都心に現れた謎の廃墟群「アニマルハウス」 蚊の大量発生に不審者出没…苦情殺到も管轄区が対応できないワケ
【映像】苦情殺到の“アニマルハウス”
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 都心の一等地に、“謎の廃墟群”が広がっている。敷地内には動物が徘徊……近隣住民から「アニマルハウス」と呼ばれ、苦情が相次いでいる。

【映像】苦情殺到の“アニマルハウス”

「住居の壁一面にツタがびっしりと生い茂っている。入り口もツタで覆われている」「ひっくり返った洗濯機が投棄されている」「昼なのに、夜のように暗い。少しひんやり感じる」(スタッフ)

 東京・世田谷区の静かな高級住宅街に現れた“謎の廃墟群”。高台から覗いてみると、住宅街に突如現れた森のようだ。

 駅から15分ほど歩いた場所に密集しているのは、10軒ほどの空き家。数億円は下らない資産価値のある土地だが、まったく手入れがされていない様子だ。

都心に現れた謎の廃墟群「アニマルハウス」 蚊の大量発生に不審者出没…苦情殺到も管轄区が対応できないワケ
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 空き家群について、近隣住民の女性は「結構暗くて、不審者がよく出ていたので怖い。あとは虫。嫌だな、不衛生だな」と話している。インタビュー中には女性の娘が蚊に刺され、「めっちゃ蚊がいるんだけど!もう!!」と不満の声を漏らしていた。また、スタッフのズボンには蚊が4~5匹も止まっていた。

 この夏、猛暑の影響で激減しているといわれている蚊がここでは大量発生。さらに、動物の目撃情報も後を絶たない。

「猫はすごく多い。あとは狸とかハクビシン」(近隣住民の男性)

 たくさんの動物を見かけるため、「アニマルハウス」と呼ぶ人もいるそうだ。近隣住民が撮影した映像にはハクビシンの姿も。月に1度くらいは見かけるという。屋根の上で、タヌキの親子を目撃した人もいた。

都心に現れた謎の廃墟群「アニマルハウス」 蚊の大量発生に不審者出没…苦情殺到も管轄区が対応できないワケ
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 昭和41年(1966年)に建てられた空き家群――。当時の東京・世田谷区は、1964年の東京オリンピック開催時には競技を歩いて見に行けた好立地だった。周辺では、好景気を背景に商店街や飲食店の開店ラッシュが起こった。多くの家族連れなどが住んでいて、にぎわっていたようだが、30年ほど前から1軒、また1軒と住民がいなくなっていったという。

「昔風の作りで、(当時は)きれいだった。だんだん、こういうことを知っている人がいなくなる」(地元住民の70代男性)

 放置された空き家の数々。台風シーズンが迫る中、危険な点はないのだろうか。空き家問題に詳しい川義郎弁護士に現地を見てもらった。今にも落下しそうな風呂場からのびた煙突を見つけると、「これなんか危ない。完全に切れているので」と指摘。他にも、「この辺は(風で)ひさしが飛んでいってますよね。歩いているときに飛んでくると危ない」「あとはブロック塀。傷んで倒れてくる」などと危険な箇所を挙げていった。

都心に現れた謎の廃墟群「アニマルハウス」 蚊の大量発生に不審者出没…苦情殺到も管轄区が対応できないワケ
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 管轄する世田谷区にも、雑草が伸びたり、虫が湧いたり、不法投棄があったりすることなどについて多くの苦情が寄せられるが、手つかずのまま。そこには、対応したくてもできないワケがあった。

「民法上、民有地のものに区から手を出すことはできない。郵送・電話・訪問を繰り返しているが、所有者が反応しない」(世田谷区空家・老朽建築物対策担当の千葉妙子さん)

 番組は土地の所有者を訪ねたが、「取材はお断りします」と応じてもらうことはできなかった。

 地元の不動産事業者は、放置されたままの空き家群について首をかしげる。

「緑が多くて環境が良いところなので、すぐ売れる。(業者は)土地がなくて、のどから手が出る感じだから」(玉川不動産五十井誠代表取締役)

(『ABEMAヒルズ』より)

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