チャットGPTやグーグルバードなどAI技術の飛躍的な進化は暮らしを便利にする一方でAIの暴走や職業問題など、さまざまな影響が懸念されている。
AIと人間の未来はどうなっていくのか？
『ドラえもんを本気でつくる』（PHP新書）の著者で日本大学文理学部助教の大澤正彦氏に上記の不安をぶつけると
「技術が進展していくなかで、『絶望的な未来は絶対来ないので大丈夫です』と言っていたらかえって危険だと思います。ちゃんとあらゆる可能性を見ながらより良い未来に向かって行くことが大事です」
野村総研と英オックスフォード大学の共同研究によると、10～20 年後に日本の労働人口の49％がAIやロボットなどで代替可能になると推計されているが。
「新しい技術が生まれたらその技術で代替されてしまう職があるものです。人はこれまでも新しい職業にどんどん移っていくということをやってきましたし、現時点でもいろんな業種が人手不足だと言っています」
AI時代に求められる能力を身につけるには。
「人に『やれ』と言われたことを一生懸命やっても人と同じ能力が身につくだけ。そんな仕事は積極的にAIに代替されます。そのため、『自分らしく生きる』ことがより大事になってきます」
将来、大澤助教が夢見るドラえもんが誕生する可能性は。
「『スマホは四次元ポケットだ』という人もいます。アプリは秘密道具というわけですね。そう考えると、振り返った時に『実は出来てたんじゃないの』ということはあり得ます。藤子・F・不二雄先生が描いてくれていた想像力のかけらがいろんなところで繋がっていく感じがします」
続いて、ビジネス映像メディアPIVOTのチーフ・グローバルエディター竹下隆一郎氏にも別の観点から、AIがもたらす未来について聞いた。
「AIは文章作成のサポートなど、人間を補助することから始めています。そしてその後、AIが人間より仕事ができるようになってくると人間の役目が減っていく、というわけです」（以下、竹下氏）
AIに役割を奪われにくいのはどのような職業・スペックの人材なのか。
「元Googleチャイナの社長で世界的な人工知能学者のカイフー・リー氏に取材をしたのですが、彼はAIの苦手分野として『創造性』『共感』『器用さ』を挙げており、彼の著書『AI 2041 人工知能が変える20年後の未来』には『人間にしか出来ない仕事』と『AIに代替される可能性が高い仕事』が記されていました」
「芸能人やM &Aエキスパートといった、上の表の右上のような「創造的で社会的な職業」を行える「いい奴」が生き残るのです』
加えて、「人間とAIの協業」もポイントとなるという。
「例えば、家庭教師も教えることはアプリが担当。『頑張ればできるよ』『受験を乗り越えたら夢が叶うよ』などの『励まし』は人間が担当。バーテンダーも美味しいドリンクはAIが作り、お客さんと心を通わせたコミュニケーションは人間が行う、という具合です。心を通わせる行為、感情の部分は人間にしかできないためです。ドラえもんでいうと、のび太くん以上に積極的になって『友達になろうよ』とAIと積極的に協業していくスキル・マインドが必要になるのです」
（『ABEMAヒルズ』より）
