日本代表は昨年11月から開催されたFIFAワールドカップ カタール2022で一つの節目を迎え、本日、新生・日本代表が誕生した。監督の森保一は続投しているがコーチングスタッフの変更や代表から退く面々、新たにサムライブルーの一員となる若手選手など変更点は多い。
【映像】サッカー日本代表・森保監督が記者会見「新生・森保ジャパン」について語る
この新たな新生・日本代表をエースとして背負って立つことになりそうなのが、プレミアリーグの舞台で躍動を続ける三笘薫だ。
絶好調のドリブラーは日本代表のエースになれるのか
今シーズン三笘薫は初のプレミアリーグ挑戦ながら抜群の存在感をみせている。3月15日時点でのリーグ成績は19試合で6ゴール3アシストであり、10試合以上を残しているのにも関わらず、すでに日本代表のレジェンドである香川真司と岡崎慎司が保持するプレミアリーグの日本人1シーズン最多得点記録に並んでいるのだ。
Jリーグ時代から相手サイドバックに牙をむいてきたドリブルにおけるキレや駆け引きの上手さ、スピードはさらに磨きがかかっており、プレミアリーグでプレーする世界最高峰の選手たちでもこの日本代表MFを止めることに苦戦している。また、昨季ローン移籍したロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズで左ウイングバックで起用されたことも活きており、守備面での貢献度も高まっている。直近のリーズ戦では最終ラインまで全速力で戻り、相手選手がシュートを放つ直前に何とか身体を当てて決定機を阻止した。
三笘にはこうした経験を代表チームに還元するという面でも期待が高まっている。サムライブルーは来年のアジアカップやワールドカップ予選など、次回のワールドカップが行われる2026年までに数々の試練を乗り越える必要がある。その試練を乗り越えるために三笘は欠かせない選手であり、エースの素質を持ち合わせた選手であるといっても過言ではない。
“森保ジャパン第2章”での起用法は?
W杯では途中出場でジョーカー的な役割を担い、スタメン出場は0に終わった。実力的には間違いなくスタメンに名を連ねるべきだったが、森保監督は後半に勝負を懸けるゲームプランを描いており、その最大の武器として三笘の後半途中の投入という采配を用いた。だが、いわばこの戦術はワールドカップ専用のものであり、新生・日本代表では起用法が変わる可能性がある。
森保監督はワールドカップで3-4-2-1、もしくは4-2-3-1の布陣を敷いた。それをベースに考えると左ウイングバックか左ウイングでの起用になるだろう。三笘と同じ左サイドにはレアル・ソシエダで活躍する久保建英、今回初招集され、オーストリアのLASKリンツで得点を量産している中村敬斗らがいる。
彼らの存在や他のポジションとのバランスを考えると、初めから絶対的なスタメンに定着できるとは限らないが、この日本代表MFはすでに「日本の三笘」ではなく「世界の三笘」とも言えるほどの実力の持ち主である。世界最高峰のドリブルを武器にチャンスメイク、そして限られたチャンスでも決めきる決定力を兼ね備えるこの男をスタメンで起用しない手はないだろう。
2026年に向けた三笘薫の野望
今年の2月にABEMAで放送された『MITOMA~頂点を目指す者~』で三笘は元日本代表DF内田篤人氏と対談した。その中で「これだけ人の心を動かせるのはワールドカップしかない」と語り、自身初の大舞台で確かな感触を得たようだ。そして「前回よりもチームの中心になれるように」と新生・日本代表に向けての強い意気込みも語っている。
内田氏との対談の終盤、自らの目標を掲げたユニフォームには「歴史を塗りかえる」の文字が刻まれていた。ワールドカップでの成績も、内田氏の持つUEFAチャンピオンズリーグ(CL)での日本人最高順位であるベスト4も塗り替えるという決意を込め掲げた目標だと語っている。
世界を代表する最強ドリブラーになりつつある三笘薫であれば、我々日本人に”新たな景色”を見せてくれるはずだ。
(ABEMA/プレミアリーグ)(c)aflo