アニメ「進撃の巨人」は、2013年から放送が開始され、シーズン4にあたるThe Final Season完結編の後編が2023年11月4日に放送された長期アニメシリーズです。
物語の終盤では、主人公であるエレン・イェーガーが「地鳴らし(じならし)」を発動し、アルミン・アルレルトたちが巨人たちの進撃を止めるべく動き出しました。その後、2023年11月4日に放送されたファイナルシーズン完結編の後編で物語が完結しました。
この記事では、物語の幕引きにおいて重要な鍵を握る地鳴らし(じならし)について解説します。
目次
- アニメ「進撃の巨人」とは
- アニメ「進撃の巨人」地鳴らしとは?
- アニメ「進撃の巨人」地鳴らしの発動条件
- なぜエレンは地鳴らしをしたのか
- 地鳴らしを止める方法は?
- 最終的に地鳴らしは止められたのか?
- アニメ「進撃の巨人」地鳴らしのまとめ
アニメ「進撃の巨人」とは
アニメ「進撃の巨人」の舞台は、人間を捕食する“巨人”が存在する世界です。巨人の侵入を阻む「ウォール・マリア」、「ウォール・ローゼ」、「ウォール・シーナ」という3つの壁巨大な壁の中で生まれ育った主人公エレン・イェーガーは、ある日、幼馴染のミカサ・アッカーマン、アルミンとともに、巨人が一番外側の壁であるウォール・マリアを壊す場面に遭遇します。
母親を目の前で巨人に食い殺されたエレンは、この世から巨人を1匹残らず駆逐することを決意しました。その後、壁内唯一の軍事組織である兵団(訓練兵団)に入団します。後にエレンは調査兵団へと配属され、ミカサやアルミンら仲間たちとともに命をかけて巨人討伐に挑んでいくことになります。
原作は、「別冊少年マガジン」(講談社)で2009年9月~2021年4月まで連載していた諫山創氏の同名漫画です。コミックス世界累計発行部数は1.4億部を突破している大人気作品で、アニメ化のほかに実写化もされています。
アニメ「進撃の巨人」地鳴らしとは?
地鳴らしとは、エレンたちが住んでいた国を囲む3つの壁を構成している巨人を解き放ち、世界を踏み潰すことです。この3つの壁は、硬質化した巨人により作られていることは、第26話にて明らかになっています。
壁内人類を守る3つの壁は、第145代フリッツ王であるカール・フリッツが、「始祖の巨人」と呼ばれる特別な巨人の力で作ったものです。57話によると、カール・フリッツは自らを慕う民を率いてパラディ島に逃げ込む際、「今後我々に干渉するなら、壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう。この脅威が健在であるうちは正面から手出しはできない」と言い残したとされています。
このことから地鳴らしは、カール・フリッツが用意した、パラディ島の人間にとっての切り札であったことが推察されます。
そしてエレンの目的は、始祖の巨人の力で壁の巨人たちの硬質化を解いて地鳴らしを発動させ、パラディ島以外の人間たちを根絶やしにすることでした。この大量虐殺を防ぐために、ミカサやアルミンといったエレンの仲間と、敵対するマーレ王国の人間が手を取り合う姿が、ファイナルシーズン パート2の終盤で描かれています。
▼映像だけでなく、楽曲でも地鳴らしと作品の世界観が表現されたThe Final Season Part 2ノンクレジットOP (SiM「The Rumbling」)
アニメ「進撃の巨人」地鳴らしの発動条件
地鳴らしを発動させるには、「始祖の巨人の力を持っていること」と「王家の血筋」という2つの条件が必要となっています。エレンは始祖の巨人の力を有していますが、王家の血筋ではありません。したがって、地鳴らしを発動させるには、王家の血を引く腹違いの兄であるジーク・イェーガーとの接触が必要不可欠でした。
では、「始祖の巨人の力」と「王家の血筋」どちらも有していたレイス家は、なぜ100年もの間地鳴らしを発動しなかったのでしょうか。それは「不戦の契り」と呼ばれる制約が存在していたからです。
不戦の契りとは、“始祖の巨人の力を使って争いを起こさない”というカール・フリッツと始祖の巨人の間で交わされた契約です。王家の血を引くものが始祖の巨人を受け継ぐと、この不戦の契りに囚われるため、自分では地鳴らしを発動できなかったのです。
ただし第37話では、エレンが王家の血を引くダイナ・フリッツの巨人と接触したときに、一時的に始祖の巨人の力を発動するシーンが描かれています。つまり、始祖の巨人の力を有するエレンと王家の血を引くジークが接触することで、地鳴らしの発動が可能になることを示しています。
エレンはジークの「エルディア人安楽死計画」に賛同したフリをして、ジークとの接触に成功。「道」と呼ばれる精神世界で始祖ユミルと出会います。
始祖ユミルは、王家の血を引く人間を主人と認識する奴隷です。ジークは精神世界で気が遠くなるほどの時間を始祖ユミルと過ごしたなかで、不戦の契りを無効化しました。始祖ユミルは当初、ジークの目標である「エルディア人安楽死計画」の命令に従うかに見えましたが、エレンの説得により、自分の意志でエレンに協力。ついに地鳴らしが発動したのです。
地鳴らしが発動したのは何話目?
