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 異色の俳優育成オーディションバトル番組が再始動。ABEMAオリジナル番組『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2(通称:オレイス)』が、9月29日(木)夜11時より「ABEMA SPECIALチャンネル」にて放送スタートする。前シーズンに引き続きMCを務めるのは、歌舞伎俳優の尾上松也だ。

【動画】『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2』予告

 今回は15人の“プロ”の若手俳優たちが、5人の主役の座を勝ち取るために、人生をかけたオーディションに挑む。ABEMA TIMESでは番組初回収録時に松也を直撃。意気込みについて聞くと「覚悟を持って番組を作っていく」と力強く語る。

番組の作り手側も良い緊張感が生まれている

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――前シーズンは、出演者が脱落した場合「出演はせず舞台の裏方に回る」または「完全に番組を降りる」のどちらかを選ぶというルールの下、舞台の出演権を争っていました。最新作では脱落ルールが撤廃され、さらに合宿のシステムではなくなりました。フォーマットが大きく変化したことで期待できることは?

やはり合宿は、どうやってもオーディションのことだけを考える状況に追い込まれると思うんです。ですが今回は自分の家に帰ったり、自由な時間もある。より一層継続して努力する力が試されると思います。そういう意味でも、よりプロ志向な気がしますね。

――仲間と分かち合う時間も少ないですし、シビアな環境に身を置くことになりますよね。

そうですね。もちろん協力して表現をしなくてはならないので、そこでの絆は生まれてくると思うのですが、今回は脱落というルールがない分、競争心やライバル心にもまた違う影響が加わってくると思います。

――前シーズンと異なり、主役に抜擢される人数も1人から5人に増員されました。

そうですね。それに加え、今回はご褒美として数社(※)が協力してくださり、その後さまざまに展開していくのですが、どういう人物が求められているのかは未知数。挑戦する15人のメンバーはもちろんですけど、協力企業も大きな賭けにでていると思います。

(※)『テニスの王子様』『刀剣乱舞』などの2.5次元ミュージカルを数多く手掛ける「ネルケプランニング」をはじめ、『進撃の巨人』などを手がけた講談社・川窪慎太郎氏、キングレコードで『ヒプノシスマイク』を手がける宮本純乃介氏など、2.5次元界に大きく関わる各業界のトップランナーが集結する。

――確かに、迎え入れる側もビジネスしていくという意味では生半可な気持ちで関わっていないことは容易に想像ができます。

出来ているものを迎え入れるわけではなくて、出来たものから広げていく作業をするわけですから。そういう意味で番組の作り手側も、オーディションを受ける側にとっても良い緊張感が生まれていると思います。

僕自身も常に危機感を持って舞台に立っている

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――シーズン1を振り返って、松也さんが特に印象的だったシーンは?

やはり最終回ですね。あの回は生放送でしたけど、熱意のある芝居を受けて、とても感動しましたし、本当に“全員に力を貸すことができたら…!”と思いました。あの時は脱落したメンバーは「残る・残らない」の選択肢がありましけど、ほとんどのメンバーが生放送にも駆けつけて、ライバルでありながらの絆も美しかったです。でも、まぁ、それは絆も生まれますよね。とても厳しい部活の合宿みたいな期間を一緒に過ごしたわけですから(笑)。

――まさに(笑)。どこか昭和の匂いを感じることができる“スポ根”のような切り口でした。

結束力や絆という部分だけで見ると、前回の方が一緒に暮らしていた分、強いのかなと思います。だからこそ、今回はサバイバルが激化していくのではないかなと。

――松也さんから見た“オーディション番組の魅力”はどんなところにあると考えますか?

僕は純粋に新しい才能はどんどん発見されるべきだと思っていますし、チャンスは多ければ多いほど、エンターテインメント業界の底上げにも繋がっていくと考えています。僕自身、まだまだ未熟者ですが、それでも僕よりも下の世代のために何かできることはないかと、考えを巡らせています。一方でそういうチャンスに挑める人が羨ましいという気持ちもありますし、視聴者の方もこの番組を通じてスターが生まれる可能性があるわけですから、それを想像しながら見ると楽しいと思います。

――これまで以上にエンタメ業界を発展させるためには、次世代の才能にスポットライトを当てることは、必要なことですよね。

本当にそう思います。役者もパフォーマーの層が厚ければ厚いほど、業界の底上げに繋がっていきますから。もちろん活躍する方が増えるほど、厳しい世界にはなっていきます。ですので、僕自身も常に危機感を持って、舞台に立っているつもりです。

――そういう意味でも松也さん自身、この番組から刺激を受けているのでしょうか?

もちろんです。講師の方の言葉ひとつひとつに考えさせられますし、若い子たちの芝居を観て“もっとこうすればいいのに”と考えること自体が僕にとっての気づきです。そういった時間を過ごせることは間違いなく、自分にとってプラスに働いています。

大した影響力もないまま終わってしまったら番組をやる意味もない

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――先ほど松也さんから「全員に力を貸すことができたら…!」という言葉もありましたが、取材を通じて、かなり強い思いでこの番組に関わっていることが伝わってきました。

シーズン1の時から、“みんなにチャンスを”という思いで見守ってきました。もちろん僕が直接指導しているわけではないですけど、今回も前回同様、出演するみんなに頑張ってもらって、この番組で大きくアピールしていただけたらと思います。そして、なんとかチャンスに繋げていただきたいですね。

――人生を変えるチャンスが目の前に転がっているかもしれないですよね。

そうですね。ただもちろん、僕のようなMCの立場も、製作するスタッフさんにもそれ相応の責任は伴ってくると思います。大した影響力もないまま終わってしまったら番組をやる意味もないですから。やはりそういう意味でも、ある種の覚悟を持って番組を作っていかなくてはならないと感じます。

――放送を楽しみにしています。最後にまだ『オレイス』を見ていない方にシーズン2を楽しく見られる方法を教えてください。

シーズン1とは異なる形のサバイバルになりますが、今回も演劇にとって必要な能力を引き伸ばすべく、あらゆる講師の方々が指導してくださいます。それを受けて、15人がどういう風に成長していくのか…課題の中で成長する子もいれば全体を通して、少しずつ成長する子もいる。そういう姿を通して、僕らも活力をもらって、明日のエネルギーに繋げていただけたらうれしいです。そして力をもらったメンバーのことを、ぜひ応援してください。

――成長する姿を追いかけることで感情移入もできますし。

そうですね。そして、講師の方々は長年をかけて築き上げてきた指導法を惜しげもなく披露してくださるのですが、こんなにありがたいことはないです。本来それは企業秘密のものですから。自分たちの武器になることを、彼らのために、全部を曝け出すということは本当にすごいこと。そういうことも考えながら、見ていただけるとうれしいですね。

――俳優を目指す人にとって大きな気づきがありそうですね。ある種の教材のような。

いろいろな課題にぶち当たる中で、メンバーのみんなにも得意・不得意があります。ですが「不得意」と言っていた子が最終的には勝つこともあって、そういう姿を目の当たりにすると、固定概念にとらわれないことってやはり大事だなと学べます。年齢・性別は関係なく、この番組を見ることで、考え方ひとつで人生は変えられるということを教えていただけるのではないでしょうか。ぜひ、楽しみにしていて欲しいです。

 『主役の椅子はオレの椅子 シーズン2』は9月29日(木)よる11時よりABEMAにて配信。

テキスト・取材:中山洋平、撮影:藤木裕之

主役の椅子はオレの椅子 シーズン2
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