「気づいていたら、止めるために突っ込んでいったのに…」身近に起きた児童虐待死事件に今も苦しむヒップホップアーティスト般若
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 ヒップホップアーティストの般若さんが今年3月に発表した『2018.3.2』。

 東京・目黒区で起きた、船戸結愛ちゃんが両親からの虐待の末に亡くなった事件を扱ったものだ。楽曲制作に臨んだのは、当時、現場となった集合住宅のすぐ近くに住んでおり、結愛ちゃんが担架で運ばれる様子も目撃したことなどによる葛藤があったからだ。

「気づいていたら、止めるために突っ込んでいったのに…」身近に起きた児童虐待死事件に今も苦しむヒップホップアーティスト般若

 「目の前というかちょっと先で、そんな事があったんだ、という。本当に静かなところだったので、大きな声を上げればすぐ分かったと思う。それが聞こえなかったということは、声を出せない状況だったのか、と考えてしまった。僕も含め、気付いていたら止めるために突っ込んでいったとも思う。でも、その2~3カ月の間、俺は普通に生活をしていた。知り合いは“あまり考えない方がいいですよ”と言うが、考えないわけにはいかない。」。

「気づいていたら、止めるために突っ込んでいったのに…」身近に起きた児童虐待死事件に今も苦しむヒップホップアーティスト般若

 完成した『2018.3.2』について、「曲にするまでに3年近くかかった、ということが全てだ。曲にするかどうかでもすごく迷ったし、でき上がってからも、出すかどうかすごく迷った」と話す般若さん。

「気づいていたら、止めるために突っ込んでいったのに…」身近に起きた児童虐待死事件に今も苦しむヒップホップアーティスト般若

 「レコーディングはエンジニアの人と1対1だった。こういう内容だということを一切伝えに、頭からケツまで通して録ったら、彼は号泣していた。それを見たときに“あ、僕が歌ったことが人に伝わるかもしれない”と思った。ネガティブな反響も寄せられると思ったが、それは1割くらいだったと思う。逆に“自分も虐待を受けていました”とか、“幼少期に虐待を受けて、今はシングルで子どもを虐待しそうになっていたけど、その気持ちが止まりました”といった反応が多かった。

「気づいていたら、止めるために突っ込んでいったのに…」身近に起きた児童虐待死事件に今も苦しむヒップホップアーティスト般若

 ただ、それで僕の心がすっきりしたか?というと、それはないし、今後もないと思う。今でも向き合うのがきつい。あの日に見たものが、今もフラッシュバックする。ふとした時にもだが、近くを通ったときには必ず思い出す」。

 楽曲のリリースと同時に、児童虐待の防止に取り組む『FOR CHILDREN PROJECT』という団体も設立した。

「気づいていたら、止めるために突っ込んでいったのに…」身近に起きた児童虐待死事件に今も苦しむヒップホップアーティスト般若

 「『子どもたちの周囲に、優しさの輪をすこしずつ。』というのがスローガンだ。“答えが分からない”というのが正直なところだった。でも、分からないなりに何かやりたい、という話になった。正直、嫌な事件ばっかりだが 皆がもうちょっとずつだけ優しくなれば世の中が変わると思うし、皆が笑って生きていこうぜということになると思う。それが今の僕の気持ちだ」。(『ABEMA Prime』より)

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