地鳴らしが発動したのは、ファイナルシーズンパート2の第80話。原作コミックスでは31巻122話で発動しています。地鳴らしを発動後には、それを防ぐべく、アルミン達が動き出しています。
なぜエレンは地鳴らしをしたのか
ファイナルシーズンパート2において、エレンは地ならしを発動させた理由について語っています。第87話のエレンの独白によると、島の外にいるすべての敵を駆逐することでミカサやアルミンをはじめとした仲間たちが、これからも幸せに生きていける世界を作りたいと、その理由を述べていました。
第69話では、エレンが104期生に対して「お前らが大事だからだ。他の誰よりも…」と発言して顔を赤らめるシーンがあります。このことからも、エレンが仲間を大切に思っているのは真実のようです。
エレンはマーレに潜入した当初、地鳴らしに頼ることなく島の外の人間と友好的な関係を築く手段を模索していました。しかし、島の外の人間がパラディ島民の全滅を願っていることを知ってしまい、自分が死んだ後も仲間が幸せに生きられる手段を求めて考えが変わりました。パラディ島外の人類を逆に全滅させる、すなわち、地鳴らしを発動する道をエレンは選んだのです。
最終話となる第94話でエレンは、地鳴らしをして人類の8割を殺すことになった経緯や動機などについて、アルミンと話しています。
地鳴らしで海を渡る巨人は泳ぐのか?
地鳴らしで世界のすべてを踏み潰す場合、海を渡る必要があります。壁の巨人の背丈は50mほどですが、さすがに海底を歩くには高さが足りません。
どうやって世界を踏み潰すのか? と疑問に思った人もいるかもしれませんが、実は巨人は泳げるのです。第87話では、世界連合艦隊の砲撃を受けるシーンで海中を泳ぐ巨人たちの姿が確認できます。
地鳴らしを止める方法は?
アルミンやミカサたちは、エレンのように島内の住人のために島外の住人を全滅させていいとは考えていません。エレンに虐殺をさせないためにも、地鳴らしを止めようと動いていました。第84話では、合流した調査兵団14代団長ハンジ・ゾエやアニ・レオンハートたちとともに、地鳴らしを止める方法について話し合っています。
地鳴らしを止めるために、かつて敵対関係にあった者同士が共闘しているとはいえ、その目的はバラバラで、一枚岩ではありません。地鳴らしを発動させているのはエレンであるため、エレン自身に巨人への命令を止めてもらう必要があります。
ミカサやアルミンは当然、エレンとの話し合いを第一に考えています。一方、マーレが故郷で大事な人を残しているアニは、「説得してエレンを止められるのならそれでいい」としつつも、実際に地鳴らしを止めるには、エレンを殺すしかないと考えているようです。
最終的に地鳴らしは止められたのか?
地鳴らしは、最終的に第93話にて、リヴァイ・アッカーマンがジークの首を切ったことにより止まります。その理由としては、地鳴らしを発動させるために必要な「王家の血筋」、つまりジークの命が絶たれたからだと考えられます。
第92話にて、「道」で気の遠くなるほどの時間を過ごしていたジークは、同じく「道」に辿り着いたアルミンと出会います。アルミンと対話を重ねるなかで、ジークは地鳴らしを止める決意を固め、現実世界へ戻りました。そして、リヴァイに自分を討つよう誘導したのです。
地鳴らしが止まったことで、壁外人類の根絶は防がれます。しかし、この時点で人類は、人口全体の8割を失う結果となりました。
アニメ「進撃の巨人」地鳴らしのまとめ
地鳴らしは、パラディ島の壁と化している大型巨人の硬質化を解き、世界を踏み潰すというカール・フリッツ王が遺した切り札です。エレンが始祖ユミルと接触することで、その条件を満たし、発動させました。すべてはエレンの「パラディ島の人間を守るため」という思いから行われた虐殺行為ですが、地ならしはミカサやアルミンたちに阻まれ、最終的に人類の8割を踏みつぶす形で止まりました。
ここまでの情報をおさらいしたうえで、放送・配信された最終回となるアニメ「進撃の巨人 The Final Season 完結編」を改めて見返し、楽しんでみてはいかがでしょうか。
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
アニメ「進撃の巨人」The Final Season完結編にあたるエピソード(動画リンクつき)
完結編(前編) | |
---|---|
88 | 地鳴らし |
89 | 自由の翼 |
90 | 絶望の淵にて |
完結編(後編) | |
91 | 天と地の戦い |
92 | 心臓を捧げよ |
93 | 長い夢 |
94 | あの丘の木に向かって |