プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の公式実況として試合を盛り上げ、選手を際立たせてきた名解説者・渋川難波(協会)が、ついにMリーガーとして卓につく。病気のためにチームを離れた沢崎誠(連盟)に代わってドラフト指名を経て入団。ドラフト会議の前から、指名候補の大本命と言われており、その通りにMリーグ入りを決めた。時に選手の気持ちになりきる“憑依解説”もやってきた渋川だが「自信があるから解説より打ちたい」と、選手としてMリーグに関わるという強い思いは、ずっと持ち続けていた。
-ユニフォームに袖を通した気分はいかがでしょうか。
すごく身が引き締まる思いです。ちょっとだけ緊張しますね……。
-昨期まで公式解説を務めていたところから選手になりました。
早く開幕してほしいな、打ちたいなという気持ちが強いですね。やっぱり麻雀が大好きだから。どうせ1戦目は緊張するので、それなら早く緊張をほぐしたいし、早く打ちたいですね。
-新しい場での戦いは楽しみですか。
ワクワクしますね。麻雀界で一番大きな舞台で、どんな麻雀が打てるだろう、どんな結果が出るだろうと。
-Mリーグ入りが決まってから、周囲からの祝福の声などはありましたか。
たくさんの方にお祝いの声を頂いたという自覚はありつつも、自分はMリーグで公式解説をしていたから、あまり新しくなった感じがしないんだろうなという感覚もあります(笑)。ただ、Mリーグでの解説でみなさんに評価されたし「憑依型解説」と謳っているわけなんで、それで自分で打つ時とんでもなかったら「なんなんだ」となってしまうと思います。そういうプレッシャーはちょっとありますね。だけど、自信があるから解説より打ちたいと言っているので、プレッシャーはあるけど自信もあります。
-Mリーグルールで戦うことについてはどう思いますか。
赤アリルールで、なおかついろいろな打ち筋の人がいるので、ベースの打ち方を作って、人によって微調整していく感じです。
-参考にしやすいMリーガーはいますか。
同じ協会の堀慎吾さん、松本吉弘君、仲林さんは考え方が近いですね。特に堀さんは先輩なんで、Mリーグでどういう風に変えてきたかとか、その辺は参考にしていきたいと思っています。
-サクラナイツはMリーグの中でもエンタメ性が高いチームとして知られています。
かなり優しく迎えてくれていました。監督がすぐ「期待しているよ」とか言ってくるので、緊張する暇がないというか(笑)。入団会見だけはめちゃくちゃ緊張したんですけど、それ以外は緊張する間もなく楽しくやっています。
-今後、練習会の予定は。
これまでもあったんですけど、チーム全員が集まれない日もあるので、個人は個人で調整しながらチームでもやっていきます。
-トップを取った時のインタビューのイメージはありますか。
自分のYouTubeの配信でインタビューが不安だって言われるんです。だから自分のYouTubeで、1位取った時のために、1人でリポーターの松本圭世さんの役もやりながら練習していますね。上達していると思うんですけど、やっぱり配信ではふざけちゃうので(笑)本番で同じようにできる自信はないんですけど。
-昨年の優勝メンバーから、最もポイントを稼いだ沢崎誠さんが抜け、その代わりに入ることになりました。
沢崎さんの代わりにはなれないんで、と開き直りじゃないですけど、そういう気持ちで自分にできることをやっていきます。優勝チームに入るというのは、プレッシャーよりも、逆に僕が調子を崩して負けたとしても他の人が取り返してくれるという気持ちがあるので、強いチームに入ったことによってリラックスできるかなと思います。プレッシャーよりも、みんながなんとかしてくれるという気持ちですね。
-チームから何か役割として伝えられたことはありますか。
あんまりないですね。入団会見で+200ポイント勝ちますと言ったんですけど「渋川さんが+200勝つなら、僕はトントンでいいかな」とか、堀さんにそういう風に言われるんで(笑)。+200勝ちたいと思います。
-チーム戦で戦うことで、麻雀に変化もありますか。
僕の印象なんですけど、チーム戦を意識しすぎている人ほど、ミスりやすくなっていると思うんですよ。もちろんチームメイトの顔はよぎったりするんですけど、麻雀は1人でするんで、基本的には個人戦だと思っています。ポイント状況でちょっと変える。それくらいがちょうどいいです。見てきた結果、チームのためにというよりは、自分が勝つことがチームのためという人の方が、成績を残しているイメージがありますね。
-その戦い方をできているMリーガーは誰ですか。
佐々木寿人さんとかは、チーム戦なんですけどガンガンリーチするじゃないですか。「このリーチを空振ったらチームに迷惑かけるな」とかはよぎらず、自分の麻雀をやる。チームメイトもなんでも好きにやってこいと言うと思うので、自分を変えずに行きたいと思います
-今度は解説される側になります。どういうポイントを解説してほしいですか。
僕は思い切りのいい打ち筋です。それ押したのに、これは止まるみたいな、押し引きのメリハリがかなり強めだと思うので、そこをぜひ解説してほしいですね。
-渋川さんを含め、新Mリーガーは3人になります。“同期”の意識はありますか。
僕はそこまでないです。ただ、みなさんからは比べられるだろうなとは思っています。しかも最高位と雀王、發王とタイトル王者がガッと入ってきたので。色々言われるかもしれませんが、あんまり意識せずに行きたいですね。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)