テイクダウンを防ぐための露骨な反則を連発してイエローカードを受けるも、張り手気味の“掌底フック”から逆転KO勝利で視聴者騒然。反則連発の末にファイティング・ボーナス支給の理不尽過ぎる裁定に「納得いかない」「勝てば官軍か…」など、冷ややかな声が上がった。
2月3日にタイ・バンコクで開催された「ONE Friday Fights 3」。シャノン・ウィラチャイ（タイ）とポリヤ・ゴルプール（イラン）の試合は、組みの攻防で苦戦したシャノンが、1ラウンド後半“掌底フック”からパウンドを打ち込んで逆転KO勝利を収めた。序盤テイクダウンを回避するロープ掴みの反則を連発した末の大逆転に賛否の声が飛び交った。
地元タイの人気者、2年半ぶりのONE登場となるシャノンとイランやアフガニスタンの大会で4勝1敗と勝ち越しているゴルプールとの対戦。
開始とともに、やる気満々で軽快なステップを見せるゴルプールに、手をだらりノーガードで、「打ち合わないよ」アピールのシャノン。パフォーマンス人気も高いのか謎の行動に大歓声が上がる。
打ち合わないウィラチャイに痺れを切らしたゴルプールは、組み合ってローブ際に相手を押し込んでいく。しかし、テイクダウンを許したくないシャノンはロープに腕を挟み込んで逃れようと抵抗する。
再びテイクダウン狙いのゴルプール、嫌ったシャノンは、躊躇なくロープを掴みながら鉄槌、2度3度と倒されそうになっても再三にわたってロープを掴んで抵抗を試みる。そんな展開に試合をさばいた島田裕二レフェリーが動く。「ダメ」とシャノンを制止し、イエローカードを提示。あまりにも露骨な反則連発にABEMA視聴者からも「とっくに投げられてたよ」「めっちゃロープ掴んでる」と大ブーイングが。
そんな中、試合はリスタート。再度タックルを狙ったところで再びロープエスケープが行われると島田レフェリーも「シャノン、ノーロープ！」と激おこ。コメント欄も「組みに全然対応できてない」「レッド出るんじゃないか」と呆れた展開に。
コーナーに串刺しのままヒザの連打をもらい終始劣勢だったシャノンだが、組んでいた相手を引き込んで上になり、立ち上がり際に突き刺すようなヒザ。さらに往復ビンタのようなフックの連打からハイ。リング中央で張り手フックからマウントポジションで縦ヒジ連打。ここでレフェリーが割って入り試合をストップした。
止められたゴルプールは「効いてないまだ戦える」という困惑の表情。攻防中の半端な強制終了に「え？何で、ホワイ？」とレフェリーの耳元でポツリ。その後も勝者シャノンと会話を交わしたが、何度も首を振って納得いかない様子を見せた。
何度もテイクダウンを回避するためにロープを掴んだ末のシャノンの逆転勝ちに「ちょっとズルい」「MVPはローブだな」「納得いかない」と批判的なコメントも並んだ。さらに驚いたのはシャノンに1万ドルのボーナス給付がされたこと。ややバツが悪いのか、勝利者インタビューでもイエローカードについて言及し「複雑な気持ち」とうっすら涙を浮かべたシャノン。ボーナスを受け取ると、手を合わせ感謝の意を表した。
