8月に入り、夏休みを満喫する子どもたち。そんな子どもたちに。SNSをきっかけとした性犯罪被害の魔の手が迫っている。
【映像】魔の手は小学生にも… SNSを使った「グルーミング」の実態
SNSをきっかけとした未成年の性犯罪被害はスマホの普及に合わせて増加。その犯行手口も年々巧妙化している。
小学3年生のAちゃんにある日、SNSで同い年のB子からメッセージが届いた。
B子「同い年だね!よろしく!ダンスで○○の曲使ってるね、私も好きなんだ!」
Aちゃん「ホント?めっちゃかっこいいよね~」
趣味も合い、次第に親友になったつもりのAちゃん。そんなある日、B子からプライベートゾーンの写真が送られてきた。
B子「自分のからだのここが心配なの」
Aちゃん「普通だよ!」
B子「Aちゃんの写真も見せて。送ってくれないなら絶交!」
AちゃんはB子に自分の写真を送るよう迫られ、仕方なく写真を送った。すると、B子が豹変。「お前の写真をばらまかれたくかったら言う事を聞け」などと脅迫され、呼び出されたAちゃんは性被害に遭ってしまった。
趣味の話などで盛り上がり、相手の信頼を得て性的な要求をする。これが「グルーミング」だ。このような性犯罪の増加を受けて、警察庁もマンガで警鐘を鳴らしている。
自由な時間が増える夏休み。子どもたちの性被害を、どうしたら防ぐことができるのか? SNS犯罪や10代のネット利用に詳しいITジャーナリストで成蹊大学の高橋暁子客員教授は「子どもたちはネット上だけの知り合いでも会うことに抵抗がない傾向にある」と注意を促す。
高橋客員教授「多くのSNSは、13歳以上を対象としているものの、13歳以下の子どもたちも多く利用していて、こうした被害につながっています。また、ネット上だけでしかコミュニケーションを取っていない友だちだとしても(実際に)会うことに抵抗がない傾向にあり、小学生でもネット上で知り合った人と気軽に会ってしまうという事例が非常に増えているのです」
「小学生でもネット上だけの知り合いと会ってしまう事例が増えている」。そう話した高橋客員教授は、こうした被害を防ぐためには、保護者がネット上のリスクを正しく伝えて、安全に会うための工夫をすることが必要だと述べている。
高橋客員教授「こうした性被害を防ぐためには、低年齢の子どもだと他人事にせず、保護者の方がネット上のリスクを正しく伝えることが必要です。SNS上で『会おう』と言われてる時点でかなり危険ですし『相談にのるよ』『好きだよ』と言った優しい言葉を使ってくる人もいます。そういった場合に『絶対に会ってはダメ!』と言うだけでは、保護者に隠れて会おうとする事例もあります。」
「なので、『どうしても会いたいと思ったときは必ず相談して』と伝えることや、実際に会うことになった場合も、事前にビデオ通話をして本人確認をする。保護者がその場までついていく。必ず昼間に複数人で会うなど、安全に会うための工夫が大切です」
(『ABEMAヒルズ』より)