日本人として最年少でUFCと契約した男の1年ぶりの復活は、打撃、寝技、全局面での圧勝劇。さらに勝利後、興奮しすぎて見せた“やんちゃすぎる勝利の舞い”に実況、さらに視聴者がザワつく一幕があった。
12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN.40」で、井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)と瀧澤謙太(Fired Up Gym)が対戦。2ラウンド、井上がアームバーで一本勝ちを収めた。直後、勝利に歓喜する井上がリング外のセコンド陣に向かって豪快にダイブ。セコンド陣によって受け止められ事なきを得たが、あわやリング下に落下のひやり場面に「危ない、危ない」と実況が驚きの声を上げた。
昨年のバンタム級トーナメント・ベスト4同士の対決。7月、井上のケガで中止となったカードが年末に実現した。井上にとっては、昨年末のトーナメント敗退から1年ぶりの復帰戦だが気負いはなく「別にやらなくてもいいカード」と相手をあしらった。一方の瀧澤も負けていない。戦前から「(井上は)実力以上に評価されている。何もさせずに圧倒的に勝つ」と鼻息が荒い。
1ラウンド、両者ローを飛ばしながらの序盤。小さくフェイントをかけながら井上がジャブ、ロー、カーフとスピーディーに叩き込む。瀧澤も空手仕込みの前蹴りで反撃するが、足を使いながら井上が、左のジャブ、右のストレートを効果的に当てる。
ラウンド中盤、井上がテイクダウンに成功。ポジションを保持しながらパウンドや肩を浴びせ、瀧澤は出血、さらにジワジワと削っていきラウンドは終了した。
2ラウンド、スタンドでの攻防でもローやハイ、フェイントからの左、さらにワンツーなどを当てる井上が主導権を握る。ダメージからやや足元がグラつく瀧澤から、テイクダウンを奪うと、側頭部にヒザ。下からの三角、再びハーフポジションからコントロールし、出血する瀧澤を削りながら、最後はストレートアームバーを極めて一本勝ちを収めた。
盤石の勝利のあとにちょっとしたアクシデントも。勝利した井上は喜びの余りリングサイドのセコンド陣に向かってロープを超えてボディーアタックぎみにダイブ。
まさかの“勝利の舞い”であわや場外落下のヒヤヒヤするシーンも、3人のセコンドがしっかり抱きかかえ事なきを得たが、実況席も思わず「危ない、危ない」と声を張り上げ、視聴者もそのやんちゃぶりに「プランチャー危ないw」「めちゃくちゃだな」「セコンドが壊れる」と騒然となった。
また試合については「全局面で勝っていた」「日本クラスじゃないな、やっぱり強い」「圧倒的すぎて今後のバンタム級が楽しみ」など、昨年はトーナメント敗退を払拭する井上の戦い振りに称賛コメントが相次いだ。
ⒸRIZIN FF