喫緊の課題となっている水不足を解決するため、節水アプリを開発。そんな“小中学生プログラマー”4人を取材した。
イギリス・ロンドンでは「500年に1度」の干ばつでホースの使用が禁止に。中国では猛暑による干ばつで農作物への被害が広がっていることを受け、約2000億円を拠出して対応するなど、今年は世界各地で水の問題が浮き彫りとなった。
国連は2080年代には世界の人口がピークの104億人に達すると推計していて、エネルギー問題同様、水不足の解消も喫緊の課題になっている。この水の問題をITで解決しようと行動に移した子どもたちがいた。
「“Watey”という家族で手軽に楽しく節水ができるアプリです」(アプリリーダー・あかりさん/12歳)
節水アプリの開発に取り組んだのは、4人の小中学生。プロジェクトリーダーやデザインリーダーなど、それぞれの役割を担う開発チームを組む。1カ月にわたってアイディアを出し、それを形にするという大人顔負けのプロジェクトだ。
チームが着目したのは、日本人が1日に使う水の量の多さだった。内訳をみてみると40%がお風呂で使われていて、その量を節約するためのアプリ開発を目指した。
「流量計の仕組みとマイクロビットの関係を調べたが両方とも日本になくて、英語のページを翻訳した」(デザインリーダー・りらさん/10歳)
シャワーヘッドに取り付けられた流量計の情報を小さなマイコンボード「マイクロビット」が受け取り、アプリがその情報を取得する。家族みんなが楽しみながら節水できるように、誰がどれだけ節水したかがわかり、節水量によってアプリの海の中にいる魚が増えるといった遊び心も取り入れた。
「今まで実感するきっかけがなかったので、自分(の水の量)が多かったのかはちょっとわからないが、思ったよりも使っていた」(プロジェクトリーダー・ゆうかさん/12歳)
開発したアプリを世界に発信するため、英語による解説動画も制作。アメリカのNPOが主催するコンペで賞を受賞した。
「みんなで案を出したり助け合ったりしたので、努力が報われたと思った」(動画リーダー・おとさん/11歳)
今回チームを組んだのは、子ども向けのプログラミング道場に参加するメンバーだった。活動を見守ってきたCoderDojo瑞穂の佐原慎也さんも、4人が成し遂げた成果に誇らしげだ。
「本当に自分たちだけでこれをやり切った。もちろんわからないところや技術的に難しいところは僕たちに相談してくれるが、自主的に進めて、最後には受賞できるところまでいって本当にすごいと思った。自分たちで分からないところを調べて問題解決していくので、素晴らしい」
(『ABEMAヒルズ』より)