コロナ禍になって3年を迎えるが、今年の皇室はどのような一年だったのだろうか。テレビ朝日社会部・遠藤行泰記者はこう語る。
【映像】栃木の特産品にちなんで…“イチゴファッション”で登壇した佳子さま(画像あり)
「昨年は秋篠宮家長女の眞子さんと小室圭さんの結婚が世間を賑わせていたのは記憶に新しいと思います。今年はコロナ禍にありながら、オンラインからリアルな訪問に変わり、地方の方々と交流を再開したことが一番大きなニュースでしょう」
皇室でも昨年と違う動きがあった。エリザベス女王の死去により、天皇皇后両陛下がイギリスで行われた国葬に参列し、注目が集まった。
「国内では白いマスクですが、海外の方々が葬儀で黒いマスクをすることもあり、ロンドンで空港に降り立った際、両陛下が黒いマスクを付けていたのが印象的でした。皇后さまの体調が懸念されるなか、2人で参加し、国葬の際に両陛下が目と目でやり取りをしながら記帳する姿が非常にうれしい光景でした」
遠藤記者によると両陛下は海外だけでなく、地方への訪問も活発だったという。
「実際に10月頭に栃木県で行われた国体に日帰りで訪れ、同じく10月に1泊で沖縄の国文祭、11月にも1泊で兵庫の海づくり大会に足を運びました。どこの地域に足を運んでも沿道で地元の方が手や国旗を振る姿があり、車内から両陛下も手を振って応えていました。3か所の中でも特に印象的だったのが、悲しい歴史を持つ沖縄に天皇皇后両陛下として初めて訪問したことです。戦没者墓苑を訪れた際、気温が30度近くまで上がっていましたが、炎天下のなか遺族の方のお話を熱心に聞いたり、お声掛けを行ったりと、両陛下の平和を願う気持ちが、上皇ご夫妻からしっかり受け継がれているのが印象的でした」
今年成年皇族として過ごした愛子さまはどのような1年だったのだろうか。
「二十歳になったのは2021年の12月でしたが、当時は『学業が忙しい』などの理由で今年の春に成年皇族会見が開かれました。手元の紙に目を落とすこともなく、ユーモアを交えて記者1人1人に語り掛ける姿に魅了されました。来年4月から大学4年生になることもあり、どのような卒業論文を書くのか、公務ではどのような姿を見せてくれるのかが注目されています」
先週23日、上皇さまは89歳の誕生日を迎えられた。上皇后美智子さまも88歳と、健康面に心配の声が上がっている。
「天皇陛下から上皇さまになられ、退位されたことで、穏やかで静かな日々を過ごしています。誕生日には、赤坂御用地をご夫妻で散歩をされる姿が、宮内庁より公開されました。上皇さまは今年7月、右心不全と診断され国民も心配していましたが、今は改善傾向にあります。美智子さまも8月に右ふくらはぎに血栓(深部静脈血栓症・末梢型)と診断され、水分を多めにとるなどして療養されています」
今年ニュースでたびたび話題に上がったのは秋篠宮家の次女、佳子さまの活動だ。秋篠宮ご一家にとってはどのような1年だったのだろうか。
「今年は眞子さまがいなくなり、佳子さまの公務が増えたことから、ニュースなどで見かける機会がかなり増えました。手話のスピーチでは原稿を全く見ることなく表情豊かに行われ、記者を驚かせました。栃木の国体の閉会式では、栃木の特産品であるイチゴを意識し、赤い服で登場したり、緑化運動の式典の際は緑の服で登場したりと、ファッションにも非常に気を配っている様子がうかがえました」
今年高校に入学された悠仁さまはどのような高校生活を過ごしているのか。
「4月に筑波大付属高校に進学された悠仁さまですが、高校でバトミントン部に所属していたこともあり、現在もバドミントン部に所属し練習に励まれているそうです。昆虫などの生き物が好きで、帰宅後は赤坂御用地のなかにある水田の“生き物観察”が日常になっています」
また先週、宮内庁は、来年の天皇誕生日に皇居で一般参賀を行うと発表。令和に入ってから「誕生日の一般参賀」は来年が初となる。参賀希望者は事前に申し込みが必要で、宮内庁のホームページや「往復はがき」で受け付けている。来年の皇室の予定について、遠藤記者は「コロナ次第だろう」と話す。
「ただ、コロナ禍でも今年は知恵を出し、地方訪問などを行いました。完全に収束はしていなくても、さまざまな活動をされると思われます。来年度は積極的な情報発信で皇室をもっと知ってもらいたいという目的で、4月に宮内庁に広報室が立ち上がります。5月にはイギリスのチャールズ国王の戴冠式が開催予定となっており、秋篠宮夫妻の参加の可能性が出てきています。6月には天皇皇后両陛下が結婚30年を迎えられることもあり、来年も皇室の動きから目が離せません」