11月15日、異例の早さで2年後の大統領選出馬を表明したトランプ前大統領。中間選挙での“トランプ旋風”は不発に終わり、共和党内で責任を問う声も巻き起こっている中、ポストトランプと目される新星、フロリダ州のデサンティス知事の支持率が高まったことなどが、早すぎる出馬表明の一因とされている。“世界一の炎上政治家”とも言えるトランプ氏の動きについて、26日のABEMA『NewsBAR橋下』で橋下徹氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏が議論した。
三浦氏はまず、「トランプは正直、全米規模ではオワコンだが、共和党の中ではそうなっていないのが問題だ」と指摘する。
「アメリカの大統領は元々、年老いたとか健康不安があるとみられると致命傷で、それは軍の最高司令官であるという特徴があるから。バイデンとトランプは両方とも高齢なので、さらに4年となると結構きつい。ただ、共和党の予備選ではトランプが推した候補者が現職を破ったので、共和党の中ではまだ強いと思う」
橋下氏が「中間選挙は、最初にトランプ圧勝と言われていたことと比べると共和党は落ちているかもわからないが、下院は制したし、上院も1、2議席の差。100%完璧な政治というものはないから、“どちらがましか?”という選択肢は残っていると思う」と述べると、三浦氏は次のように分析する。
「バイデンは不人気で、民主党の中でも『次は出てほしくない』という意見のほうが多数。バイデン政権は公約を果たすためにお金をガンガンばら撒いたが、それがインフレを加速化させているという政治状況で、もう少し共和党が勝ててもおかしくない中での差分は、トランプが足を引っ張ったことだと思う」
バイデン大統領の出馬は「民主党のアキレス腱」、カマラ・ハリス副大統領も「人気がないし、まったくの無能」とバッサリ切る三浦氏。一方で、“新星”デサンティス氏には注目しているという。
「今回、フロリダ州で圧勝しているし、ラテン系の支持も厚い。共和党的には、彼は次世代的にピカピカでビンゴだ。まだスピーチがちょっと下手な部分があるが、かなりいい。マルコ・ルビオ上院議員もキューバ系でヒスパニックの支持は厚いが、いわゆるエグゼクティブ・ロールと言われる、会社社長や知事みたいな“ザ・トップ”を経験していない。そこが少し足を引っ張っていて、トランプにコケにされてダメになってしまったが、デサンティスは州知事というのも強い。
トランプが出たら共和党は負けると思う。実際にバイデンに負けているわけで、さらに不利になっている要素があるとすると、高齢化。あと、訴追される可能性が言われているし、当初みたいな感動もない。例えば、トランプ系列でいくなら(長女の)イヴァンカが出るとか。まだ準備はできていないだろうが、結構よくできる人だ」
一方で橋下氏は、「バイデン大統領は自分がやるのではなく、“1期やったから次の世代に移す”というのが最後の仕事だと思う」との見方を示した。
では、日本にとって次の米大統領は誰がいいのか。三浦氏は「誰でもいいが、トランプが戻ってくるとしんどい、というのが外務省の本音。『すごく苦労した』と安倍さんも言っていたので、かなり大変だったことは間違いない」とした。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)