試合前から繰り広げられていた「皇治劇場」は、“ボクシング無敗王者”に勝負を挑む形で幕を閉じた。
11月13日(日本時間14日)、ドバイのコカ・コーラアリーナにて開催された『Global Titans: Mayweather vs dej』で、ジャハン・イングラム(米国)と皇治(TEAM ONE)が、ボクシングエキシビションバウト(3分3R/-65kg)で対戦。3Rドローに終わった。
9月25日に開催された『超RIZIN』で、メイウェザーのボディーガード・ジジと対戦し、勝利していた皇治に、“第2の刺客”として送り込まれたジャハン。「皇治は本物のファイターと戦ったことない」「ジジを倒すのに3ラウンドもかかっているので、そんな試合は見る価値がない」と挑発する一方で、皇治も「お前だったら30秒で倒す」「パチもんのマルコメ」などと、試合前から“おなじみ”ともいえるトラッシュトークが展開されていた。
だが今回は、現地ドバイでさらなるヒートアップを見せる。計量が行われる前に、メイウェザー軍団と遭遇。屈強な男たちに囲まれ、メイウェザーから「俺が日本のボスだ」「(お前との試合は)簡単。練習はいらない」と罵られたほか、フェイスオフではジャハンに突き飛ばされ、さらには「日本から来たゴミ」と屈辱的な言葉を浴びせられる。アウェー感満載の中、皇治は「かかってこい、根性ないTMT軍団」「そのゴミがやばいことを見せてやりますよ」といつになく意気込んでいた。
判定はなく、勝敗が決まるのはKO決着のみの一戦。ゴングが鳴ると同時に、両者打ち合いの展開に。ボクシングでプロ3戦3勝、弱冠21歳のジャハンに臆することなくインファイトで勝負する皇治。左ボディ、フックをコンビネーションに混ぜて攻めるものの、ジャハンはメイウェザー譲りのディフェンス能力でうまく交わしつつ、効果的にジャブを当てる。これには、解説の竹原慎二、大沢ケンジも「うまいっすね」と賛辞。その後は、互いに手数を緩めないまま、3Rが終了。「ドロー」という形で、事実上の決着となった。
皇治は、試合後のマイクで「世界の田中(※皇治の名字)です!日本のみんな遅くまで起きてくれてありがとう!愛してます」と切り出し、「みなさん聞いてください。いまのはボランティア。まだ本気を出してません。メイウェザーカモンジャパン!キックボコボコ」と、まさかの“キックルール”で、メイウェザーに挑戦状を叩きつけていた。