圧巻のカットインからのゴラッソは世界に衝撃を与えている。1月21日に開催されたプレミアリーグ第21節のレスター戦(2-2)で、日本代表MF三笘薫がスーパーゴールを叩き込んだ。
【映像】世界でバズりまくった三笘の「常に狙ってる」スーパーゴール
公式戦6試合連続スタメン出場し0-0で迎えた前半27分、三笘がペナルティーエリア手前の左からボールを受けると、得意の縦突破ではなくドリブルでカットインして切れ込んで右足を一閃。弧を描いたシュートはファーサイドの右上に見事なシュートを突き刺した。
三笘も試合後のインタビューで「あの形は常に狙ってる。試合前のフィーリングもよかった。余裕があったので力が抜け、いいところに飛んでくれた」と確かな自信を口にした。
左サイドと右サイドの違いはあれど、中に切れ込むと分かっていても止められないドリブルと外から弧を描くシュートは往年のロッペンを彷彿させた。
三笘は得点シーン以外にも見せ場を作っている。後半12分には縦パスに抜け出し、ペナルティーエリア内で鋭い切り返しで相手を置き去りにし、フリーの味方にパスを送った。得点にはつながらず、天を仰いだが「戦術上、ワイドの選手が得点に絡まないといけないので、より得点への意識を植え付けられている」と三笘は語る。
この活躍でプレミアリーグで初の最優秀選手「マン・オブ・ザ・マッチ」にも選ばれた。
最近の三笘を見ているとドリブルのアウトサイドで運ぶ持ち方がネイマール、カットインがロッペン、加減速(スピードの変化)がリベリー、ゴール前での落ち着きがメッシなどスタープレイヤーの特徴がミックスされている印象だ。
これで、ワールドカップ後の5試合で3ゴール・2アシスト。アーセナルやリバプールのようなビッグクラブに対しても、ウインガーとして突破力はプレミアリーグの守備陣も一対一で止められない。プレミアリーグでも一流のウインガーのレベルに到達していると言えるだろう。
先日のリバプール戦後にはサッカーのデータ分析を手がける『Opta』によると三笘は、欧州5大リーグにおいて相手のペナルティーエリア内へ切り込んでテイクオン(対人プレー成功)した数は、パリ・サンジェルマン(PSG)に所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(9回)に次ぐ2位タイ(8回)となっている。
「ブライトンでプレーしている日本人選手は、大学でドリブルの論文を書いた後、理論と実践をうまく組み合わせ、プレミアリーグで最高のドリブラーの1人になった」と報じている。レスター戦での活躍でメッシを数字上で上回っているかもしれない。
元イングランド代表FWマイケル・オーウェン氏が自身のツイッターで「また素晴らしいゴールがミトマから飛び出した。私に言わせるなら260万ポンド(約4億1600万円)で契約したミトマは、最高の金銭的契約を得る価値がある」と投稿している。
三笘の活躍は、カタールワールドカップで共にプレーした日本人も大きな影響を与えているだろう。スペインでは、レアル・ソシエダで圧巻のゴラッソを決めた久保建英。冨安も先日のマンチェスターユナイテッド戦でラッシュフォードに1vs1守備で簡単に仕留めた。日本で世界相手に質的優位を作れる存在は三笘と冨安がプレミアリーグで証明している。
試合をするごとに評価がうなぎ登りの三笘薫。昨年度のプレミアリーグで得点王となったアジア最高選手の称号をソン・フンミンから奪い取る日もそう遠くないかもしれない。
(ABEMA/プレミアリーグ)