「リコリス・リコイル」(リコリコ)は、2022年7月から9月にかけて全13話で放送されたアニメ作品です。制服を着たかわいい女の子が銃を使って戦う姿が話題となり、ミステリアスなストーリーも相まって人気を博しました。
この記事では、アニメ「リコリス・リコイル」の主人公・錦木千束(にしきぎ ちさと)について解説します。千束は天真爛漫な性格と、リコリスの中でも圧倒的な強さを誇る一方、人の命を奪うことを徹底的に避ける矛盾を抱えた姿が魅力のキャラクターです。バディである井ノ上たきな(いのうえ たきな)との関係性や、誕生日、声優のほか、心に残る千束の名言も紹介します。
目次
- アニメ「リコリス・リコイル」(リコリコ)とは
- アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束の基本情報!性格や声優などを紹介
- 銃弾が当たらない?歴代最強のリコリスと呼ばれる錦木千束の能力とは?
- 錦木千束の心臓の秘密とは?過去には何が?
- バディ・井ノ上たきなとの関係性は?たきなの変化にも注目
- おしゃれ大好き!多彩な錦木千束の私服バリエーション
- アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束の名言集
- アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束のまとめ
アニメ「リコリス・リコイル」(リコリコ)とは
犯罪の起こらない平和な日常。それを支えていたのは、秘密組織「DA(Direct Attack)」のエージェントである「リコリス」と呼ばれる少女たちでした。身寄りのない孤児がDAで戦闘技術を仕込まれてリコリスとなり、都会の迷彩服である“制服”でカモフラージュしながら街の治安を守ります。
物語は、とある事件でDA本部から喫茶「リコリコ」に転属になった井ノ上たきなが、歴代最強のリコリスと称される錦木千束とバディを組むところから始まります。たきなは功績を上げて本部に戻りたいと考えていましたが、予想外の行動ばかり取る千束に振り回されるうちに、少しずつ気持ちが変化します。
アニメ「リコリス・リコイル」は原作・Spider Lily、ストーリー原案・アサウラ氏、監督・足立慎吾氏、A-1 Pictures制作です。漫画や小説を原作としないオリジナルアニメで、アニメ開始後にノベライズとコミカライズが発売されています。
アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束の基本情報!性格や声優などを紹介
錦木千束はアニメ「リコリス・リコイル」の主人公で、ボブカットで明るい色の髪に、赤いリボンがトレードマーク。自称「喫茶リコリコの看板娘」です。
アニメでは、第1話にて、喫茶リコリコに転属となったセカンドリコリス・井ノ上たきなのバディとして登場します。千束は、リコリスとしては優秀ながらも、居場所を失ったことに焦るたきなをサポートし、その頑なだった心を徐々に変えていきます。
錦木千束の基本情報【プロフィール】
■氏名 錦木千束(にしきぎちさと)
■誕生日 9月23日
■年齢 17歳
■血液型 AB型
■身長 162cm
千束は、いつも前向きな明るい性格で、喫茶リコリコを盛り上げるキャラクターです。ノリが良く、喫茶リコリコの常連たちとも仲良しで、閉店後や休日はリコリコスタッフや常連たちとボードゲーム大会をするのが恒例となっています。DAの仕事以外にも、困った人を助ける依頼を受けていて、保育園の手伝いをしたり、ヤクザの組長に届け物をしたりと、街の人からも慕われています。
戦闘時は冷静ですが、普段は感情豊かで興奮すると口が悪くなります。とくにDA時代に同室だったファーストリコリスの春川フキ(はるかわ フキ)とは犬猿の仲で、第1話では「うっせえアホ!」と言いながら電話を切ったり、第3話では「なんだとてめぇどこ中だコラァ!」と凄んだりすることもありました。その一方で、落ち込むたきなに寄り添ったり、たきなのためにDAの楠木(くすのき)司令官に直談判したりと、仲間思いの面倒見がいい一面もあります。
錦木千束の基本情報【声優】
千束の声を演じるのは、安済知佳(あんざい ちか)さんです。過去に出演したおもな作品としては、「響け!ユーフォニアム」の高坂麗奈役、「さんかく窓の外側は夜」非浦英莉可役などがあります。
福井県出身で、福井を舞台とする作品では方言指導をすることもある声優さんです。また、声優の榎木淳弥さんとは従兄弟にあたります。
銃弾が当たらない?歴代最強のリコリスと呼ばれる錦木千束の能力とは?
