12月25日、RISEとシュートボクシングが合同で開催する両国国技館でのビッグマッチに、海人が参戦する。シュートボクシングのエースとして活躍するだけでなくRISEでもトップレベルの強さを見せ、他団体のベルトも獲得。今年はメガイベント『THE MATCH』でK-1の野杁正明にも勝利している。

 次戦は今年6試合目。ハイペースだが「試合をしてたいタイプなので自分的には嬉しいです」と海人。6月の野杁戦以降は国際戦を重ねてきた。

「(野杁戦は)自分の中で日本一を決める試合でした。でも日本一の座がほしいわけじゃなくて」

 文句なしで日本を背負い、世界と闘いたい。野杁戦はそのために実力を証明する一戦だったと海人は言う。階級は70kgに固定していくようだ。70kgはかつて魔裟斗やシュートボクシングの先輩である緒形健一が闘ってきた階級。と同時に、軽量級よりも外国勢の層が厚く、日本人がなかなか勝てない状態でもある。

「日本人が勝てていない階級なので、自分が勝って盛り上げたいです」

 12.25両国大会で対戦するのはブルガリアのストーヤン・コプリヴレンスキー。GLORYのランキング1位の選手だけに、勝てばタイトルマッチも見えてくる。

「ファイタータイプというか、ガツガツくる選手ですね。パンチも蹴りもできてコンビネーションで打ってくる」

 たとえばアンディ・サワーやアルバート・クラウスといった欧州の歴代のトップ選手と比べると、ストーヤンには荒々しさがあるという。日本人とは違うリズム、そして何よりフィジカル。そんな外国勢に、海人は「スピードとキレで勝負したい」と語った。

「ナチュラルなパワーでいえば、外国人には敵わない。テクニックとかスピード、キレで対抗していくのが有効だと思います」

 世界との闘いでも、勝つだけではなく倒すことを意識している。簡単ではないことは分かった上で、だ。

「これまで外国人とやってきて、日本人には通用していた技でも倒せないと感じたんですよ。当てても倒れない、じゃあそこからどうつなげていくかを意識して練習してます」

 これまでと同じでは「勝てても倒せない」。けれどそれでは納得できないから「圧倒的な差をつけられる準備をしてます」。海人自身は、対世界の闘いに関して臆するところはまったくない。

「同じ人間ですからね。日本人だからとか外国人だからとかではなく、人間として僕が一番強いというのを証明したい」

 70kgでの“完成形”も近いところにあると考えている。曰く「1年以内に仕上げるつもりです」。立ち技格闘技にも数多くのタイトルがあるが、目指すのは“最強”のみだ。

「何が世界一かと言われると難しい。気持ちの面でも、どこまでいけば満足できるのか。たぶんできないと思うんですよ。そういう中で、見ている人が“どう考えても海人が最強だな”と思ってもらえるようになれたら。どんなルールでも海人が一番だって」

 海人が所属するシュートボクシングは投げもある独自のルール。各世代の主力選手は“他流試合”で実力を証明してきた。海人もその歴史を受け継いでいる。

「シュートボクシングは唯一無二の団体。自分はそこを世界一にしたいんです」

文/橋本宗洋

RISE WS/SHOOTBOXING-KINGS 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA
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