「有権者に見透かされる時代になる」旧統一教会と政治家との関係で注目を集める「祝電」「弔電」、送られて嬉しい?
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係が次々と明らかになる中、“接点”の一つとして挙げられるのが「祝電」だ。

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 山口環境大臣は5日、「どこでもそうだと思うが、いろいろなところから頼まれたら全部出しますね。そんな中で機械的に出したようですけれども、全く意識はありません」と説明。これを受け、Twitterでは「#山口環境大臣に祝電を頼もう」というハッシュタグがトレンド入りする結果となった。

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 こうした実態は山口大臣に限らない。小林経済安全保障担当大臣は「地元の方々からの依頼に対応した」、さらには野党・立憲民主党、日本維新の会でも、それぞれ3人の所属議員が旧統一教会の関係団体に祝電を送ったことを公表しているのだ(9日時点)。

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 9日の『ABEMA Prime』に出演した立憲民主党の源馬謙太郎衆議院議員は「山口大臣は非常に素直におっしゃったんだろうと思う。祝電には何種類かあるが、式典に対して多くの政治家は機械的に出していると思う。線引きもしていないから定型文で、その団体や業界に合わない、とんちんかんな内容になっているケースもある。なぜかと言えば、中身は披露されなくても、送り主の名前は披露され、その場の有権者の耳に入るからだ。しかし私なら不快に感じると思うし、有権者にも見透かされると思う」と指摘する。

 「弔電についても、ある支援者から言われたことがある。全く応援していない議員から送られてきた時、家族の不幸に付け込んだ売名行為のような感じがして、嬉しくなかったと。そこで私は中身で勝負するようにした。例えば元後援会長が亡くられた時には、本当に長文のメッセージを送った。長すぎて嫌がられるかなと思ったが、ご家族が泣いてくださっていた。改めて、魂を込めた、意味のあるものにしたいなと思った。

 だから結婚式などへの祝電を頼まれた場合も自分で出すかどうか判断をしているし、文案も全て見せてもらっている。弔電も名簿に載っている方、あるいは地域から頼まれた方のうち、“この人はずっと応援してくれていた”という方にはお送りするようにしている。結果、今年6月は弔電が15件で、うち4件は秘書が持っていってくれた。7月も18件のうち、7件は秘書が届けた。やはりただ票に繋がるからということではなく心に響くものじゃないと意味がないし、これからはそういう感覚の方が当たり前になっていくんじゃないか」。

■弔電ではなく、参列することには意味がある?

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 一方、国会議員の政策秘書などを歴任した政治家コンサルタントの鈴鹿久美子氏も「山口大臣は選挙が強い。私も“山口さんみたいになるにはどうしたらいいのか代わりに聞きに行ってくれ”と言われて聞きにいったことがある。それは本当にもう緻密で網羅的で完ぺきだった。その中に、もちろん祝電も入っていたということだと思う。

 都会の人からすれば“何それ?”と思うかもしれないが、地方では祝電一つ、弔電一つが本当に大事に思ってもらえることもある。バッジが付かないと仕事ができない政治家からすれば、ないがしろにできない、リアルな問題だ。もちろん、知らない人に“おめでとう”と言われるのは気持ちが悪いので、結婚式にむやみに送っている政治家というのはあまり聞かない。ただし団体や行政のお祝いの場に希望があった場合や、弔電は機械的に出すことが多いと思う」と証言する。

 「実際、私も秘書になりたての頃は先輩に“いつ葬式があるか分からないだろ、鞄の中に代議士の黒いネクタイと靴下の替えを忍ばせておけ”と先輩に言われたものだった。“お葬式は票田だ”という方もいらっしゃるし、やはり地元の代表者でもある議員から弔電が届けば、家族に不幸があったというとても悲しい状況に対して少しでも慰めになるのではないかと私も考えていた。ただ、失敗したこともあった。送り先について調べて出したつもりだったが、実はそれが議員とは反対の政党の集まりで、戻ってきた議員にすごく叱られた。それから私は国会の調査能力も使い、機械的に出すということをしなくなった」。

 その上で鈴鹿氏は「話が逸れるかもしれないが」としつつ「私が秘書をしていた国会議員がある方のお子さんのお葬式から帰ってきた時に、“鈴鹿さん。熱中症という事故だったって。なんだろうね、熱中症って”と言うことがあった。当時はまだ熱中症という言葉が知られる前だったからだ。そこからちゃんと調べて国会で取り上げ、やはり広く知ってもらおうという話になった。つまり政治家が冠婚葬祭に関わるのは単なる売名というだけではなく、地元を代表する議員としての仕事の一つにもなりうるものだと考えている」と問題提起した。

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 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「“どぶ板選挙”という言葉もあるように、いかに地域に密着できるか、ということはあった。新聞記者時代、火事の取材に行くと、消防が消火作業をしているところに地方議員の一升瓶を2つ結んだやつを担いで走ってきた(笑)。そのくらい“何かあったときにはすぐ駆けつけるんだ”というのを見せるということだ。ただ、時代が変わって、別に政治家から電報が来たからって別に嬉しくない、という人も増えてきたと思う。今回の山口大臣が発言は、そういう弔電の終わりの始まりだと思う」とコメントしていた。(『ABEMA Prime』より)

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