結婚・出産や転勤といった人生の転機で、仕事を離れる女性は未だ多いのが現状。そうした中、そんな女性たちの前に“新たな選択肢”が生まれている。
「駐妻」とは、夫の海外赴任に一緒についていく妻のことをいう。華やかな海外生活――お手伝いさん付きの広い家で優雅に過ごす専業主婦のイメージがあるが、今や事情は少し違うようだ。
アメリカや台湾で10年以上、海外生活を続けるアキさん(仮名)。2児の母でもあるアキさんはもともと専業主婦だった。
「20代の頃は普通に日本で会社勤めをしていた。どちらかというと働くのが好きだった。結婚後に渡米して育児に専念していたが、どこかで復帰・復職したいと思っていた。台湾へ行ったときに『今度こそやろう』と思って申し込んだ」
3年前、台湾に引っ越した頃にアキさんは思い切って復職を決意。リモートワークでの仕事を始めた。
「育児や家事だけをやっていると、それらが嫌いになってしまうが、仕事をすることによってそれぞれ頑張れるようになった。『あ、自分は仕事が好きなんだな』と。バランスが取れるようになった」
仕事をすることで、育児や家事も好きになったというアキさん。今やアキさんのような仕事を持つ“駐妻”が増えているという。アキさんに仕事を仲介している企業にその実態を聞いた。
「決してママさん(女性の主婦)にこだわっているわけではない。要はスキルがあって仕事へのやる気もあるが、その機会がない。出勤できなかったり、子どもが急に熱を出して不規則な休みになったり、長時間働けなかったりする問題をクリアさえすれば、優秀なメンバーのスキルと仕事に対するやる気を得られる。マイナスの部分をどう補うかということ。一言で言うと『チーム力』」
そう話すのは、Mamasan&Company株式会社の田中茂樹CEO。事務やコールセンターといったバックオフィス業務、システム開発などを在宅ワーカーのチームで受注している会社だ。この会社の在宅ワーカーの2割は、香港で働くアキさんのように海外から参加しているという。
「海外にいることを含めて、時代によって働けない事情は色々なところに出てくる。それをチームで集まることによって補い、結果的にクオリティの高いアウトプットができるということを我々が実証している」
在宅ワーカー同士が繋がることで、海外でこれまでは働けなかった女性たちも『リモートワークで働く』という新たな選択肢ができた。そんなチームの女性たちには「“ある特徴”がある」と田中さんは話す。
「一言で言うと“マッチョ”。子育てももちろんしたいけれど、それだけだとちょっと物足りない。『昔のようにバリバリ仕事をしたい』という欲張りでマッチョなメンバーを今後もチームメイトとして受け入れて成長していきたい」
(『ABEMAヒルズ』より)