「将棋の方もパワーアップできていれば…」谷川浩司十七世名人、ともに環境変化した愛弟子と目指すは優勝ただ一点!/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」が、11月19日から放送開始となる。前回大会から、参加チームの中で最も環境が変化したとも言えるのがチーム谷川だ。師匠の谷川浩司十七世名人(60)は還暦を迎えたことをきっかけに永世名人位を襲位。弟子の都成竜馬七段(32)は結婚し家庭を築いた。そんな“シン・チーム谷川”が掲げるテーマは「パワーアップ」。狙うはもちろん、優勝のただ一点だ。

【映像】大会への思いを語る谷川浩司十七世名人

 師弟ともに人生の慶事を迎えたチーム谷川。谷川十七世名人は4月に60歳の誕生日を迎え、日本将棋連盟理事会からの推薦を受け5月23日付で「十七世名人」を襲位した。「私自身、肩書は変わりましたが中身は変わっていません。なかなか思ったような内容の将棋が指せなくなってくることもある中で十七世名人という肩書が加わりましたので、責任の重さを感じています」。それでも襲位から約半年が経ち「色紙を書く時に手が止まるということはなくなりましたね」と充実の表情を浮かべた。

 一方、都成七段は今年1月に同い年の一般女性との結婚を発表。新たな道を歩み出した愛弟子を思い、「規則正しい生活を送れるようにはなっていると思います。家庭のことや奨励会での後進の育成など、そういうことが本人のプラスになれば」とほほ笑んだ。

 そんな師弟が掲げる今期のテーマは「パワーアップ」。前回大会を受け、「メールなどで連絡を取ることが増えましたし、ずいぶん会う機会も増えましたね。以前は彼も遠慮があったと思いますが、少しづつ緊張も解けてきたのかなと思います」と関係性に変化も生じたようだ。前回大会はベスト4。しかし、予選の初戦でストレート負けを喫し「それを思えばベスト4まで残ることができたのは上出来。私も弟子の対局にはハラハラしていましたが、弟子の方も同じだったのかなという気もしますね」と笑う。互いの環境の変化を経て「将棋の方もパワーアップできていればいいのですが、そればかりは分かりません(笑い)」と願いを込めていた。

 今期、谷川十七世名人が注目するのは新しく参戦する最強五冠王・藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)と師匠・杉本昌隆八段(54)のチーム杉本だ。「杉本さんのところはちょっと特別なところがありますよね。藤井さんの活躍で杉本さんが注目を集めているということがありますので、杉本さんがどう思っているかそのあたりも聞いてみたいところ」。さらに、「藤井さんと公式戦で対局すること自体、勝ち上がっていかないと難しくなってきているので、できれば1局対局できればなと思っています」と興味津々の様子だ。藤井竜王との公式戦は過去2局あり、いずれも敗れている。すでに五冠を保持する若き王者を「あの位の年代は瞬発力が一番優れている年代。その上圧倒的な実力を持っている」と語り、「綿密な作戦を練って、少しでも藤井さんの持ち時間を削るような形で終盤に持ち込める、というのが一番勝機があるかなと思っています」と早くも作戦を練っていた。

 目指すのは、もちろん“最強師弟”の座のみだ。ともにABEMAトーナメント、師弟トーナメントを戦っており経験は豊富。ただし、「あっという間に終わってしまうかもしれないので、できるだけ準備はしたいと思います」と心弛びは一切ない。「もちろん参加する以上、目標は優勝」と語る谷川十七世名人。目標を達成した暁には愛弟子との祝勝会も…?「結果が出る前にいろいろ考えるとろくなことがないので、もし良い結果がでたらその時に2人で相談したいと思います」。静かなる闘志を燃やす“シン・チーム谷川”が、トーナメントを駆け上がっていくことは間違いない。

◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】大会への思いを語る谷川浩司十七世名人
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022「師匠サミット」
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【放送】ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ チーム鈴木 vs チーム畠山
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