「FIFA ワールドカップ カタール 2022」で日本代表はドイツ代表、スペイン代表という強豪2チームを破る快挙を成し遂げた。決勝トーナメントではクロアチア代表に惜しくもPK戦の末に敗れ、目標とするベスト8には届かなかったが、日本のみならず世界からも大健闘だったと称えられた。この戦いぶりについて、ABEMA FIFAワールドカップの本田圭佑GMと、元日本代表監督の岡田武史氏が対談。「技術は上がった」「あとは選手が主体的に判断できるか」など、世界の強豪国たちと対等に戦い続けるために必要なことを議論した。
2人が対談したのはスペイン代表に勝利した直後。本田GMは「結果だけ見たら言うことはない」と称賛した上で「課題や細かいことを挙げたらキリがなくなるくらいあったし、ツッコミどころも多々あった。優勝とか、世界の強豪国にコンスタントに引き分け以上の結果を得られるようになるのか。まだ日本は全然答えを見つけられていないと思っています」と引き締めた。ただし、現状の日本代表でも十分に世界で戦える力はあるとし「三笘(薫)さんみたいに、あれだけドリブルで行ける選手が守備でも1対1で貢献できるみたいなベース、これさえあれば、どんな相手にも簡単には失点しないんだというのが、今回のワールドカップの僕の学び。1対1の徹底とかフィジカル、間合い、アジリティ、ある程度のセンスや技術があれば、めちゃくちゃうまくなくても、とにかく善戦できるのは感じました」と、突出した才能がなくても組織としては戦えると語った。
これを聞いた岡田氏は、熟練指導者らしく「ようやくわかった?」と笑うと、「最低限やるべきことをやれば、そこそこ行く。ある意味、圭佑が言ったことは本質を突いていて、技術は前から日本はだいぶ上がっているし、経験値もみんなヨーロッパでやって上がってきた。最後の1つは、選手が主体的に自分たちで判断してプレーするかどうか」と説明。スペイン代表戦においては、5-4-1のシステムにしたものの「(5バックの)2人ぐらいがフリーで浮いている」と、フィットしていなかったが、これを選手たちが自主的に修正していたと指摘し「素晴らしいなと思った。自分たちで判断したんじゃないかなと。これができるようになったら、日本は相当行くと思っていた」と感じた後に同点、逆転のゴールが生まれたという。
なお、日本代表の中で光っていた選手には口を揃えて三笘の名を出し、岡田氏は「1人の選手でこんな変わるんだっていうくらい。あいつが本気でボールを詰めに行って、またボール持って、本気でゴールに向かって行った」と絶賛すると、本田GMも「1対1のディフェンスの対応でも、中に入られた時も微妙に先を読んでいたり、縦行く時もとにかくセンタリングを上げられないように、しっかり寄せていったり。今までなかなかこんな選手がいなかった。本当にすごいなと思いました」と語っていた。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)