「習近平主席が何かの指示を…」胡錦涛氏 異例の“途中退席” 中国国内で報道されないワケ
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 先日開催された中国共産党大会の最終日、胡錦涛前国家主席が途中退席した。党のルールや幹部を決める大事な場で、一体何があったのか。

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「実は胡錦涛前国家主席の途中退席について、中国では一切報じられておりません。海外から情報を得ている中国国民以外は、退席した事実すら認識しておらず、なかったことにされています。退席した情報をSNSで発信をすると、投稿が削除されたり、場合によってはアカウント自体の使用が制限されたりすることもあります」(以下、ANN・中国総局長の冨坂範明記者)

 中国国内で中国共産党大会の様子はどのように報道されたのか。

「もちろん胡錦涛前国家主席が出席した報道は流れていました。大多数の人は、胡錦涛前国家主席が最後まで党大会にいて、滞りなく終わったと思っているのではないでしょうか。国営テレビでは、退席後は引きの映像だけが使用されており、国民が胡錦涛前国家主席の退席にまったく気づかない編集になっています」

 胡錦涛前国家主席が退席した理由について、目の前に置かれた“書類”が関係しているのではないかといった憶測が飛び交っている。置かれたのは、どのような“書類”だったのか。

「書類には、閉幕式の議題である中央委員会205人の名簿や、中国共産党の規約の改定案などが入っていました。本当に胡錦涛前国家主席に見られたくない資料だったかどうかは、わかっていません。ただ、205人の人事案名簿は、春先からの胡錦涛前国家主席を含む幹部や長老たちとの話し合いで決定しており、本人も内容を認識していた可能性は高いです。ただ、議事の進行中は“静粛”が慣例とされており、胡錦涛前国家主席が書類を見た際、声を出そうとしたか、何らかの行動を起こそうとしたのが問題視された可能性があります」

「習近平主席が何かの指示を…」胡錦涛氏 異例の“途中退席” 中国国内で報道されないワケ
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 映像からは、胡錦涛前国家主席は自らの意志で退席をしたのではなく、周囲から退席を促された様子が伺える。

「国営の新華社通信の海外向けのTwitterは、退席の理由について『胡錦涛前国家主席の体調がすぐれないため』と発信しています。私としても開幕式の様子を見る限り、習近平主席が胡錦涛前国家主席を支える様子があり、そんなに仲が悪いようには見えませんでした。習近平主席が何かの指示を出している姿もあり、胡錦涛前国家主席の体調を考慮して、退席を促したように思います。中国共産党もテレビ放送にあたって『最初から胡錦涛前国家主席はいない』という編集もできたはずなので、何らかの政治的な思惑があって胡錦涛前国家主席が退席したとは考えづらいです」

 異例の退席となった胡錦涛前国家主席。今後の活動に何か影響が出るのだろうか。

「前述の新華社通信による海外向けTwitterでは『その後、胡錦涛前国家主席は回復した』と発信しています。退席が報道されなかったのは、習近平主席が主催する閉幕式に泥を塗ってしまった以上『触れないほうがいい』という宣伝部の意向が働いた可能性もあります。ただ、これほどの憶測を生む騒動を起こした以上、従来通り、表舞台で活動するのはなかなか難しいかもしれません。胡錦涛前国家主席の派閥の人間が最高指導部から一掃されたこともあり、影響力の低下は免れないと言えます」

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