『日経トレンディ』(12月号)の「2023年ヒット予測100」で、6位にランクインした「水素調理レストラン」。一体どんな調理法なのか、『ABEMA Morning 初日の出SP 2023』が取材した。
「水素ガス」を使って焼く、「水素調理」。火の上部に手をかざしてみると、手がしっとりするという。
化学の授業で習った元素記号。水素の「H」と酸素の「O2」が結合して「H2O(水)」になる。焼く時に水蒸気が食材を包んで蒸し焼きのような状態になり、食材の旨味が残った状態で焼きあがるのが、水素調理だ。
水素調理人の小林俊輔さんは「だいぶ湿度が高いので、肉の水分が蒸発しにくく、ジューシーに焼きあがる。胸・ささみのように普段固くなってしまうお肉も柔らかく焼ける」と話す。
去年頃から月に1回行われている水素調理の試食会には、水素コンロに興味を持った企業が参加。この日は8つの企業が訪れるなど注目は高まってきている。
食品メーカーの担当者は「(食材に残った)水分量の違いがあるかなと。火力が強いという話があったので、食材をテストしてみて、可能性があれば入れてみたい」と期待を寄せる。
「おいしく焼きあがっている」と参加者の評判も上々。「水素コンロ」の製造・販売を行うH2&DX社会研究所の福田峰之代表に開発のきっかけを聞いてみた。
「最初は『おいしくなる』と思ってやってない。『二酸化炭素をなくす』っていうことをやっているうちに(料理も)おいしくなってきて。コンロを工夫して、さらにおいしくするというプロセスがあるが、ぜんぶ結果論」
水素調理コンロはおいしく焼きあがるだけではなく、燃焼時に二酸化炭素が発生しないということでも注目されている。
「世界の飲食シーンはCO2削減にあんまりコミットメントしていない。そういう物(調理機など)がなかったから。まさにこの『水素ガスのコンロ』によって社会が変わっていく、変えていく、そこが重要かなと思う」(同)
日本政府は2050年までに実質的なC02排出ゼロ「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言していて、脱炭素社会に向けて企業の取り組みも加速している。(『ABEMA Morning』より)