「本当の北朝鮮はそうじゃない」顔出し脱北YouTuberが「愛の不時着」に覚えた違和感
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 北朝鮮情勢に注目が集まる一方、現地の状況は、なかなかつかめない。そんななか、「脱北YouTuber」キム・ヨセフさんが話題だ。キムさんが日本語で話すYouTubeチャンネル「脱北者が語る北朝鮮」は、2020年4月に開設され、すでに登録者は10万人を超えた。体験記は自叙伝としてもまとめられ、こちらにも関心が集まっている。

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 10月16日の『ABEMA的ニュースショー』では、キムさんとスタジオをオンラインで結び、「北朝鮮のリアル」をテーマに話を聞いた。キムさんは1985年、北朝鮮の北東部に生まれた。10歳で母と姉が餓死し、父とも離別。弟と生き別れて、18歳で脱北に失敗し、留置場へ送られる。奇跡的に釈放され、5年後に2度目の脱北に挑み、24歳で韓国へ。その後、28歳で日本に語学留学し、移住したのち、現在はサラリーマンとして働いている。

「本当の北朝鮮はそうじゃない」顔出し脱北YouTuberが「愛の不時着」に覚えた違和感
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 千原ジュニアから、顔出しすることへの危険性を問われると、キムさんは「大丈夫だとは思っているんですけれど、リスクがゼロではない」と語る。それでも決意したきっかけは、ドラマ「愛の不時着」のブームだった。作品で描かれる北朝鮮と、その現実にあまりにも差があり、「本当の北朝鮮はそうじゃない」と伝えるために、顔出しでのYouTube活動を始めた。たとえば、もし作品のヒロインのように、軍事境界線を越えて不時着したら、「射殺されるのではないか」と指摘する。

 一度目の脱北に失敗し、留置場では「息をするだけが許されているような」日々だった。気温がマイナス25〜26度まで下がるなかでも、十分な暖房設備はなかったという。それでもキムさんは、中国との国境地域で、いままで経験のない生活を見たことが忘れられなかった。次に失敗すれば、命が保証できない。もう留置場生活はしたくないと、捕まった場合の毒薬を持って、23歳で二度目の脱北に挑んで成功。すでに中国へ渡っていた父と、10年ぶり再会できたという。

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 キムさんは、自らの体験談に加えて、北朝鮮のリアルな現状として、「結婚式の祝い金はトウモロコシ」といった経済事情から、水道設備の環境から「1日3回だけ水が使えた」、国家の所有財産のため「牛の窃盗は殺人罪と同じ」、「市民の性交渉は外で人目の付かない場所」といったエピソードを明かし、スタジオの出演者たちは驚きの反応を見せた。(『ABEMA的ニュースショー』より)

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