療養期間が終わっても油断大敵? 遺伝学者がコロナ感染後に“ウイルス量”を解析すると…驚きの結果に
【映像】体内のウイルス量を解析した結果
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 療養期間の短縮や感染法上の子類引き下げ検討など、新型コロナに対する緩和の動きが進んでいる。こうした中、体内のウイルス量を解析し、驚きのデータを公表した学者を取材した。

【映像】体内のウイルス量を解析した結果

 「原則として、この春に新型インフルエンザ等感染症から外し、5類感染症とする方向で専門家に議論していただきたい」――20日の会見で、新型コロナの感染法上の分類をことしの春に「5類」に引き下げる検討を始めるよう、閣僚に指示した岸田総理。

 医療費への公費負担を段階的に減らすことなどが検討される方向で、今後マスク着用の緩和やコロナ患者を受け入れる医療機関の拡大などについても議論される。

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 2022年9月には、感染者の療養期間を10日から7日に短縮するなど緩和の動きが進む中、改めて検査の重要性を訴える人がいる。

「(新型コロナのウイルス量が)減るかと思ったが、増えた。ちょっとびっくりした」(国立遺伝学研究所・川上浩一教授、以下同)

 彼が行ったのは、体内のウイルス量と関連するCt値の解析だ。

 川上教授は、去年11月に発熱。抗原検査の結果、「陽性」と診断された。症状自体は軽く、熱もすぐに下がったという。そんな中、川上教授は7日間の療養生活終了後も解析を続けた。

「(唾液を)採り続けて、(自宅の)冷蔵庫に放り込んでいた。要所要所で唾液のサンプルをとっていたので調べてやろうと思い、療養解除後、人がいない時間に研究室へ行って1人でPCR検査をした」

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 川上教授の日々の「Ct値」を数値化したグラフ。一般的に、ウイルス量が多いほど縦軸の「Ct値」が低くなり、日本のPCR検査ではCt値が40未満で「陽性」と診断される。

 薬の効果もあり、一時はウイルス量が減るものの、その後は増えたり減ったりを繰り返す毎日――。川上教授は「Ct値が30以下の場合、周りの人に感染させるリスクがある」と推測している。

「(7日目でも)Ct値が30前後あったので、『7日目でもまだこんなにあるんだ』と思ってびっくりした。結構長くいるものだなと。その後、1~2週間を超えてもまだ(ウイルスが)いた」

 厚生労働省は、新型コロナ発症の2日前から発症後7~10日程度を「他の人に感染させてしまう可能性がある期間」と位置づけ、不要不急の外出を控えるなど感染防止に努めるよう呼びかけている。

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 しかし、川上教授が行った解析では、最終的にウイルスが検出されなくなったのは“発症から30日目”のことだったと話す。

「ウイルスがきれいに出なくなる人もいれば、結構長く出す人もいる。それがコロナの一番やっかいなところ」

 川上教授はこうした調査結果も踏まえ、改めて「検査の重要性と、人に移さない行動を心がけてほしい」と訴える。

「療養解除日にPCR検査をして、ウイルスが残っている人はもうちょっと療養する。残っていなかったら、普通に活動するのが理想的。それができない以上は、7日目ぐらいだとまだ(ウイルスが)残っていて、人に移す可能性もある。しっかりマスクをしたり、距離をとったりして、人と接触しない・人に移さないように行動することが大事」

(『ABEMAヒルズ』より)

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