連日、旧統一教会と政治家との接点が判明する中、教団内部でも異変が起きているという。教団職員の女性が『グッド!モーニング』(テレビ朝日)の取材に応じた。
スタッフがインタビュー場所として通されたのは、待合室。取材に応じたのは、普段は手紙の受け取りや電話応対をしている、教会の日本本部で7年働いているという信者の女性。連日、恐ろしい体験をしているという。
「脅迫の手紙や脅迫の電話が毎日のように来て、怖い。2通とか3通とか、だいたい毎日来ている」(女性職員)
『プレゼントや ありがとうと思え』と書かれた封筒に入っていたのは、カミソリとマヨネーズの袋。
「怖くて見られない。(プレゼントなんて)いらない、送ってこないで下さいと言いたい」(女性職員)
さらに、『入会希望』や『相談』という題名で送られてくるメールには、『てめえ殺すぞ 家族も殺すぞ』『ガトリング砲 バラバラに殺してやる』という文言も。
安倍元総理の銃撃事件以降、教団に届いた脅迫の手紙やメールなどは1万件以上。先週には、『これでも売って金作ってこいや』という文面とともに信じがたい物も届いたという。
「白い粉が入っていて、本当に怖かった。白い粉なのでもしかしたら覚醒剤とか……。警察に届けた」(女性職員)
実際に違法薬物なのかはわからないが、白い粉は覚醒剤事件で押収されるようなビニール袋に入っていた。
教団に届く、大量の脅迫文や不審物。問題視されている政治との癒着や、霊感商法の被害を訴える人が相次いでいることなどから、教団に対する批判が高まっていることについてどのように受け止めているのかを問うと次のように語った。
「(信者をやめたいとか)そういうことは一切思ってない。こういう脅迫の手紙とか電話は来ないようにと、毎日思っている」(女性職員)
■臨床心理士「“旧統一教会になら何をしてもいい”という感覚になっている可能性」
旧統一教会へ脅迫の手紙やカミソリを送る人の心理について、臨床心理士・公認心理師で明星大学心理学部准教授の藤井靖氏は次のような見方を示す。
「旧統一教会に対する強いネガティブな思いがあるのは間違いないだろう。例えば、SNSに悪口を書いたり、マイナスな情報を拡散したりするのは一時的な感情であることも多いが、それとは少し質が違う。ただ、旧統一教会に対して何か解決したいと思っても、個人ではなかなか難しい。その状態が続くと、モヤモヤして、どんどん視野狭窄状態になって、物事を単純化して捉えたり、原因と結果を直線的に考えるようになる。そして、検挙されるなど自分の行動の結果も考えずに、“旧統一教会になら何をしてもいいんだ”という心理になってやってしまっている可能性が考えられる」
では、解消できないモヤモヤやストレスを抱えている時、どのようにすればいいのか。
「個人の中でのモヤモヤの解消方法は3種類ある。1つ目は、直接的にその物事を解決するために努力する方法。2つ目は、ネガティブな感情をどこか別の場所で発散する方法。例えば、閉じられた場所で友人に自分の気持ちを話すとか、ジャーナリングといって、自分だけが見られるノートやスマホのメモに言いたいことを日記的に書いてみるのもいい。3つ目は、全然違う気晴らしや趣味などでモヤモヤしていたことから距離を取る方法。この中でも、直接的ではない方法で発散したり、1つの方法に偏らずバランスをとったりすると自分のストレスのマネジメントはうまくいくことが多いし、よりよい解決策が見出せることもあるので、直接的な解決に固執しないようにしてほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)




