党首公選をやれば「志位委員長が変わる見込みはかなりある」 “共産党を変えたい”現役党員が異例の訴え
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 1月19日に出版される書籍『シン・日本共産党宣言』。著者は現役の共産党員で、かつて党の安保外交部長を務めた松竹伸幸氏だ。

【映像】2000年 委員長に就任時の志位和夫氏

 共産党といえば、志位和夫委員長がトップを務める日本最古の政党。去年、党創立100周年を迎えたことでも話題になったが、本で問題点の1つとして挙げられたのが、党首公選が行われていないこと。志位委員長が就任したのは2000年で、20年以上にわたり党を率いてきた。そんな状況に、「全党員の党首公選を行い、ヒラ党員も立候補できる仕組みにすべき」と異例の訴えがされた。

 さらに党の改革のために提言されたのは、“左側の自民党”を目指すこと。この中で安保・自衛隊問題についても指摘されているが、どういう意図なのか。16日の『ABEMA Prime』で本人に話を聞いた。

党首公選をやれば「志位委員長が変わる見込みはかなりある」 “共産党を変えたい”現役党員が異例の訴え

 同著を執筆した背景について、松竹氏は「2つの国政選挙で共産党が後退した」ことへの危機感をあげる。

 「自民党の麻生さんなんかは“立憲共産党”と言って批判したが、安保・自衛隊政策で真逆の政党が一緒になってもうまくいかないことは、国民にも違和感を持って受け止められたと思う。志位さんは自衛隊について否定的な考え方だが、私は政策の中にしっかり位置付けないとダメだという考えで、かなり対峙して退職した過去がある。それ以来、共産党を外野から見ているが、やはりうまくいっていない。2つの国政選挙の後退を見て、このままでは本当に共産党が取るに足らない勢力になりかねないと考えた時に、自衛隊問題の考え方を議論しないとダメだなと。ただ、数十年間“これで正しい”と言ってきたものを変えるには、ちょっとの議論では無理だ。この本を共産党の方たちに読んでもらって、“党首公選が必要だ”“党首公選で安保・自衛隊政策を堂々と議論し合うような党にならないとダメだ”ということを訴えたい」

党首公選をやれば「志位委員長が変わる見込みはかなりある」 “共産党を変えたい”現役党員が異例の訴え

 ジャーナリストの堀潤氏は「志位委員長は習近平体制を痛烈に批判していたが、構造だけ見れば共産党も重なって見える。そのあたりは自己批判をしないのか。共産党の議員の方に『名前を労働党に変えてリブランドしたら支持されるのではないか?』と言ったら、『私たちはもっと進化できると信じている』と。共産党という名前、体制の維持に確固たる信念があるのか」と投げかける。

 これに松竹氏は「共産主義の先祖のマルクスが訴えたかったのは、“国民が参政権を得て平等になったが、それでも格差はなくならなかった。だから、社会的、経済的な権利や格差もなくしていこう“ということ。日本国憲法だってそういう考え方に立っていて、共産主義はすごく身近なものなんだと知ってほしい。そういうことを党名に取り入れるべきだと思うが、『共産党』でなければならないとは全然思っていない」との見方を示した。

党首公選をやれば「志位委員長が変わる見込みはかなりある」 “共産党を変えたい”現役党員が異例の訴え

 共産党が党首公選を行うことで、「日本の政治がマシになる」という。党運営の可視化で「怖い」「わからない」といったイメージが払拭され、党内議論の活性化で野党共闘での「安保・自衛隊」問題もより良い政策につながる、としている。また、「党員」による投票を考えており、志位委員長が変わる見込みは「かなりあると思う」と松竹氏は語る。

 「中央委員会の中では全会一致だが、現場ではやはり不満が渦巻いている。この衆議院選挙、参議院選挙でもだ。志位さんがいろいろな流れに移行しきれず、ずっと違憲だとしていた自衛隊についても『仮に政権を取ったら合憲だ』と言って、『本当にこれでいいのかな?』と足がすくんだ党員はたくさんいる。中央委員会の中で次の党首を選んでいる限り別の意見は出てこないが、現場のヒラ党員が立候補するようになれば新たな考え方が出てきて、議論になって変わってくる」

 一方、野党共闘ではある種の“寛容さ”を見せたようにも感じられる。

党首公選をやれば「志位委員長が変わる見込みはかなりある」 “共産党を変えたい”現役党員が異例の訴え

 「2015年の安保法制反対の戦いの後、志位さんが野党に『自分たちは安保・自衛隊で譲るから協力しよう、一緒に政権をつくろう』と言ったのは、すごく画期的だったと思う。あの時の運動は高揚感があって、安保法制廃止で一致して頑張れたが、“これだけ政策が違っていたらやはり一緒にやれない”というのが、この7年間の野党共闘の後退だ。“立憲、共産、維新、国民民主も違うけど、共通の土俵はあるから協力の議論ができる”というくらいには変わらないとダメだ。

 『そこまで言うなら新党を作れ』と勧められたこともある。でも、共産党は変わることができると思っている。私が50年前に入ってここまでやってこられたのも、昔はそういう政党だったからだ。社会党が『非武装中立』と言って左側の立ち位置を占めていた時に、共産党は『中立自衛だ。非武装中立じゃない。やはり自衛は必要なのだ』と言っていた。社会党の平和活動家から『共産党は軍国主義の立場だ』と批判されながら、『国民多数のことを考えればそれは当然である』と堂々と言えた。長くそういう時期があったが、今は“正面ガチンコ対決の最左派である”ことを誇るようになっている」

党首公選をやれば「志位委員長が変わる見込みはかなりある」 “共産党を変えたい”現役党員が異例の訴え

 こうした話を受けて、堀氏は「共産主義なのか?変わるのか?自衛隊はどうなのか?天皇制やアメリカとの関係はどう考えるのか?革命を信じるのか? など、党首選をやることによって議論される。それを見て我々は考えを知ることができるので、やるべきだ」と期待を寄せた。

 党首選挙になれば「立候補する」と、松竹氏は意気込む。

 「深刻な意見の違いが表面化するかもしれないが、党には共産党綱領を承認して入るものだし、私の考え方も綱領に合致している。『自衛隊は憲法違反だ』『自衛隊を全部廃止する』と書いてあるわけではなくて、“綱領の枠の中でこれだけ変えよう”ということだから、どんなに議論しても踏み外さないで協力してやれる。

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 党員からはもちろん好意的な反応はある。『選挙が始まったら僕が後援会長になるよ』と言う党員もいれば、共産党を離党した人で『もし選挙をやれば党に戻る』と言う人もいる。私しかきっとできないと思う」

(『ABEMA Prime』より)

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