
FIFAワールドカップ2026北中米大会開幕まで1年を切りました。2026年大会はアメリカ・カナダ・メキシコと初の3か国共同開催となりますが、そもそもワールドカップの開催国はどのように決められているのでしょうか。この記事では、開催国の決め方や歴代のワールドカップを開催してきた国、2030年以降の開催国などを紹介します。
さらに、各国のワールドカップ本大会への出場権の獲得方法、「開催国は初戦で負けない」といった大会にまつわるジンクスにも触れていきます。
目次
- ワールドカップ歴代の開催国一覧
- ワールドカップ2022の開催国・開催都市
- 史上初の3ヶ国共同開催!ワールドカップ2026の開催国・開催都市
- 2030年・2034年ワールドカップ開催国
- 開催国ごとに変わる?ワールドカップの出場権の決め方
- 開催国なのにグループリーグ予選敗退した国はある?
- 開催国は「初戦で負けない」というジンクス
- ワールドカップ開催国で優勝した国はある?
- まとめ
ワールドカップ歴代の開催国一覧
ワールドカップの開催国は、FIFA(国際サッカー連盟)理事会による投票で決定します。まずは、1930年にワールドカップが始まってから2022年に至るまでの開催国をご紹介します。
- 1930年:ウルグアイ(南米)
- 1934年:イタリア(ヨーロッパ)
- 1938年:フランス(ヨーロッパ)
- 1950年:ブラジル(南米)
- 1954年:スイス(ヨーロッパ)
- 1958年:スウェーデン(ヨーロッパ)
- 1962年:チリ(南米)
- 1966年:イングランド(ヨーロッパ)
- 1970年:メキシコ(北米)
- 1974年:西ドイツ(ヨーロッパ)
- 1978年:アルゼンチン(南米)
- 1982年:スペイン(ヨーロッパ)
- 1986年:メキシコ(北米)
- 1990年:イタリア(ヨーロッパ)
- 1994年:アメリカ(北米)
- 1998年:フランス(ヨーロッパ)
- 2002年:日本・韓国(アジア)
- 2006年:ドイツ(ヨーロッパ)
- 2010年:南アフリカ(アフリカ)
- 2014年:ブラジル(南米)
- 2018年:ロシア(ヨーロッパ)
- 2022年:カタール(アジア)
ワールドカップは基本的に4年ごとの開催となっていますが、1942年と1946年は、第二次世界大戦とその後の復興のため中止となっています。
サッカー日本代表は1998年のフランス大会でワールドカップに初出場しました。その後は毎大会出場し、2026年大会を入れると8大会連続8回目の出場となります。これまでの最高成績は2002年韓国/日本大会、2010年南アフリカ大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会のベスト16(決勝トーナメント1回戦敗退)です。
ワールドカップ2022の開催国・開催都市
2022年のワールドカップ開催国はカタールでした。アジアでは日韓共同開催に続いて二度目、中東・アラブでは初の開催となりました。通常、ワールドカップはひとつの都市・会場で行われるのではなく、その国のさまざまな都市に分かれて試合が開催されます。
カタールでは以下の都市、スタジアムで開催されました。
- ■ドーハ
- ハリーファ国際スタジアム
- アル・サマーマ・スタジアム スタジアム974
- ■アルホール
- アル・バイト・スタジアム
- ■アル・ワクラ
- アル・ジャヌーブ・スタジアム
- ■アル・ラーヤン
- エデュケーション・シティ・スタジアム
- アフメド・ビン・アリー・スタジアム
- ■ルサイル
- ルサイル・スタジアム
決勝戦は今大会で使われるスタジアムの中で一番大きい、収容人数約8万人のルサイル・スタジアムで行われました。
史上初の3ヶ国共同開催!ワールドカップ2026の開催国・開催都市

2026年のワールドカップは、アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国で共同開催されます。2022年のカタール大会に出場するのが32カ国に対して、2026年の大会は出場枠が48チームに拡大しました。
共同開催は2002年に日本と韓国でも行われましたが、3ヶ国共同開催は初めてとなります。アメリカは1994年に、メキシコは1970年、1986年にそれぞれ開催国となった実績を持っています。一方、カナダは2015年の女子ワールドカップを除くと、開催国となるのは初です。以下の16都市/スタジアムでそれぞれ試合が行われます。
■アメリカ合衆国(11都市/スタジアム)
・シアトル/シアトル・スタジアム(ルーメン・フィールド)
開催試合:グループステージ4試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合
・サンフランシスコ・ベイエリア(サンタクララ)/サンフランシコ・ベイエリア・スタジアム(リーバイス・スタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合
・ロサンゼルス/ロサンゼルス・スタジアム(ソフィー・スタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・2試合、準々決勝1試合
