子どもの権利のために活動している若者に贈られる「国際子ども平和賞」に日本人として初めて選ばれた、大阪出身の川﨑レナさん。世界から注目される彼女に話を聞いた。
「国際子ども平和賞」は、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんや、ノーベル平和賞に選ばれたマララ・ユスフザイさんも受賞している、世界的に名誉ある賞。川崎さんは、一体どのような活動をしているのだろうか。
「政治家と若者の立場を越えてコミュニケーションが効率的に取れる場があればと思っていて、『政治家と話してみようの会』を始めた。大阪府議会議員の方3名に来ていただいて、高校生とZoomでつなぎ、いま政策で議論されていること、教育やジェンダーについて若者と政治家がバリアなく話すというイベントをした」
川﨑さんは、環境問題や人権問題などに取り組む国際NGO団体「アース・ガーディアンズ」日本支部を立ち上げ、政治家と若者を繋ぎ、地域での問題になっていることなどを議論する場を企画。さらに、日本のベンチャー企業「ユーグレナ」が未来を生きる若者の意見を取り入れる為に創設した「CFO(=最高未来責任者)」の2代目に就任し、様々な提言を行った経験も。
「一番大きかったのが人事制度を変えてみたこと。新入社員に早く提言や議論ができるようになってもらうために、“ペアレント制度”を導入してみようという話になった。それは、新入社員の皆さんにベテラン社員がついて“親代わり”になることで、最終的にファミリーツリーを作るというもの。実際にコミュニケーションだったり、自信につながったりする」
NGOの代表や企業のCFOと、“社会のチェンジメーカー”として様々な角度から社会問題解決のための活動を行っている。こうした活動のきっかけについて、川崎さんは授賞式でこう語っていた。
「私がこの活動を始めたきっかけは“悔しさ”だ。変わりそうにない日本、自分の生まれた国に誇りを持てないことに、とてつもない悔しさを感じた。差別発言、議会中の居眠りなどを繰り返す様子が日々放送されている。しかし、39歳の市長が居眠りする議員に向かい『恥を知れ』と叫んだとき、日本はまだ変われる。私はそう思うことができた」
「10代だからこそできることがあるのではないか。変なアイデアを言っても『高校生が言っているから、もしかしたら面白いかもしれないよね』と考えてもらえる。逆にその機会を利用する」
8歳のときに読んだ本で、世界には国の政治状況で教育を受けることができない子どもたちがいることを知り、社会問題解決に興味を持ったという川﨑さん。「社会問題を解決するには政治だ」と考え、活動を始めた。
「政治をワクワクして見られないことが問題だ。見ている私たちもそうだし、多分座っている政治家たちもワクワクしないから居眠りしてしまうんだと思う。もしかしたら私たちの時代で日本の政治は『ワクワクする』『楽しい』に変えられるかもしれない。それには、“自分が何かを変えられる”という自信が必要だ。その自信を作るために身近な地元の政治家など、小さなところから自信を作っていかないといけない」
精力的な活動が実った「国際子ども平和賞」の受賞。その瞬間から友だちの反響は凄まじかったそうだ。
「深夜1時の生放送をみんな見てくれていて、『レナ嘘やろう』みたいな感じでクラスLINEが爆発していた(笑)。私も信じられなかったが、いつも一緒にふざけている友だちの方が信じられなかったのかなと思う」
最後に、川崎さんの将来の夢を聞いた。
「政治家ではなく行政に入りたい。“いい政治家”がシステムとか規制に苦しめられていると思うので、どうにかして変えることができたら、その皆さんをサポートできるんじゃないかと。夢を持った挑戦したいという人たちが、自分の好きなようにワクワクするように、日本を良い方向に変えてくれるのをサポートする仕事がしたい」
(『ABEMAヒルズ』より)
※川崎レナさんの「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記
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