「恋愛感情に付け込んで…」“暗号資産”トラブル平均被害額400万円超 半数がマッチングアプリ経由
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 国民生活センターが「SNSやマッチングアプリ、知人や友人からの誘いをきっかけとした暗号資産(仮想通貨)のトラブル」に関して注意喚起を行っている。
 
【映像】「リスクを知っているなら勧めない」トラブルに巻き込まれないための4箇条(画像あり)※13:25ごろ〜

 全国の消費生活センターに寄せられた昨年度の暗号資産に関する相談件数は6350件。その中で、SNSやマッチングアプリで知り合った人、また知人・友人からの勧誘によってトラブルになったケースが目立ってきている。6350件のうち、SNS・マッチングアプリが4〜5割、知人・友人が2〜3割、残り2割程度が暗号資産で支払いを求める脅迫メールや架空請求だった。

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 なぜ、SNSやマッチングアプリをきっかけに騙されてしまう人がいるのだろうか。消費者庁の取材などを担当するテレビ朝日経済部・本田紗衣記者は、こう語る。

「直接的な原因は不明ですが、ただSNS・マッチングアプリの利用者自体が増えているのは事実です。コロナ禍も影響し、人に会えない、出会いが少ないという中で使う人が増えていて、恋愛感情に付け込んでお金などをだまし取るロマンス詐欺なども増加傾向にあります」(以下、本田記者)

 被害者の年代について、本田記者は「20代から70代まで、男性はだいたい500件ぐらい、女性は300〜500件ぐらいほどの被害がありました。性別・年代別の相談件数を見てみると、で決して若い人だけが被害に遭っているわけではありません」と話す。

「性別をみると、少し女性が少ないですが、だいたい男女同数程度の相談が寄せられていて大きな差はありません。つまり、どんな人でもトラブルに遭ってしまう恐れがあるといえます。また、契約者がすでに支払ってしまった金額の平均額は、40代から70代まで1人あたり400万円を超えています」

 中には、1億円以上支払ってしまった事例も複数件確認されているという。

「50代男性の例だと、SNSで知り合った外国人女性と頻繁に連絡を取り合うようになったあと『暗号資産の投資が儲かる』と勧められて、男性は国内の暗号資産交換業者に口座を作って、330万円を入金しました。追って、女性の指示で海外業者のアプリをダウンロードして、全額を送金しています。男性が『引き出したい』と言ったら、立て続けに税金や保証金を請求され、(追加で)およそ170万円を支払ったそうです。女性の連絡先は携帯番号と無料通話アプリのIDのみで、男性がこの女性と実際に会ったことはありませんでした。女性は『手数料50万円を支払えば600万円を入金できる』などと言っていたそうです」

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 事例はこれだけではない。今年4月、30代女性から寄せられた相談では、マッチングアプリで知り合った男性から暗号資産投資を勧められた例もあった。

「被害に遭った女性は、最初に国内業者のアカウントで口座を作り、交換した暗号資産を海外の業者を使って、別の暗号資産に換えました。すると、いくらか儲けが発生し、実際に口座に入金があったそうです。その後も次々と投資し、さらに高額投資を勧められ『お金がない』と伝えたところ『消費者金融で借りるように』と言われ、借り入れを行いました。これまでに500万円以上投資したそうです」

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 どのような人、やりとりに気を付ければ騙されずに済むのだろうか。

「主なトラブルは『入金したお金や利益が出金できない=お金が返ってこない』ことです。暗号資産の取引口座やアプリ上では1、2回目までは利益が出ているように見えたり、サイト上では儲かっているように見えることもあります。しかし、出金しようとすると手数料や税金・保証金などの名目で、さらにお金を請求されるケースが多くありました。海外の業者のサイトやアプリを介して、トラブルになっているケースも目立ちます。そもそも投資は、リスクがあるものです。リスクがあることをしっかりわかっている人は、他人に簡単には勧めません。つまり、安易に勧めてくる人は『リスクが分かってない』と思った方がいいと、国民生活センターの担当者は話していました。暗号資産は価格が変動するもので、1ビットコインが309万円程度(※8月4日放送時の価格)ですが、この半年で600万円近かったこともあり、とにかく価格が大きく変動します。その点をしっかり理解する必要があります」

 もし、騙されてしまった場合はどのように対処するべきなのだろうか。

「暗号資産に関する取引を持ち掛けられて不安に思ったり、トラブルに遭った場合は消費者ホットライン188番に連絡をしましょう。最寄りの消費生活センターなどを紹介してくれます。行政や警察が介入すれば、資産が取り返せるケースもあります。ただ、詐欺的な業者で取引をすると、なかなか連絡がつかない場合も多く、返還を求めることは困難だと思ったほうがいいとのことです。今回紹介した事例の中で、特にSNS・マッチングアプリで知り合った人からの勧誘によるトラブルは1度も会ったことがない相手に騙されたものでした。みなさん『私は騙されない』と思うかもしれませんが、一度は利益が出たように見せるなど、巧妙な部分もあります。使ったお金は返ってこないと思いましょう。『うまい儲け話はない』を肝に銘じて気を付けていただきたいです」

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