・カンザスシティ/カンザスシティ・スタジアム(ジーイーイー・ハーフィールド・アット・アローヘッドスタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、準々決勝1試合
・ダラス/ダラス・スタジアム(AT&Tスタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合、準決勝1試合
・アトランタ/アトランタスタジアム(メルセデス・ベンツ・スタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合、準決勝1試合
・ヒューストン/ヒューストン・スタジアム(NRGスタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合
・ボストン/ボストンスタジアム(ジレット・スタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、準々決勝1試合
・ニューヨーク/ニュージャージー /ニューヨーク/ニュージャージー・スタジアム(メットライフ・スタジアム)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合、FIFAワールドカップ決勝
・フィラデルフィア/フィラデルフィア・スタジアム(リンカーン・フィナンシャル・フィールド)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド16・1試合
・マイアミ/マイアミ・スタジアム(ハードロック・スタジアム)
開催試合:グループステージ4試合、ラウンド32・1試合、準々決勝1試合、3位決定戦
■カナダ(2都市/スタジアム)
・バンクーバー/BCプレイス・バンクーバー(BCプレイス)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合
・トロント/トロント・スタジアム(BMOフィールド)
開催試合:グループステージ5試合、ラウンド32・1試合
■メキシコ(3都市/スタジアム)
・メキシコシティ/エスタディオ・アステカ(エスタディオ・アステカ)
開催試合:グループステージ3試合、ラウンド32・1試合、ラウンド16・1試合
・グアダラハラ/エスタディオ・グアダラハラ(エスタディオ・アクロ)
開催試合:グループステージ4試合
・モンテレイ/エスタディオ・モンテレイ(エスタディオ・BBVA)
開催試合:グループステージ35試合、ラウンド32・1試合
開幕戦となるメキシコ代表第1戦は、6月11日に エスタディオ・アステカ・メキシコシティで、決勝は7月19日にニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムにて行われます。
2030年・2034年ワールドカップ開催国
2026年以降の開催国は、すでに決定しています。
2024年12月、FIFAは、男子のワールドカップについて、2030年大会をモロッコ・ポルトガル・スペインの共同開催に、2034年大会をサウジアラビアで開催することを正式に決議しました。
決議の時点で、各大会への立候補は2030年がモロッコ・ポルトガル・スペインの共同開催のみ、2034年もサウジアラビアのみとなっていて、競合はありませんでした。
2030年の大会は、1930年にウルグアイで第1回大会が開かれてから100周年にあたる記念大会となります。そのため、スペイン・ポルトガル・モロッコによる3か国共同開催という枠組みながら、第1回大会の開催国であるウルグアイのほか、アルゼンチン、パラグアイでも記念式典と記念試合が行われることが決まっています。ヨーロッパ、アフリカ、南米の3大陸にまたがって開催される史上初の大会になります。
2034年のサウジアラビア大会は2002年の日韓大会、2022年のカタール大会に続き、アジアで3回目の開催となります。
開催国ごとに変わる?ワールドカップの出場権の決め方
ワールドカップは、ヨーロッパやアジア、南米といった地域ごとに出場枠が存在します。出場枠は全ての地域へ均等に割り振られるわけではなく、大会ごとに枠数や条件が異なります。前回のワールドカップカタール大会に進んだ国は、どのような条件を突破したのでしょうか。各地域の出場枠数と条件を解説します。
■ヨーロッパ(UEFA)
出場枠:16
第1ラウンドは、4~5チームからなる12のグループで構成され、各セクションの勝者がワールドカップ出場枠を獲得。その後、グループリーグ2位の12チームとUEFAネーションズリーグ上位4チームの計16チームによるUEFAプレーオフが行われます。
■アジア(AFC)
出場枠:8 ※2025年8月現在出場決定しているのは日本など6チーム
プレーオフトーナメント出場枠:1
46チームが出場。アジア予選は1次予選から5次予選まで5ラウンドで構成されています。2次予選を突破した18チームが3次予選(最終予選)に出場。6チームずつ3組に分かれ、ホーム&アウェーの2回戦総当たり計10試合を戦います。各グループ上位2チーム合計6チームが本戦出場権を獲得。各グループ3位、4位の計チームは4次予選に進出します。4次予選では、出場する6チームが2グループに分かれ、中立地で総当たり戦を行います。各グループ首位の2チームが本戦出場権を獲得し、2位の2チーム5次予選に回ります。5次予選では、出場する2チームがホーム&アウェーで対戦し、勝者が大陸間プレーオフに進出します。
