“ヤフコメ”に竹中平蔵氏「私はあまり見ないが、世論を形成しているのは事実」 携帯電話番号“必須化”、一方で「編集方針提示を」の指摘も
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 ヤフーが18日に発表した、Yahoo!ニュースのコメント欄、いわゆる「ヤフコメ」投稿における携帯電話番号設定の必須化。理由は、誹謗中傷など不適切な投稿への対策だ。ヤフーはこれまで、そうしたコメントを繰り返したアカウントを停止する措置を行ってきたが、これらは携帯電話番号の設定がないものが半数以上を占めていたという。また、投稿停止措置を受けた利用者が別のアカウントを作るケースもあり、今回の対策を決めたとしている。

【映像】ライター中川淳一郎氏「俺たちは“ヤフー様”と呼んでいる」

 時に問題となるヤフコメ。このニュースを伝えた記事のコメント欄では、「賛成。多くの人の目にする場所で発言にはそれなりに責任は持つべき」「乱暴なコメントは減るだろうが、まともなコメントも減ると思う」との声があがる。一方、Twitterでは「いっそコメント欄を廃止したらいい」との意見も。

 ヤフーは今年、「東スポWEB」や「NEWSポストセブン」など、一部メディアが提供するエンタメ記事に関してコメント欄を廃止していたが、全面閉鎖という手段はとれないのか。その意義について、19日の『ABEMA Prime』は議論した。

■「半信半疑」「ヤフーの本音がわからない」

“ヤフコメ”に竹中平蔵氏「私はあまり見ないが、世論を形成しているのは事実」 携帯電話番号“必須化”、一方で「編集方針提示を」の指摘も

 今対策の効果について、法政大学社会学部メディア社会学科教授の藤代裕之氏は「心理的な抑止効果は出てくると思う。ただ、実名や携帯電話番号を握られても言いたい人は言うと思うので、半信半疑だ」とコメント。

 Yahoo!ニュースでは、コメント欄のPV数が全体の3割に達する場合もあるという。元ネットニュース編集者でライターの中川淳一郎氏は「ずっとメディアを運営してきて、コメント欄を付けるとPVが上がるのは明確。しかし、書かれるのはだいたい“クソコメント”ばかりだ。PVが伸び、広告料が増えるかもしれないが、逆に”こんな野蛮な場所を放置しているお前たちの管理責任を訴える”という話になるほうがリスク。PVのためなのか、自由闊達な意見のプラットフォームと言いたいのか、ヤフーの本音がわからない」と指摘する。

“ヤフコメ”に竹中平蔵氏「私はあまり見ないが、世論を形成しているのは事実」 携帯電話番号“必須化”、一方で「編集方針提示を」の指摘も

 Zホールディングスの川邊健太郎社長はTwitterで、「ヤフコメは健全な言論空間の構築の為に、これまでも投稿停止措置、AI判定によるコメント非表示措置などの対策を行なって来ましたが、新たに投稿者の携帯電話番号登録の必須化を推進して参ります。これからも世間相場や自分にはない意見を知れる場所を提供して参ります」としている。

 藤代氏は「プレスリリースでは、過去に投稿停止措置を受けた人が繰り返している、一部の人が炎上を仕掛けていると認めている。自分たちが言う『多様性』を実現できていないわけだ。誹謗中傷対策でAIを使うなどしているが、中川さんいわく“クソコメント”に対して使うよりも、もっと生産的な、本当に多様性を発見できるようなことに使ったほうがいいと思う」との考えを示す

“ヤフコメ”に竹中平蔵氏「私はあまり見ないが、世論を形成しているのは事実」 携帯電話番号“必須化”、一方で「編集方針提示を」の指摘も

 慶応義塾大学名誉教授の竹中平蔵氏は「いろいろ私も書かれる」とした上で、「不具合なことを言われて嫌だと思ったことはあまりないが、逆に言うと役に立つと思ったことも一度もない。ただ、こういうものが世論を形成しているという事実があると思うので、そのクオリティをもう少しよくしようというのは重要だ。ヤフコメは一種の公共性があり、健全性が必要なので、その一歩として今回のことはやらないよりもやったほうがいい」と述べた。

■「編集方針を提示しないと、“頑張っているふり”をし続けることになるのではないか」

“ヤフコメ”に竹中平蔵氏「私はあまり見ないが、世論を形成しているのは事実」 携帯電話番号“必須化”、一方で「編集方針提示を」の指摘も

 コメント欄がミスリードを招きかねないと、藤代氏は次の3点を指摘する。

・「タイトル」「記事内容」「コメント欄」の3つで1つのコンテンツ
・最初のコメントが「匿名のコメンテーター」の役割を果たすことも多く、世論をミスリードしてそれを信用する人も出る
・「Yahoo!は報道機関である」という自覚を負う必要がある

“ヤフコメ”に竹中平蔵氏「私はあまり見ないが、世論を形成しているのは事実」 携帯電話番号“必須化”、一方で「編集方針提示を」の指摘も

 その上で、「少なくとも、Yahoo!トップのトピックにあげるものは編集者の責任で選んでいるわけで、その記事の下についているコメントは関係ないのか。一番上と2番目はすごく見られるけど、もしかすると誘導しているのではないか? という疑念はずっとある。毎日新聞の取材では、ヤフコメがロシアの工作の対象にもなっている(※)。経済安全保障が注目されている中で、ここからどうやっていくかが重要になってくる」と話す。
※ロシアのネットメディアがコメントを翻訳して転載する際、元の投稿を改ざん・加筆した疑いがあることがわかったという(『ロシア政府系メディア、ヤフコメ改ざん転載か 専門家「工作の一環」』より)

 竹中氏は「ヤフーは私的な会社だから勝手にやればいいと思うが、プラットフォーマーは絶大な影響力があるので、それに対してルールは必要だ。その上で、コメント欄をやめるかどうかは決めればいいこと。一方で、私はSNSメディアに対する、いわゆる伝統的なメディアの対抗力がものすごく低下していることにも大きな問題があると思う」との考えを示した。

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 コメント欄を閉じるサイトも増える中、Yahoo!ニュースはこの先変わっていくのか。藤代氏は「まずは、はっきりとしたルールを提示してほしい。傷ついたり亡くなるような方も出てきているわけなので、そういうことにどう答えていくのか。コメント欄のルールを作り、きちんと編集方針を示して、それで健全な空間を作るというのであればわかる。しかし、“匿名でわかりません”という状態では、また『別の対応をしております』みたいな、頑張っているふりをし続けることになるのではないか」とした。(『ABEMA Prime』より)

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