実は“元同僚”、ファビーニョとカゼミーロがプレミアで激突へ…当時のレアルBで活躍した選手たち
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 5日に行われるプレミアリーグ第26節リヴァプール対マンチェスター・U。ブラジル代表としてFIFAワールドカップカタール2022で共闘したMFファビーニョ(リヴァプール)とMFカゼミーロ(マンチェスター・U)の対決にも注目が集まる。そんな彼らは、実はクラブチームでも1シーズンだけチームメイトだったことがある。

 2012-13シーズン、彼らはレアル・マドリードのBチームであるレアル・マドリード・カスティージャに所属していた。その二人が10年の歳月を経て、今度はイングランドの地で同じピッチに立つのである。

 それでは、2012-13シーズンにカスティージャで活躍した選手たちを紹介しよう。

[写真]=Getty Images

■MFファビーニョ(現在リヴァプール)

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 母国ブラジルのフルミネンセでキャリアをスタートさせたファビーニョは、同クラブのトップチームで試合に出ることなく、2012年6月にポルトガルのリオ・アヴェに引き抜かれた。そしてすぐに、当時スペイン2部に所属していたレアル・マドリード・カスティージャに期限付き移籍し、2012-13シーズンは2部リーグで30試合に出場。万能型のファビーニョは、当時は右サイドバックを任されることが多かった。

 カスティージャで活躍したファビーニョは、レアル・マドリードのトップチームに招集されて2013年5月にはラ・リーガで1試合だけピッチに立っている。しかし、完全移籍に至ることはなく、シーズン終了後に退団。その後、モナコを経て、2018年夏に移籍金3900万ポンド(約57億円)でユルゲン・クロップ監督が率いるリヴァプールに加入した。

 同クラブでは、これまで公式戦200試合以上に出場し、中盤の核に定着してきたが、今シーズンはチームの不振とともにファビーニョ自身も苦しんできた。「ファビーニョは何年にも渡り素晴らしい活躍をしてきたが、今は何か噛み合っていない」とクロップ監督も先月、同選手の不調を認めていた。それでも最近はチームとともに調子を上げつつあるため、今週末のマンチェスター・U戦が楽しみだ。

■MFカゼミーロ(現在マンチェスター・U)

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 ファビーニョに遅れること6カ月、MFカゼミーロも2013年1月にサンパウロからカスティージャに期限付き移籍で加入した。そして中盤の定位置を確保すると、2部リーグで15試合に出場。ファビーニョ同様、シーズン終盤にはトップチームにも招集され、2013年4月のベティス戦でメスト・エジルやクリスティアーノ・ロナウドと一緒にピッチに立ってラ・リーガでのデビューを果たした。

 カゼミーロの場合は、シーズン終了後に完全移籍を勝ち取った。無事にレアル・マドリードの一員になった同選手は、ポルトでの武者修行を経て、2015-16シーズンからは“白い巨人”の中盤に君臨。同クラブでリーグ優勝3回、そしてチャンピオンズリーグ優勝5回に貢献した。だが昨夏、9年プレーした『サンティアゴ・ベルナベウ』を離れて移籍金6000万ポンド(約97億円)でマンチェスター・Uに加入すると、即座にリーダーの地位を確立してチーム再建の立役者となっている。

 “赤い悪魔”OBのギャリー・ネヴィル氏も、FIFPRO(国際プロサッカー選手会)選出の2022年度の世界ベストイレブンに選出されたカゼミーロを大絶賛。「カゼミーロがチームに与えた影響は計り知れない。彼は完全にチームをコントロールしているように思う。まさに支配者だ」とイギリスメディア『スカイスポーツ』にて語っている。

 今週末のリヴァプール対マンチェスター・Uでは、ブラジル代表の“支配者対決”に注目が集まる。

■トップチーム所属組

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今も“白い巨人”で生き残っているナチョ(左)とルーカス・バスケス(右)

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 2012-13シーズンのカスティージャの所属メンバーで、今もトップチームに残っているのは2名だけ。まずはレアル・マドリード一筋のDFナチョだ。10年前にはBチームで腕章を巻き、シーズン後半からはトップチームに定着。そして今は、レアル・マドリードの最古参として副キャプテンを任されている。

 もう一人、今もレアル・マドリードで活躍しているのはルーカス・バスケスである。生え抜きの同選手は、カスティージャ時代には右ウィングなどで活躍。その後、エスパニョールへのレンタル移籍を経てトップチームに戻ってきた。今では右サイドバックとしてプレーしており、これまでトップチームで公式戦通算300試合近くに出場している。

■当時のエースたち

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左からモラタ、ヘセ、チェリシェフ

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 10年前のカスティージャでエースとして活躍していたのはFWヘセ・ロドリゲスだ。若い頃にC・ロナウドと比較されることもあったアタッカーは、2012-13シーズンにカスティージャでリーグ2位の22ゴールを叩き出した。これはレアル・マドリードの英雄、エミリオ・ブトラゲーニョ氏が1983-84シーズンにマークした21ゴールを抜き、カスティージャのシーズン最多ゴール記録となった。

 そんなヘセは、トップチームでは定位置を確保できず、2016年に2500万ユーロ(約36億円)でパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍。しかし、新天地でも活躍できずに、レンタル移籍を繰り返した末にPSGを退団した。昨夏にトルコのアンカラギュジュに活躍の場を求めたが、目立った結果を残せずに今年1月に退団し、現在はイタリアのサンプドリアに所属している。

 一方、2010年にトップチームデビューを果たしていたFWアルバロ・モラタは、2012-13シーズンにトップとBチームを行き来する1年を過ごした。そしてBチームでは、ヘセに次ぐ12ゴールをマーク。その後もトップチームではFWカリム・ベンゼマの控えに甘んじたため、2014年にユヴェントスへ完全移籍。2年後、レアル・マドリードが買い戻しオプションを行使して連れ戻すと、2016-17シーズンに自己最多のシーズン20点をマークした。その後はチェルシーやアトレティコ・マドリード、ユヴェントスを行き来し、今シーズンから正式にアトレティコ・マドリードの一員としてプレーしている。なお、カタールW杯では4試合に出場し、グループステージでは日本戦を含めて3試合連続ゴールの活躍を見せた。

 元ロシア代表FWデニス・チェリシェフも、当時のカスティージャには欠かせない選手だった。プロ選手だった父がスポルティング・ヒホンに移籍したことで、チェリシェフも子供の頃にスペインに移住。そしてレアル・マドリードの下部組織でステップアップを果たし、2012-13シーズンにはカスティージャで34試合11ゴールの結果を残した。

 だが、トップチームではラ・リーガで2試合にしか出場できず、レンタル移籍を繰り返したあと、2016年にビジャレアルへ完全移籍。母国開催となった2018年ロシアW杯では4ゴールでロシア代表のベスト8に貢献し、大会ベストイレブンにも選出された。32歳になった現在は、セリエBのヴェネツィアでプレーしている。

 このように、様々なタレントが名を連ねた2012-13シーズンのカスティージャ。あれから10年が経ち、それぞれ違う道を進んだが、ブラジル代表に上り詰めた2名は、今週末にプレミアリーグの舞台で激突する。

(記事/Footmedia)

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