■南米(CONMEBOL)
出場枠:6 ※2025年8月現在出場決定しているのはアルゼンチン、ブラジルなど3チーム
プレーオフトーナメント出場枠:1
10チームが1リーグ方式で戦い、ホーム&アウェイで対戦します。上位6チームが本大会出場権を獲得し、7位のチームがFIFAプレーオフトーナメントに出場します。
■北中米カリブ海(Concacaf)
出場枠:3 +開催国枠3(アメリカ、カナダ、メキシコ)
プレーオフトーナメント出場枠:1
1次予選はFIFAランキングの低い4チームが2組に分かれてホーム&アウェー方式で争い、勝者が2次予選に進出します。2次予選では、計30チームが、5チームずつ6つのグループに分かれて戦います。各チームはグループ内の他チームと1度ずつ対戦、ホーム/アウェー各2試合ずつを行い、グループ内の優勝と準優勝チーム(計12チーム)が決勝ラウンドに進みます。
決勝ラウンドでは、4チームずつ3つのグループに分けられ、各グループ内で、ホーム&アウェーで対戦。各グループの優勝チームが本大会出場憲を得ることができ、2位となったチームの上位2チームはプレーオフトーナメントに出場します。
■アフリカ(CAF)
出場枠:9
プレーオフトーナメント出場枠:1
54チームが6チームずつ9つのグループに分かれて戦い、グループ1位が本大会への出場権を獲得。2位チームのうち上位4チームは、プレーオフステージに進むことができます。
■オセアニア(OFC)
出場枠:1 ※ニュージーランドが出場決定
プレーオフトーナメント出場枠:1 ※ニューカレドニアが出場決定
予選は3ラウンドで構成。1次予選は大陸連盟内のランキング下位4チームがノックアウトトーナメントで戦います。2次予選では、1次予選の優勝チームを含めた計8チームが、2つのグループに分かれ、ホーム&アウェイでそれぞれ1回ずつ対戦し、各グループの上位2チームが3次予選に進出します。3次予選はノックアウトトーナメントで行われ、優勝チームが本大会出場権を獲得、準優勝チームがプレーオフトーナメントに出場します。
開催国なのにグループリーグ予選敗退した国はある?
ワールドカップには「開催国は決勝トーナメントに出場する」というジンクスがありました。しかし2010年の南アフリカ大会で、開催国の南アフリカが予選の1次リーグを敗退しています。またワールドカップ2022においても、開催国のカタールの敗退が確定。史上2例目となりました。
開催国は「初戦で負けない」というジンクス
ワールドカップでは「開催国は初戦で負けない」というジンクスもあります。1930年の第1回ウルグアイ大会から2018年のロシア大会まで、この法則は続いています。前述した2010年、南アフリカ大会での南アフリカも予選は敗退しましたが、初戦はメキシコと引き分けたので、このジンクスは未だに破られていませんでした。
しかしワールドカップ2022において、大会の第一試合となるカタールvsエクアドル戦にて、0-2で開催国のカタール代表が敗北。長く続いたジンクスが破られることとなりました。
このほかにも「前年にバロンドール(年間最優秀選手賞)を受賞した選手がいるチームはワールドカップで優勝できない(2022年、リオネル・メッシ選手を擁するアルゼンチンが優勝し打破)」「前回優勝国は予選リーグを突破できない(例外はあるものの2018年大会はドイツ代表が敗退、2014年大会はスペイン代表が敗退など。ワールドカップ2022では前回優勝国フランスが決勝進出を確定)」「優勝国は監督が自国出身(現時点で全ての優勝国は自国籍の監督が率いている)」といった、さまざまなジンクスが存在します。
ワールドカップ開催国で優勝した国はある?
開催国となった年にワールドカップで優勝した国は、ウルグアイ・イタリア・イングランド・西ドイツ・アルゼンチン・フランスの6ヶ国です。通算優勝回数の最多は、ブラジルの5回。次いでイタリア・ドイツが4回、アルゼンチンが3回、ウルグアイ・フランスが2回、イングランド・スペインが1回です。アジアの優勝はまだありません。
まとめ
ワールドカップにおける、開催国や都市に関する情報をまとめました。2026年北中米大会は、アメリカ・カナダ・メキシコのワールドカップ史上初3ヶ国共同開催となり、アメリカ11都市、メキシコ3都市、カナダ2都市の合計16都市で試合が行われます。出場枠が48枠へ増えることが決定しており、これまで0.5枠しかなく、自動出場権を持たなかったオセアニアも1枠が与えられることとなりました。
2030年大会は、モロッコ、ポルトガル、スペインの共同開催、2034年大会はサウジアラビアで開催されることが決定しています。また2030年大会は、第1回ウルグアイ大会から100周年の記念大会となるため、南米のウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイでの記念試合が予定されています。
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