「CHOOSE YOUR LIFE FES #18歳の成人式」。全国から約600人の新成人が集まり、さまざまな催しによって人生の門出を祝福された。
8日、東京・恵比寿の会場に集まった、多くの若者たち。彼らは2022年度に18歳となった”新成人”たちだ。
コロナ禍での高校生活や成人年齢の引き下げ。時代に翻弄された新成人を祝ってあげたいという、この式の発起人・三浦宗一郎さん(27)の挑戦に迫った。
一般社団法人 ハッシャダイソーシャルでは「全ての若者が自分の人生を選択できる社会」を目標に、全国各地の学校での講演活動といったキャリア支援を行っている。
ハッシャダイソーシャル代表の三浦さんは、高校卒業後、経済的理由から大学進学を断念。その経験から団体を立ちあげ、これまで多くの若者と向き合ってきた。
「18歳の成人式」を企画したきっかけは、何気ない会話の中で”新成人”たちが漏らした本音だという。
「彼らはコロナ禍で高校に入学して、文化祭も修学旅行も部活の大会も無くなった。さらに、成人年齢が18歳に引き下げられ、成人式もない。『私たちは一体何なんだろう。大人に勝手に決められている』と雑談の中で言っていた」(三浦さん、以下同)
芽生えた悔しさ。すぐにアクションを起こした。
「少なくとも僕らや周りには、18歳、そして子どもたちのことを考えている大人がたくさんいる。それを意地でも見せてあげたい。『じゃあ俺が成人式やるわ』と言った」
こうして始まった、前例のない一大プロジェクト。その思いに共感した人たちから、クラウドファンディングで1000万円以上が集まり、式の開催へとこぎつけた。誰もが参加できるように、交通費補助やオンライン配信など工夫を凝らしたという。
「本気で人に応援された経験や誰かに関心を持ってもらった体験があることが、生きていく上ですごく重要な一つの要因だと思う。僕らは“人生のお守り”と言っている。素晴らしい一日にできるように、やりきりたい」
心に“人生のお守り”を。三浦さんの思いも乗せた、18歳の成人式が始まった。式の冒頭は、人気ラッパーグループのMOROHAさんが登場。その後、ワークショップが行われた。
参加者たちは、ノートに式の感想や今の感情を書き出し、周りの席の人たちと話し合う。これは、社会で必要となる自分の感情を表現し、それを相手に伝える力を養ってほしいという思いが込められている。
そして、式のクライマックスは「新成年の主張」。その場で手を挙げ、壇上で新成人に向けスピーチを行う。
「やらなきゃいけないことは頑張って、やりたくないことは見つめなおし、やりたいことはとことんやる」(新成人A)
「ご縁があって、今レーベルに所属している。誰かの痛みに寄り添える人になり、そんな曲を書きながらこれから少しずつ活動していきたい」(新成人B)
「2カ月間本気で努力して、この度大学に合格した。次の段階で、東京理科大学に編入する(ことが目標)が、そのためには大学で成績上位者にならなきゃいけない。だから僕は、次の目標として2年後必ず成績上位者になり、この東京に戻ってくる」(新成人C)
過去との別れ。そして、未来への決意。新成人、一人ひとりが壇上で思いをぶつける。
「大人が怖くて信じられないこともあるが、優しくて温かい姿を見ることができて将来に希望がわいた。悲しい思い出も全部自分だから、丸ごと愛せるような贅沢だと思える人生にしていこうと思った」(新成人D)
こうして式はフィナーレへ。三浦さんが新成人に向けて、はなむけの言葉を送った。
「もし自分に余裕があったら、もらってきたものを渡していく。人が誰かを思う気持ちのサイクルがずっと回っていくといいなと思うので、今日感じたいろんな気持ちを忘れないでくれたら超嬉しい。18歳、成人おめでとう」(三浦さん、以下同)
「次の世代に『何かをしたい』と思う大人がこれだけいる。そして、次の時代を生きていこうとする18歳がこれだけいる。それが見えたのは、すごく大きな可能性だと思う。“人生のお守り”を持って帰ってもらえたと信じている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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