「行ってみたい!」「食べてみたい!」ターゲットは“旅将”?竜王戦名勝負の舞台&食事メニューを観光名物へ
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 将棋の第35期竜王戦七番勝負第3局が10月28・29日の両日、静岡県富士宮市の「割烹旅館 たちばな」で行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が広瀬章人八段(35)に勝利した。シリーズは藤井竜王の2勝、広瀬八段の1勝でいよいよ折り返し地点に。今後も京都府、福岡県ほか全国各地で対局が予定されているが、星のゆくえとともに注目を集めるのが対局場や食事メニューだ。ターゲットは“旅将”。街をあげて番勝負を盛り上げ、地元の活性化を図る自治体や実行委員会の活動に注目した。

【動画】藤井竜王、広瀬八段が味わった富士宮ランチ

 今期の竜王戦七番勝負は、初防衛を目指す藤井竜王に、4期ぶりの竜王位奪還を目指す広瀬八段が挑戦。新旧竜王がタイトル戦で初激突とあり、大きな話題を呼んでいる。第1局では広瀬八段の研究を実らせ、若き絶対王者に完勝。第2局、第3局では藤井竜王が連勝を飾ったものの、広瀬八段が深い研究に基づく工夫を披露し序中盤を優位に展開しており、今後も目の離せない厳しい戦いが続くことは必至だ。

 盤上での激戦はもちろん、タイトル戦では様々な観戦ポイントがある。美しく設えられた対局場、食事メニューにおやつ、今では見慣れた光景になりつつあるが、移動日を含めてわずか4日間の滞在でも、対局者が快適かつ地元の雰囲気を楽しめるよう開催地の関係者のこだわりや心配りが画面越しにも随所に光る。

 第3局・富士宮対局では、市制施行80周年記念事業として「竜王戦おやつコンテスト」を実施。地元店舗から応募された38点から、市民投票とWEB投票で7点が選ばれた。藤井竜王、広瀬八段もその思いに応えるように「富士宮やきそば」「幻の!!『黒いちじく』シュークリーム」「富士の湧水黒みつ豆腐」「富士のくに雲海ゼリー」と地元メニューでパワーチャージ。視聴者からも「美味しそう~」「行ってみたいなあ」「富士宮やきそば、本場で食べてみたい」と多くのコメントが寄せられた。

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 コロナ禍では中止措置が取られていた現地大盤解説会など、付随イベントも徐々に復活。地元ファンはもちろんのこと、全国各地からイベントを楽しむべく遠征する“旅将”の活動もにぎやかになってきた。感染対策をとった上で、対局の熱気が残る対局場や対局者が選んだ食事メニューを楽しみ、さらに周辺観光に足を運ぶなど、将棋を通じて旅をする“旅将”の存在は開催地にとっては大切なターゲットとも言える存在だ。富士宮市では、地元の魅力や観光地案内とともに、対局場やおやつマップが記載された観光絵本を作成。対局期間外であっても竜王戦の雰囲気を辿ることができる内容となっている。

 第3局でABEMAの中継に出演した飯野愛女流初段は(35)は、第1局・東京渋谷対局での大盤解説会を振り返り「参加者300名のお客様に伺ったところ、北海道や九州から参加されている方もいらっしゃって、この竜王戦の注目度を感じました」とコメント。藤井竜王が選んだおやつは販売店で連日完売となるなど、タイトル戦開催地での経済効果は大きくなるばかりだ。

「行ってみたい!」「食べてみたい!」ターゲットは“旅将”?竜王戦名勝負の舞台&食事メニューを観光名物へ
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 第4局が行われる京都府福知山市は、2018年以来4年ぶり2度目の竜王戦開催。今期は、丹波くりなどの秋の味覚や“映える”グルメ、福知山の定番から竜王戦のために新しく開発された自慢の勝負めし、おやつ、ドリンクの候補30品を公募した。藤井竜王が登場した過去のタイトル戦では、名古屋生まれのスイーツ「ぴよりん」、竜王戦京都対局で話題を呼んだ「くま最中」などが一躍全国区の有名菓子に。同じ味を求めて多くのファンが足を運んだ。福知山対局でも幅広いラインナップの中から、次なる“完売品”はどれか、今から注目が集まっている。

 「旅の候補地=タイトル戦開催地」は将棋ファンの間でも深く浸透。中継を楽しんだ後は実際に開催地に足を運び、五感をフルに使ってタイトル戦気分を味わえば、将棋観戦がより一層楽しくなることは間違いない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】藤井竜王、広瀬八段が味わった富士宮ランチ
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藤井聡太竜王“くま最中”と再会 解説棋士「おやつで話題を集めるようになったのは竜王の功績」/将棋・竜王戦七番勝負第2局
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