元厚生労働大臣で自民党の田村憲久衆議院議員が24日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演。大臣時代の過酷なエピソードについて明かすと、橋下徹氏は国会の体質改善を訴えた。
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田村氏はコロナ禍の2020年9月、菅内閣で厚生労働大臣に就任し、約1年間その対応に追われた。当時について、「国会の答弁がすごく多い大臣で、1年で3776回。1回目の大臣(※)の時も2700~2800回と多かったが、それよりも期間が短く質問数も多かった」と振り返ると、次のように続ける。
※2012年12月発足の第2次安倍内閣、約1年8カ月
「厚生労働委員会や予算委員会はとにかく時間が長い。例えば、衆議院だと朝の9時から17時までやっていたりする。今日は5時間しかないと思ったら、3時間は参議院の本会議に呼ばれている分が抜かれているだけだったり。コロナでいろいろ役所などに指示を出さないといけないが、その暇がない。長妻(昭)さんから質問をされている時に、後ろに局長を呼んであの件、この件と指示すると、『大臣、私の話を聞いているのか』と怒られて、『すいません』と謝った」
これに橋下氏は「メディアで批判する場合、『国会で大臣が質問を受けて答えるのは民主主義として当然だ』と必ず言うが、それは違う。大臣は国会で説明する一万倍くらい、行政組織の中で仕事があることを、経験していない国会議員は知らない。ただ、自民党も悪いと思うのは、野党の時に国会改革をやって、自分たちが与党になることを考えて大臣や総理の出席ルールを決めるべきだった」と指摘する。
田村氏は「野党からは『あなたたちが野党の時はもっとひどかった』とよく言われる。やられていたことをやり返したらまたやり返される、“無間地獄”に入っている。そろそろ国会の在り方も考えた方がいい」と頷いた。
番組冒頭の「早い時は朝3時半ぐらいから準備していた」という話から、MCのサバンナ高橋が「第一声で“今日3時起き”とひとこと言うとか」と提案すると、「一度、『今日2時45分に起きてるんです』と言ってみたが、それは皆さん同情してくれた。大臣になってちょっとしてから、左の眼球の筋肉が麻痺してしまって、左右が同じように動かなくなった。焦点が合わないから答弁用紙が見られず、片目で見なければいけなかった」と明かした。
さらに、国会答弁のため官僚が朝6時まで資料を準備することもあったそうで、「3776回答弁しているということは、厚生労働省にはその何倍も答弁を作っている人たちがいるわけだ。その内容が半分以上使えない時もある。辞める人が増えてしまって、本当になんとかしなければいけない」と危機感をあらわにする。
橋下氏は「『働き方改革』と一番言っている厚生労働省がそれをできていない。これは国会がうまくマネジメントしないといけないが、自民党はしたたかで、最後に採決をやる必要があるから野党に対して文句を言わない。仕事柄、国会中継を見るが、しょうもない質問が山ほどある。勉強が不十分のまま“とにかく大臣に何か言ってやれ”みたいな感じで、僕だったら『お前アホか』って言う」と苦言を呈した。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)