ブライトンの欧州カップ戦出場権獲得が少しずつ現実味を帯びてきている。FAカップで8強入りを決めたブライトンは、リーグ戦でも現在3試合未消化の状態で8位。5位ニューカッスルと勝ち点差6、4位のトッテナムにも勝ち点差10とUEFAチャンピオンズリーグ(CL)圏も射程圏内に捉えているのだ。もし欧州カップ出場権の獲得が達成されれば、クラブ史上初の快挙となる。今、ブライトンの歴史が変わろうとしているのだ。
欧州カップ戦出場に向けて最大のチャンス
ブライトン指揮官であるデ・ゼルビもフルアム戦前のインタビューで欧州カップ戦への野心をのぞかせている。「現在は欧州カップ戦に2、3年連続で出れるというわけではないよ。ただこのチャンスを逃してはいけない。なぜなら我々にはマクアリスター、カイセド、三笘、サンチェス、ダンクがいるからだ。さらにマーチもグロスもいる。我々はこのチャンスを逃さないように準備をしなければならない」と自信溢れる口調で語った。
フルアム戦こそ負けてしまったが、デ・ゼルビの自信が頷けるようにブライトンは今季美しいサッカーを展開している。ボールを保持し、敵が固いブロックを敷いてきたとしても、華麗な連係で崩しきり点を奪う。攻撃の最終局面においては三笘やアルゼンチン代表MFアレクシス・マクアリスター、今季覚醒しているソリー・マーチらの個性が能力が最大限発揮されるシステムが構築されている。組織力と各選手のタレントが融合した素晴らしいチームと言えるだろう。今季プレミアリーグで旋風を巻き起こしている三笘を筆頭に攻撃陣がどれだけ爆発できるかが、欧州カップ出場権獲得の鍵となってくる。攻撃陣が順当に力を発揮すれば4位フィニッシュも十分可能ではないだろうか。
全勝すれば4位に勝ち点差1まで肉薄 負ければ遠のくCL出場圏
プレミアリーグは世界で最も競争力が激しいリーグの一つだ。ブライトンと欧州カップ戦を争うライバルは多い。順位表の上でブライトンの上に立つトッテナム、ニューカッスル、フルアム、リヴァプールはシーガルズ(ブライトンの愛称)のライバルとなってくるだろう。
トッテナムはイングランド代表FWハリー・ケインがスーパーな活躍を見せており、怪我人が多い状況ではあるがこれからもコンスタントに勝ち点を重ねていくだろう。そのトッテナムに次ぐニューカッスルは今季プレミアリーグで最も失点が少ない鉄壁の守備を誇るチームだ。直近は勝ちきれない試合が続いているが、大崩れすることは考えにくい。
そして前節でブライトンとの直接対決を制したフルアムも強力なライバルだ。ブライトンは未消化試合を3試合残しているため、これらを勝利で収めれば勝ち点差1にまで肉薄するが、フルアムはエース不在でもブライトンに勝ちきる地力の強さを持っている。リヴァプールも攻撃のピースがはまりつつあり、復活の兆しを見せているのもブライトンにとっては不気味だろう。
今季のプレミアリーグは例年に増して異常事態とも言える状況が発生している。例えば、リヴァプールとチェルシーがここまで不調に陥ることを誰が予想できただろうか。反対にブライトンにとっては過去最大のチャンスでもある。もしここで欧州カップ戦のチャンスを逃せば来季は主力がメガクラブに引き抜かれる可能性も高いため、現在よりも厳しいチャレンジになることは容易に予想できる。
近年のプレミアリーグは豊富な資金力を誇るビッグ6がCL出場権を独占していた。クラブ規模も資金力でもビッグ6に大きく劣るブライトンがCLに出場するとなれば多くのクラブに勇気を与えることになるだろう。来季、三笘薫をCLで見ることができるかもしれない。
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