今月に入り1ドル=140円台に突入し、急激な円安が進んでいる。7日の外国為替市場では円相場が下落し、一時1ドル=144円台を記録。1998年8月以来、およそ24年ぶりの円安水準となった。
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テレビ朝日・経済部の村野俊デスクはこう話す。
「日本の円相場はここ数日で5円近くも値下がるなど、急激な円安が続いています。円安が進むことで『輸出額・海外からの観光収入が増える』といったメリットがある一方、エネルギーや食糧などの輸入コストが増え、海外旅行が高くなるといったデメリットがあります」(以下、村野デスク)
円安が続くことで、危惧されるのは国民の負担だ。村野デスクによると「生活者目線では、あまりよくない情報ばかりだ」という。
「みずほリサーチ&テクノロジーズによると、いまの1ドル140円の水準が続いた場合、今年度の家計の負担が、前の年より7万8000円あまり増えるという試算を出しています。電気・ガソリンなどのエネルギーや食料品の増加が大きくなり、特に低所得世帯への影響が大きくなっていきます。企業によっては輸出や観光などの需要で円安のメリットもありますが、生活者目線では、あまりよくない情報ばかりですね」
生活者目線で、どのようなことをやればいいのだろうか。
「食品ロスの削減や、携帯・電気料金の契約の見直しなど、やれることは限られてきます。地道な家計の工夫をして乗り切るしかなく、外貨預金にシフトしている人もいます」
7日、新型コロナの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図るため、政府の水際対策が緩和された。日本の観光地では海外客増加に期待が高まる一方、円安により海外旅行をためらう人も少なくない。
「アメリカやヨーロッパなどでは、もちろん円安ですが、実は、円高の通貨の国もあります。トルコです」
トルコの通貨はトルコリラだ。村野デスクによると今年1月、1トルコリラがおよそ8.7円だったのが、9月はおよそ7.7円の円高になっているという。
「1万円を換金すると、1月はおよそ1150トルコリラだったのが、今はおよそ1300トルコリラです。ただし、渡航される際は、外務省の危険情報や新型コロナの感染対策ルールなどを確認するようにしていただければと思います」
この円安傾向は今後も続くことになるのだろうか。
「日銀の金融政策が変わるか、アメリカの景気後退観測が強まるまでは、このトレンドが続くという見方が強いです。黒田総裁の任期である来年3月までは円安傾向が続く可能性が高いでしょう」
(ABEMA NEWSより)