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 今年30代に突入する年齢だと聞いて驚いた。現在ブレイク中の俳優・磯村勇斗は実年齢に比べて若々しい印象がある。磯村自身「実年齢よりも若く見られることの方が多いです。顔の作り的にも童顔なのかもしれない」と笑顔を浮かべる一方で「年齢はただの数字でしかない」とエイジレス思考で生きている。

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 今年9月に30代に突入する磯村に年齢への特別な感慨はないようだ。「僕は年齢を気にしていません。というのも年齢はただの数字だと思っているからです。年齢を意識するとそれに縛られるのが人間だし、その概念に囚われていない人の方が常に若々しい。動物たちが自らの年齢を自覚していないのと同じように、僕もその感覚でいたい」と自分に限界を設けない。

 30代は人生においてもビジネスキャリアにおいても岐路になると言われることも多いが「俳優の仕事でも『30代は脂が乗る』とか『30代は難しい』などと言われることがありますが、年齢で区切るのは決めつけのような気がします。年齢を理由に諦めたり、年齢のせいで制限が作られたりするのはどうなのかなとも思う。年齢に縛られることなく、やりたいと思ったときにやればいい。だから僕には20代でやり残したと思うことも後悔もありません」と気持ち一つでいかようにも自由になれるという。

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 8月26日公開の『異動辞令は音楽隊!』では、阿部寛演じる鬼刑事とバディを組む若手刑事の坂本役。後輩キャラもハマり役だ。「僕自身もずっと後輩でいたいと思うタイプ。自分が先輩になって後輩を引き連れる姿は想像できません。将来的にキャリアを重ねて可愛い後輩ができたとしたら僕はどのように接しているのか?自分でも気になる。舐められないようにカッコいい先輩でいたいとは思うけれど…どうかな?」と首をかしげる。

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▲映画『異動辞令は音楽隊!』より

 先輩俳優の阿部とはフジテレビ系連続ドラマ『まだ結婚できない男』(2019年)以来2度目の共演。その背中は実際の身長以上に大きかったらしい。「阿部さんの背中はとにかく偉大。何も言わずとも引っ張ってくださるオーラがあります。ドシッと構えてくださっているので、僕らはその背中を仰ぎ見ながら付いていくだけ。頼もしいと同時に大きな背中に恥じないような芝居をしなければと襟が正されます」とリスペクトしきり。

 撮影の待ち時間に覆面パトカーの中で語り合ったことも思い出深い。「僕の生い立ちや、俳優になった経緯などを聞いてくださって、僕ら後輩がどのように仕事と向き合っているのかに興味を持ってくれました。阿部さんは『仮面ライダー出身の俳優と共演する機会が多い』と笑っていました。劇中での阿部さんは鬼刑事として物凄く怖いですが、実際は紳士的な方です」と再共演だけに腹を割って話すことができたようだ。

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 今年はカンヌ国際映画祭に初めて参加して、レッドカーペットを闊歩。メジャー作品や主要キャラクターを演じる作品へのオファーもひっきりなしだ。「素敵な作品に携わらせていただく機会も増えて、僕自身としても一人の役者としてもやりがいと成長を感じています」とブレイクを実感。場数を踏むことで現場での立ち振る舞いも自然になったと思う。「現場に入るたびに感じていた緊張もいい形で徐々に薄れてきました。様々な現場を経験させていただくことで、撮影現場でカメラの前に立っている自分の状況に対して違和感を持たなくなった。これが自然体なのかと思うことも増えました」と俳優道を邁進中だ。

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 仕事に没頭する日々の癒しは台所にあり。「仕事以外での没頭時間は魚をさばいているとき。最近はさばくのに慣れてきて、色々な魚に挑戦してみたいと考えています。難しいといわれるウナギやフグ。特にフグは毒があるので調理師免許が必要なので、ゆくゆくはそのレベルくらいになってみたいです」と手先が器用な凝り性でもあるようだ。

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取材・インタビュー:石井隼人
撮影:You Ishii

スタイリスト:笠井時夢(Tom Kasai)
ヘアメイク:佐藤友勝(Tomokatsu Sato)

映画『異動辞令は音楽隊!』

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 第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞ほか数々の賞に輝いた『ミッドナイトスワン』を手掛け、映画界でいま最も注目される内田英治監督最新作。阿部寛演じる30年間現場一筋の鬼刑事・成瀬司の、コンプライアンスを無視した過激な捜査、同僚刑事の胸ぐらに掴みかかる気性の荒さがたたり、ある日突然捜査一課から、まさかの広報課<音楽隊>へ異動が言い渡されるところからはじまる物語。

原案・脚本・監督:内田英治 (『ミッドナイトスワン』) 
出演:阿部寛、清野菜名、磯村勇斗、高杉真宙、板橋駿谷、モトーラ世理奈見上愛、岡部たかし、渋川清彦、酒向芳、六平直政、光石研、倍賞美津子
配給:ギャガ ©2022 『異動辞令は音楽隊!』製作委員会

8月26日(金)全国公開

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