかなと思います」

「大人の方は特別どういう症状だったら受診という目安はないのですが、普段から健康で40~50代ぐらいまでの“自立した生活”を送ってる方、(症状があっても)自分で歩けて食事もできてという状況でしたら、今はかなり逼迫してる状況なので、急いで病院に行かなくてもいいかなと思います」

 年齢によって受診の判断は異なる。そう話す木下医師は「子どもは重症化しないイメージがある」という質問に「子どもの“重症化割合”は流行初期から変わらない」と答えた。

「日本小児科学会のデータを見ると、確かにオミクロンになってから感染した人で入院が必要になった人の割合は減っているのですが、流行初期は隔離目的で入院していた実態もあるので、純粋に数値を比べるのは少し問題があります。実際、集中治療室に入らないといけないお子さんの割合や酸素投与が必要なお子さんの割合は流行初期からこれまでであまり変わっていません。酸素投与は2%ぐらいのお子さんに必要になってきており『オミクロンが軽くなった』という風に思ってらっしゃるとその症状が出たり、入院しないといけないということもあるので、やはりお子さんも同様に気をつけて頂きたいと思います」

子どもの“重症化割合”は流行初期から変わらない 10歳以下のワクチン接種に医師「副反応は非常に少ないので安心して」
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 子どもにも大人と同様に重症化のリスクがある。しかし、子どものワクチン接種率は現在約2割となっており、他の年代に比べて様子見の判断をしている保護者が多い状況だ。子どものワクチン接種について、木下医師は「副反応のリスクが心配でワクチン接種を避けているのであれば、その点に関しては安心して欲しい」と語る。

木下医師「お子さんも重症化しないわけではないので、自分のお子さんが本当に感染してしまったときに万が一のことが起こる可能性を考えてワクチンは接種して頂きたいです。ご両親がお子さんにワクチンを打たせていない理由は色々あると思うのですが、『大人と同じような副反応が出るから心配で打たない』ということであればご安心頂きたいです。5歳から11歳の年代のワクチン接種による副反応は非常に少ないということが分かっています」

「医療従事者として言えることは『コロナに感染するとこういうことになりますよ』ということや今の逼迫した医療機関では患者が診れない状況だということです。東京に住んでいて救急車が来ないとか、そもそも119番が繋がらないなんてことは僕が10年経験した救急の現場では聞いたことがないような状況であることは事実です。そんな状況下で、高齢者がメインで入院になったり亡くなってしまっているという事実と、若い人の自由な経済活動とのバランスというのは、医療従事者の手を離れている状態だと考えています。なので、しっかりと社会全体で議論して政治家が決断するということが必要かなと思います」

(『ABEMAヒルズ』より)

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