11日に慢性副鼻腔炎の手術を受けた岸田総理が、一日の静養を経て13日に公務復帰した。Twitterでは「鼻周りの手術後すぐ仕事って過密スケジュールだわ」と体調を気遣う一方、「副鼻腔炎の手術でニュースとかふざけてる」などの批判の声もあがる。
慶友銀座クリニックの大場俊彦院長によると、一般的にこの手術の静養期間は約1週間だが、「事務作業など無理をしすぎない仕事であれば一日で退院することはある」という。
過去には、安倍元総理が持病の潰瘍性大腸炎の悪化により辞任を表明した時にも批判の声が出た。リディラバ代表の安部敏樹氏は「持病などで定期的に休養が必要だけれど、めちゃくちゃ優秀な人、総理の器にふさわしい人はいると思う。そういう人材が国のリーダーになるためにも、健康の期待値をあまりに高いところで維持しないというのは大事だと思う」との見方を示す。
また、ジャーナリストの堀潤氏は「こういう時のオペレーションが緊急時の訓練にもつながる」とした上で、自身の手術体験をもとに次のように話す。
「歯茎の奥の骨が溶けているということで手術を受ける時、全身麻酔で入院も必要だと言われた。それは経過観察と何かあった時に迅速な措置ができるようにするためだ。また、調べると副鼻腔炎も起こしていたが、鼻周辺は非常にデリケートな部分で、炎症すると周囲の骨を痛めたり、頭痛やさらなる病気につながるリスクがあると知った。総理が必要なタイミングで手術をしたのは、国益を考えれば必要なケアだと思うし、全身麻酔の基礎知識も広まる必要がある」
その上で、総理の症状を「鼻づまり」とする報道があることに、「言葉を軽視するのは危ない。書いているほうは“鼻づまりぐらいで…”と思っているのでは? 副鼻腔炎にも急性と慢性があり、医療知識は必要だと感じた」と述べた。
テレビ朝日の田中萌アナウンサーは「悪意のある見出しに見えてしまい、同じ病気でつらい思いをしている人にとってはショックだと思う。Twitter上にはひどい言葉もあるが、赤の他人に対してでもそんなことを言う人になりたくない。どういう気持ち・感情を持っているんだろう」と首を傾げていた。(『ABEMA Prime』より)
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