7月に行われた参議院選挙で過去最多となった、女性候補者の数。自民党では比例代表の公認候補のうち3割を超えた。
その中の1人、向山政策ラボ代表の向山淳氏。現役世代の女性の目線で政策を訴えてきたが、結果は無念の落選。蓋を開けてみれば、当選した女性は過去最多となった一方、その割合は28%と3割には届かず。いまだ日本のジェンダーギャップ指数は先進国で最低レベル、政界を見てもその男女差は歴然だ。
今回の参院選で壁を感じることはあったのか。29日の『ABEMA Prime』は向山氏に話を聞いた。
「落選なので、ひとえに力至らずということだったと思う。今回は“三バン(地盤・看板・鞄)”と言われるようなものが全くない中でのスタートで、準備が足りなかったと思っている」と選挙を振り返る向山氏。
向山氏はハーバード大学公共政策大学院を修了後、総合商社に10年務め、新型コロナ民間臨時調査会のワーキングメンバーとして行政のデジタル化などについて提言も行った、政治に近い経歴の持ち主。「政策を作って即戦力で頑張れる自負はある」という一方で、「自分を知ってもらって票を取るのは全然違う行為だと感じた。自民党の公認候補ではあったが、タレントで知名度があるわけでも、何かしらの業界団体を代表しているわけでもない。全国比例は178人の中から名前を書いてもらわないといけなかったので、結構なハードルだということがよくわかった」という。
では、女性であるがゆえに当選しにくいと感じることはあったのか。
「私と同じ状況でスタートしていたら多分、男性でも同じような結果だったのではないか。そこに男女差はないと思う。しんどかったのは、選挙戦中ずっと子どもに会えなかったこと。女性だからなのか、子育て世代だからなのかというところはあるが、かなり大変だった」
立候補へのハードルはあったのだろうか。
「それはすごくあると思う。自民党は現職の方がほとんどの選挙区にいる中で、引退したり何かスキャンダルがあったりして人が変わるところでないと声が掛からない。100人とか狙っている人がいる中で、わざわざ女性を選ぶかというとなかなか厳しいのだろう」
ジャーナリストの堀潤氏は「参院選の全国比例はお金もかかるし、各地域に後援会などの地盤がないと大変だ。地方はだいたい地元の有力者や土建業など、完全なる男社会によって作られた地盤がある。全国比例ではなくて、都市部の選挙区で自民党候補として出るようなことが増えれば変わると思っていたが、その選択肢は与えられなかったのか」と尋ねる。
向山氏は今回の立候補が「女性を3割にするという中で声を掛けていただいた」ものだと明かし、「選挙区の方が既存の論理が働きやすい。例えば、継ぎたい人がいるとか、次はこの人に、という話が多いのではないかと思う」と答えた。
今後の活動については、「やはり女性が政治の中に増えていくべきだと思っているし、その先兵として道を切り開いていくぞという気持ちでいる。引き続き活動をしていきながら、三バンがないと言われてもそれを乗り越えるくらいきちんと活動していくということで結果を出していきたい」と決意を述べた。(『ABEMA Prime』より)
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