千束は、「歴代最強のリコリス」と呼ばれています。10年前の電波塔事件では、7歳にしてすでにファーストリコリスだった千束がひとりでテロリストを制圧しました。
千束は卓越した洞察力で、相手の射線と射撃タイミングを見抜く天才です。相手のわずかな動きから弾道を予測し、至近距離から撃たれても銃弾をかわせます。銃で撃ってくる敵の弾を避けつつ、距離を詰めて倒すのが千束の戦い方で、DAの長官からも一目置かれている存在です。第2話のウォールナットを護衛する依頼にて、マシンガンを撃ちまくる相手に、正面から歩いて銃弾を避けながら近づき撃ち倒す戦闘は圧巻でした。また銃撃戦の合間に武装した大きな男性を投げ飛ばしたこともあり、体術もかなり使えるようです。
ただ射撃の腕はたきなのほうが上のようで、第13話では真島(まじま)に「お前は黒いほうほど射撃がうまくねえな」と言われていました。しかし、第12話では背後の敵を振り返ることなく撃ったように、周囲の状況を把握する力には長けているようです。
千束の洞察力は、じゃんけんにも活かされています。第6話にて描かれた、たきなとの家事分担じゃんけんは千束が全勝。これは運ではなく、千束は相手の筋肉のわずかな動きから先を読んでいました。そのため、「最初はグー」でじゃんけんをしていれば、千束は絶対に負けないという種明かしが作中でされています。
千束は人を殺さないリコリス
殺し屋として圧倒的な才能をもつ千束ですが、座右の銘は「いのち大事に」で、決して人は殺しません。第2話では重症の敵を手当するシーンも描かれました。第11話では真島に追い詰められてピンチに陥り、敵の銃を奪って構えますが、真島に「いいのか? そりゃ実弾だぜ?」と言われ、千束は引き金を引けませんでした。
千束が使っている弾はゴム弾で、撃っても命を奪うことはありません。ただし、千束によると、当たると死んだほうがマシかもというくらい痛いとのこと。このゴム弾は普通の銃弾よりも高価で、喫茶リコリコの経営を圧迫する要因の1つです。人を殺すのが当たり前のリコリスにいながら、第4話でたきなから殺しをしない理由を聞かれた千束は「気分が良くない。誰かの時間を奪うのは気分が良くない」と答えていました。
錦木千束の心臓の秘密とは?過去には何が?
幼い頃の千束には、先天性心疾患があり長くはもたない身体でした。しかし人工心臓を移植したことで、20歳程度まで寿命が延びました。第9話では、千束の天才的な戦闘スキルを認めたアラン機関の吉松シンジ(よしまつ しんじ)によって、高性能な人工心臓が提供されたエピソードが描かれています。
千束は、救世主と名乗る吉松から「使命を果たしてくれ」と言われたことで、「私も救世主になる」と人助けをすることを誓いました。実は吉松の言う使命とは「暗殺者として人を殺すこと」だったのですが、千束はその意図を知らずに、人を殺さないリコリスとして活動するようになるのです。
第7話にて、千束は父親的存在であるミカと常連客の吉松の話を図らずも立ち聞きしたことで、救世主が吉松であることを知ります。千束は命を救われたお礼と、自分も人を救いたい思いを吉松に伝えようとしますが、吉松は自分が救世主と認めてはいけない規則であると千束に言い、「アランチルドレンには役割がある」とだけ伝えて去っていきました。
吉松はあくまで千束の才能を殺人者として活かすことを望んだこともあり、第8話では部下に命じて、千束の人工心臓の充電機能を強引に破壊します。その結果、千束は余命2ヶ月となり、第13話に延空木(読み方は「えんくうぼく」)で真島と最後の戦いをしている最中に充電が切れかけてピンチに陥りました。そのとき、吉松は自分を殺して新しい人工心臓を手に入れるように千束に迫ります。千束の命を伸ばすことと引き換えに、自身の命を差し出して、千束に人殺しをさせようとしたのです。
千束はアランチルドレン!?アラン機関とは?
アラン機関は、アラン・アダムスの名義で世界的に展開する謎の支援機関です。貧困や障害などを抱える天才を探し出して、無償の支援を施す活動をしています。フクロウのようなチャームがトレードマークで、支援を受けた人にはそのチャームが贈られます。
支援対象はスポーツ・文学・芸能・医療・科学など多岐にわたります。オリンピック選手、研究で功績を上げた人などが、チャームを所有していたことでアランチルドレンだったと発覚して、ニュースになることもありました。
アラン機関が支援するのは、抜きん出た才能を持ちながら、それを活かせる環境にない人たちです。千束も支援を受けたからには自分に何かしらの才能があり、それを活かす使命があることはわかっていました。しかし「人を助ける」ことが自分の使命と思っていた千束は、実は「類まれなる殺しの天才」として支援を受けたことを吉松から告げられ、ショックを受けます。
バディ・井ノ上たきなとの関係性は?たきなの変化にも注目
たきなは、命令を無視して仲間の命を救う選択をしたことで、本部から喫茶「リコリコ」に左遷されてきたセカンドリコリスです。射撃が上手く、リコリスとしては優秀なのですが、居場所を失うことに焦りがあり、リコリコに来た当初は成果を上げてDA本部に戻ることばかり考えていました。
たきなとバディになった千束は第3話で、仲間の命を優先したたきなの選択を肯定し、居場所はDA本部だけではない、リコリコにいてもいい、たきなに会えてうれしいと語りかけます。本部の指示に従うことなく自分の信念を貫く千束と行動するうちに、たきなは千束に影響を受け、余命わずかである千束の命を救いたいと考えるようになります。
