レアル・マドリード

 FIFA(国際サッカー連盟)は14日、ルワンダの首都キガリで理事会を開催。その中で、“新方式”のFIFAクラブワールドカップの詳細が発表された。

 ナショナルチームによるFIFAワールドカップと同様に4年ごとの開催となる同大会は、2025年6月より32チームが参加するフォーマットでスタートする。2月の時点では「UEFA(ヨーロッパ)12枠」、「CONMEBOL(南米)6枠」、「AFC(アジア)4枠」、「CAF(アフリカ)4枠」、「Concacaf(北中米カリブ海)4枠」、「OFC(オセアニア)1枠」、「開催国1枠」という各大陸の参加枠数が発表されていた。

 今回の発表では、同クラブW杯における参加チームの決定方法が伝えられた。2021年から2024年までに終了するシーズンを対象とし、参加チーム数が5枠以上の大陸(ヨーロッパ、南米)は各大陸の最高位のクラブ大会で王者に輝いた4チームの参加が確定する。具体的にヨーロッパのケースに当てはめると、2020-21シーズンのチャンピオンズリーグを制したチェルシー(イングランド)、2021-22シーズンのCLで優勝したレアル・マドリード(スペイン)の参加が既に内定。南米であれば2021シーズンのコパ・リベルタドーレスでトロフィーを掲げたパルメイラス(ブラジル)、続く2022シーズンのチャンピオンであるフラメンゴ(ブラジル)が既に出場権を獲得したこととなる。残りの枠は対象期間内のクラブランキングに基づいて決定される。

 参加チーム数が4枠の大陸(アジア、アフリカ、北中米カリブ海)は上記対象期間に行われた各大陸の最高位のクラブ大会で王者に輝いた4チームのみが出場権を獲得する。そのため、Jリーグのクラブが出場するにはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制することが絶対条件だ。1枠の大陸(オセアニア)からは、OFCチャンピオンズリーグの覇者の中で最もクラブランキングの上位に位置するクラブが出場権を掴むこととなる。開催国枠での出場条件は追って決定する予定だ。

 なお、対象期間内の各シーズンにおいて、1つのクラブが大陸最高位のクラブ大会で2度以上の優勝を成し遂げた場合、同枠はクラブランキング上位の枠に譲られることとなる。ヨーロッパのケースで例えると、従来は2020-21シーズン〜2023-24シーズンまでのCL王者4クラブとクラブランキングの上位8クラブが出場権を獲得できる。しかし、2022-23シーズンまたは2023-24シーズンのCLをチェルシーまたはレアル・マドリードが制した場合、CL王者からの枠が重複してしまう。この場合、当該シーズンのCL準優勝クラブではなく、CL王者3クラブ、クラブランキング上位9クラブという参加チームの割り当てに変更となる。

 各国から参戦できるクラブ数の上限は「2」となっているが、大陸最高位のクラブ大会で優勝したクラブが1つの国から3チーム以上出た場合、この上限は適応されない、即ち、ヨーロッパだと対象となる残りの2シーズン(2022-23シーズン、2023-24シーズン)において、チェルシー以外のプレミアリーグの2クラブが優勝を成し遂げた場合、例外でイングランドから3クラブの参戦が可能となる。既にラ・リーガのクラブは今季のCLでレアル・マドリード以外敗退していることから、同条件には当てはまらない。また、南米でも2023シーズンまたは2024シーズンのリベルタドーレスでパルメイラスとフラメンゴ以外の“ブラジル勢”が優勝した場合は、例外としてブラジルから3クラブ以上の出場が可能だ。

 今回の決定について、FIFAは「各大陸および連盟の関係者と協議を重ね、スポーツの基準に基づくクラブランキングの算出メカニズムを定義していきます」と発表している。

 また、各大陸王者のクラブと開催国枠の1クラブが集まって開催されている現行フォーマットのFIFAクラブワールドカップは2023年のサウジアラビア大会を最後に終了する。だが、FIFAは異なる大陸間での競争力を高めることを目的として、2024年から代替の大会を新設することを発表。大陸最高位のクラブ大会で優勝したクラブが争うという形式は現行のクラブW杯と類似しているものの、ヨーロッパ以外の5つの“大陸王者”がプレーオフを戦った後、勝者の1クラブがヨーロッパの“CL王者”と対戦するフォーマットだ。開催時期および詳細な形式はFIFAより追って伝えられる。