“増額ありき”防衛費に懸念の声も 「国家意思を示すことが抑止力になる。“なめるなよ”と」松川るい元防衛政務官
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 防衛省の来年度概算要求の概要に書かれた「日本の安全保障環境は新たな危機の時代に突入」の文言。そして、計上された額は過去最大の5兆5947億円。

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 これに加えて、詳細な内容が決まっていない政策については予算を明示しない「事項要求」として記載。予算はさらに膨れ上がり6兆円を超え7兆円を視野に入れる可能性もある。

 その中に盛り込まれているのは、いわゆる「反撃能力」への活用を念頭にした、敵の射程圏外から攻撃可能な「スタンド・オフ・ミサイル」の早期部隊配備や、攻撃型無人機の導入に関してなどだ。

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 自民党は「5年をめどに予算倍増」を掲げており、今後も防衛費は「増額ありき」になるのではとの声もある中、何にどう使われるのか、自民党・元防衛大臣政務官の松川るい参議院議員に聞いた。

 「日本の防衛は必要な機能がまだつけられていないところがたくさんある。私は堂々と日本国民の皆さんに“こういう機能がないと日本を守れない、必要なんだ”としっかり説明をして、納得してもらって(予算を)積み上げたい」と話す松川議員。

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 事項要求のスタンド・オフ防衛能力は「絶対に必要」だといい、「ひとことで言うと反撃能力。中国や北朝鮮、ロシアなどはいろいろな種類のミサイルを持っているが、いわゆる弾道ミサイル防衛というのは、飛んできた弾を弾で撃ち落とす真剣白刃取りのような世界だ。普通の国は“こちらからは撃たないが、そっちが撃とうとするなら攻撃させてもらう”という能力を持つことで抑止するが、これに繋がるのがスタンド・オフだ」と説明する。

 先月、自民党議員などが参加し台湾有事などを想定したシミュレーションが行われたが、松川議員は課題として「国民の一時保護や輸送手段」「海上保安庁と海上自衛隊の連携」「自衛隊が“やっていいこと”だけを規定するポジティブリストで運用されている」という3点をあげ、グレーゾーン事態での対応策や法整備が不十分だとの見方を示している。

 「日本は憲法9条2項の解釈や、そもそも警察予備隊から発したこともあって、手を縛ることばかり一生懸命やってきた結果が現状だ。周りの国と比べて日本が勝っている分野もあるが、例えば中国のGDPは日本の2.5倍だし、軍事費でも5倍なわけだ。日米で合算してどうにかという話をしているが、中国は1200機ある第4世代、第5世代戦闘機を2025年には2000機にすると言っている。急速に軍拡をしているのは私たちではなく周りの国で、その中でどうやって日本を守っていくのか。自衛隊という唯一無二の組織の手をどれだけ縛るつもりなのか」

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 また、“増額ありき”という声に対しては、「国家意思が大事で、“日本は自分たちで国を守り抜く”と。その時の財政事情などで直線的にいかないかもしれないが、“GDPの2%を目途に必要な増額をする”ということを、今の時点で発信すること自体が抑止力だと思う。“なめるなよ”と」と述べた。

 元参議院議員でEGGS ’N THINGS JAPAN株式会社代表取締役の松田公太氏は「ちなみに研究開発費はどれくらい見ているのか? ここを厚くしないと」と指摘する。

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 松川議員は「防衛省もそれはよくわかっていて、今回の概算要求の中にも、柱のところに加えて共通基盤として防衛生産技術基盤の強化を含むと書いている。中国なんかはGDPが2.5倍だし、人口も全然違うので、量で競っても仕方がない。これから戦い方が無人機になったりドローンになったり、サイバーもあることを前提にして、いやらしい戦い方ができる非対称な能力が必要。結局、国力の源泉は技術力で、防衛省が予算要求をしていても、裨益するのは日本の企業や研究者だ。そこをもっとちゃんと訴えていったほうがいいと防衛省に言っているところだ」と答えた。(『ABEMA Prime』より)

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