真島への総攻撃の直前には、あれほど戻りたがっていた本部への帰還命令を「断ろうと思った」というほど気持ちが変化していました。しかし、それが千束の命を救うことへつながると考えて作戦に参加することを決意。ところが第11話、延空木での作戦中、たきなは千束が旧電波塔に向かったことを知り、フキに「この任務を降りればもうDAには戻れんぞ」と言われながらも、千束を助けるために旧電波塔に向かいます。
千束は、たきなと一緒に街へ出掛けたりおいしいものを食べたり、買い物に行ってかわいい服を着せたりといった新しい経験をさせて、たきなのかたくなな心を徐々に溶かしていきました。千束とたきなの街へのお出掛けは作中に2回ありますが、第4話では千束がたきなを無理やり連れ出したのに対して、第9話ではたきなから千束を誘います。DAへ戻る前日にたきなは、以前に千束から選んでもらった私服を着て、千束を楽しませるため入念にプランニングをしました。以前のたきなには考えられない行動で、それだけ千束からの影響が大きかったことがわかります。
おしゃれ大好き!多彩な錦木千束の私服バリエーション
アニメ「リコリス・リコイル」は、千束の多彩な私服バリエーションも注目を集めていました。千束は基本的にファーストリコリスの赤い制服を着ていることが多く、リコリコでの接客時は赤を基調とした和装です。しかし、おしゃれも好きで、第4話や第9話でたきなと街に出かけるときはかわいい私服を着用していて、第7話では変装としてドレスアップした姿も見せました。
第6話では、リコリスが襲撃されていると知ったたきなが、心配して千束の家に押しかけました。そのときの千束は、白いフリルのオフショルダーにピンクのリボンの肩紐が付いたかわいい部屋着を着ています。自分だけではなく、人の服を選ぶのも好きで、第4話でたきなの私服を選ぶときもノリノリでした。
アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束の名言集
人を殺す才能を持ちながら、人に命を助けられ、その命も残りわずかであることを知っていた千束は、たくさんの名言を残しています。千束の過去や考え方を知ってから聞くと、さらにその深さがわかる言葉ばかりです。
・「あの人たちも今回は敵だっただけだよ」(第2話)
敵を殺そうとしない千束を不審がるたきなに言った言葉です。敵もそれぞれの考え方や事情があって行動していると知る、千束ならではの言葉です。
・「自分で決めたことでしょ? それが一番大事」「まだ途中だよ。チャンスは必ず来る。そのときしたいことを選べばいい」「私はいつもやりたいこと最優先」(第3話)
DAへ戻ることで頭がいっぱいのたきなに語りかけた千束の言葉です。たきなの過去を肯定し、現状を受け入れた上で自分の意思をもつことの大切さを伝えます。この言葉は、たきなの視野を広げるきっかけになりました。
・「人間一生で食べられる回数は決まってるんだよ。全ての食事はおいしく楽しく幸せであれ」(第4話)
たきなと街に出掛けた千束は、カフェでスイーツを満喫。食事は栄養摂取としか思っていなかったたきなを驚かせます。ほほえましく見えるシーンですが、人工心臓の耐久性の問題で、20歳頃までしか生きられないと千束が自覚していることを知ってから見ると、一気に重く感じる言葉です。
・「自分でどうにもならないことで悩んでもしょうがない。受け入れて、全力!」(第9話)
たきなはDAへ戻る前に千束とお出掛けして、完璧な一日にしたかったのですが、最後は予定通り雪が降らなくてがっかりします。そんなたきなに、千束はこのセリフを言い、一日楽しかったことを伝えました。人工心臓に頼る命で、自分ではどうにもならないことを受け入れている千束らしい言葉でしょう。
・「命を粗末にするやつは嫌いだ」(第12話)
自分を殺して新しい人工心臓を手に入れるよう迫る吉松へ、千束が言った言葉です。千束は吉松を撃たず、アラン機関のチャームも返すことで、新しい人工心臓を手に入れる気がないと示しました。命の大切さを誰よりも知る千束の言葉です。
・「みんな…自分が信じたいいことをしてる。それでいいじゃん?」(第13話)
千束は真島との命を賭けた戦いの中、言葉を交わすことで、お互い信念を持って動いていると感じます。立場が違い、信じるものが違うために戦ってはいますが、お互いを憎んではいないことがわかる言葉です。
アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束のまとめ
錦木千束は、アニメ「リコリス・リコイル」の主人公として活躍するキャラクターです。人工心臓で命を救われた千束は、人助けが自分の使命だと考えますが、アラン機関が千束の命を救ったのは、その戦闘スキルで人を殺させて、世界に貢献させるためでした。
「リコリス・リコイル」は、千束の余命の短さと、それを知っているがゆえの突飛に見える行動、アラン機関の思惑など、次々と明かされる真実に目が離せないアニメです。結末を知ってから、新たな視点でもう一度見ても楽しめますので、ぜひ配信やブルーレイなどで見返してみてはいかがでしょうか。
(C) Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11