11月19日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE 163」の終了直後、ONEのCEOであるチャトリ氏が囲みインタビューに応じた。メインカードに日本人選手を並べた今大会で、タイトルマッチを行った秋元をはじめ、青木、岡見、若松はことごとく敗戦。期待され、注目を集めた平田樹は計量失敗によってハム・ソヒとの一戦を実現することすらできなかった。慌ただしい出国前の5分間、日本記者団の問いかけに応じたチャトリ氏の言葉は厳しいものだった。
「素晴らしい試合が多かった今大会で、日本勢は残念な結果になりました」そのように問いかけるとチャトリ氏は「この30年間、日本のレベルが段々下がっている。武道の文化、歴史があるけど、いま日本の選手は世界レベルではない。これは残念です。キックもダメ、MMAもダメ、ムエタイもダメ…グラップリングもダメ。私は半分日本人ですが、日本にとっては悲しいことです」と口を開いた。
また今大会、ハム・ソヒとの対戦で注目を集めていた平田樹が2回連続で計量に失敗。ハム・ソヒが平田のプロとしての姿勢に対して怒りと疑問をあらわにしたことで、試合は実現しなかった。そのことについてチャトリCEOは次のように続けた。
「彼女にはとても失望した。彼女には世界タイトルマッチを行うポテンシャルがある。彼女はストロー級では体が小さく、アトム級にとどまる必要がある。しかし彼女はオフシーズンにたくさん食べ、たくさんパーティーをする。もし彼女が世界チャンピオンになりたいのであれば、毎日自らを律してダイエットをし、自らのライフスタイルを律する必要がある。それなのに彼女はトレーニングキャンプの4週間前しかそれをしない。
世界の高いレベルで戦っている選手は厳密なライフスタイルを送っている。(ここから日本語で)ちゃんと寝て、ちゃんとダイエット、ちゃんと寝てる。毎日、ファイトキャンプだけじゃない。樹はファイトキャンプだけ。そういうもの。ファイトキャンプが無かったら色々食べる。樹はしっかりしてない。(それでは)チャンピオンにはなれない。難しい」
一方、その厳しい言葉は、平田への期待の裏返しでもある。
「でも、タレントを持っている。もし本気だったら…毎日。ONEはどんな格闘技も世界中でベスト。キック、ムエタイ、MMA…ベスト・オブ・ベスト。ファイトマネーが高いから世界中の選手が集まっている」
世界のトップファイターが集まるONEで、チャンピオンになるためには――。チャトリ氏は平田に対して、プロとしての“心構え”を問いかけた。彼女に対する批判は、自らの行いと結果で払拭するしかない。