赤と黒、そして本来の地肌で塗り分けられた、運転免許証の顔写真。メークなどではなく、普段の姿だ。この人物は、古美術商の大黒堂ネロ氏。首から下もまた、黒く全身タトゥーを施している。耳ピアス(軟骨拡張)は34ミリメートルで、世界一の大きさだという。
そんな、謎に包まれた人物の私生活は、一体どうなっているのか——。11月27日放送の『ABEMA的ニュースショー』では、滋賀県の自宅を訪れて、密着取材を行った。
ネロ氏は、アンティークショップで骨とう品を仕入れ、オークションで販売している。江戸時代の春画をはじめ、「すけべゐ屋」の屋号でマニアックな美術品を多数取りそろえている。
初めてタトゥーを入れたのは、通信制高校時代の18歳。和柄にほれ込んで、背中から肩、腕にかけて入れ墨を彫ったという。高校卒業後は一般企業へ就職。当時の写真は、一見さわやかな青年だが、休日になると「侍」をイメージしたちょんまげに、全身和柄のいかついスタイルへ。会社へはカツラをかぶって、夏場でも長袖で出勤していたという。
2017年ごろに会社を辞め、全身を黒く染め上げて、古美術商に転身。2021年には顔へもタトゥーを。現在の姿は、ネロ氏自身が考えた「新しいキャラクター」なのだという。
「僕が好きなのは(漫画家の)鳥山明先生。(鳥山氏の)『ドラゴンボール』と(車田正美氏の)『聖闘士星矢』の世界が融合された形」(ネロ氏)
プライベートが気になった番組スタッフは、休日のネロ氏に密着した。京都駅で集合すると、懇意にしている骨とう店「レトロ京都」へ。店主の切掛舎一(きっかけや・はじめ)氏は、ネロ氏の古美術における師匠だという。
「だいたいみんなビックリする。だけど見た目と違ってめちゃめちゃいい子。今時こんなピュアな子いないんじゃないか。私はものすごく評価している」(切掛舎氏)
ランチは、スタイルを維持するため、自作のココアレーズンパンと白湯(さゆ)だけ。入れ墨を入れてからメークにも目覚め、白のまつげエクステ、ネイルサロン、ヒゲ脱毛にも通い、「顔の色」に徹底したこだわりを持つ。服装もカラフル好きだったが、赤との調和を考えると、たとえば「革ジャンは黒」などと限られてしまうという。
古くから知る周囲の人々は、容姿の変化をどう見ているのか。
「日本にいるのはもったいないなと、ずっと前から思っていた。海外の方がウケるやろな」(幼なじみの殿村敏孝氏)
「別に(顔に入れ墨を入れる)その前も、ちょんまげとかしてたから、そんなに違和感はない。昔から興味あることに一直線になって、また次の興味あることに行ってみたいな(性格だった)」(20歳ごろから知る古着屋「boro」オーナーの茨木教之氏)
もはや「人体実験」と語るネロ氏は、まだまだ進化の途中だ。「絶対後悔する」などと言われながらも、自分の理想型を目指すなかでたどり着いた容姿だが、「完成は一生ない」という。
スタジオでも全身を披露したネロ氏。「黒でも色が何種類もある」といい、薄い黒から、トリプルブラックと呼ばれる色まで、重ね彫りでムラをなくしている。現在の姿になるまで、数十年ほどかかったという。
「この上から白いインクも入れられる、その上にまた違うインクを入れられるので、無限大に遊べる。いまの(和彫りの上に彫られた)黒は、キャンバスの下地。まだ始まりでしかない」(ネロ氏)
ネロ氏はこのほか、皮膚にフックをかけて、全身をつり上げる「ボディサスペンション」の世界耐久記録を持つなどのエピソードも明かし、スタジオの共演者からは驚きの声が相次いだ。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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