ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰や円安の影響を受け、14カ月連続で上昇し続けている消費者物価指数。19日のABEMA『NewsBAR橋下』では、橋下徹氏と辛坊治郎氏が日本の物価情勢・経済について議論を交わした。
辛坊氏は「今起きている円安は、本質的に日本が貧しくなっていることの象徴だ。消費税が2回上がって、どれだけ俺らが貧しくなったんだよってもっと怒ってもいいと思う。20年間物価が上がってなかったから、『短期的に3%くらい上昇しょうがないよね』って思ってる人が大半だと思うけど、これが2、3年続いた時にどれだけみんなが貧しくなるか」と指摘。
橋下氏は「それはインフレになった後に賃金が上昇しなかったら、だ。今まで日本は物価が上がらないことで貧しくなっていた。過去30年見てみれば、GDPも、賃金も横ばい。最低賃金を上げるなり何かをしないといけない」と反論する。
辛坊氏は「それは上げさせるものではなくて、自律的でないといけない。問題は過去10年、20年バラマキをやったことで、本来は市場から退場すべき企業が生き残り、逆に『従業員にたくさん給料払います』という元気があるところが押されて成長できなかったことだ。賃金を上げられない企業ばかりが残ってしまい、今の政策を続けている限りそうなる」と話すと、さらに次のように続ける。
「過去20年間見ていてこれはダメだって思ったのは、ホリエモンが出てきた時。『ホリエモンを成長させてやるような社会環境じゃないと日本は良くならないだろう』と思っていたが、過去20年間でそういうやつをたくさん潰してきた」
橋下氏は「大阪市の御堂筋沿いの船場地域で労働基準法を撤廃する地域、いわゆる特区を作ろうとした。残業規制や週40時間労働といった規制を撤廃して、2000万円以上の報酬を必ず出す代わりにめちゃくちゃ働いてくれと。しかし、政府からは『ダメだ』という話になった。イーロン・マスクが『週120時間働かないとテクノロジーは進化しない』『それだけ死にものぐるいで働いている人間が世界を変えるんだ』と言っていたけど、そのとおりだと思う。人工衛星を民間で飛ばして、繋いでネットワーク化して、ウクライナがそれを利用して……あんなことをやれる人間は“週40時間、残業ダメ”という環境からは生まれないと思う」との見方を示した。
これに辛坊氏は「でも俺は働きたくないよ。俺は年金で暮らしたい」と返し、笑いを誘った。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)