日本代表は昨年11月から開催されたFIFAワールドカップ カタール2022で一つの節目を迎え、来る3月より新星・日本代表が誕生する。監督の森保一は続投しているがコーチングスタッフの変更や代表から退く面々、新たにサムライブルーの一員となる若手選手など変更点は多い。
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この新たな新星・日本代表の中核を担う存在になりそうなのが、ブンデスリーガ、そしてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で絶大なインパクトを残す鎌田大地だ。
欧州を舞台に成長を続け、日本を代表する選手に
今でこそ昨季のUEFAヨーロッパリーグ(EL)チャンピオンであるフランクフルトの中心選手として活躍する鎌田大地だが、そのキャリアはタイトルとは無縁のものだった。
UEFAの公式インタビューで鎌田は「タイトルとはほど遠いチームでやっていた。タイトルにかすりもしない人生、去年その最初のチャンスが来てそれをものにできたのはすごい嬉しかった」と、昨季のEL制覇を感慨深げに振り返っている。
そして昨今、鎌田がメディアを賑わせているのが移籍報道だ。鎌田は今季限りで契約満了に伴いフランクフルトを退団することが決定している。次なる目的地は現時点では決まっていないが、フランクフルトとの契約延長に応じない理由はただ一つ。さらに高みを目指すためだ。
鎌田は同じインタビューで「常にチャンピオンズリーグに出場したいと思っていた。チャンピオンズに毎年出続けたい」と自らの野望を語り、選手としてのさらなる成長を渇望している。
トップ下?ボランチ?どのポジションでの起用が増えるのか
鎌田は中盤であればポジションに関係なく、持ち味を発揮できる選手だ。本職とも言えるトップ下のポジションであれば、広い視野と高い足元の技術を駆使して、味方選手にピンポイントのスルーパスやクロスを供給してチャンスを演出する。ボランチとして出場すれば、周りの選手のポジションを見ながら、抜群のタイミングで3列目から攻撃参加して、結果的にゴールに直結するプレーをみせる。守備強度や運動量の面でも申し分なく、現在のフランクフルトでは後者のポジションで起用されている。
これだけのポジションをカバーできる存在が、新生・日本代表においてどこのポジションで起用されるのだろうか。まずはライバルの選手たちを整理する。
トップ下にはレアル・ソシエダで絶好調の久保建英や、今回は招集されなかったがカタールW杯で10番を背負った南野拓実らがいる。久保や南野を左や右で起用するプランもあるだろうが、いずれのポジションにも三笘薫や堂安律、伊東純也ら猛者たちが君臨している。鎌田ほどの実力者であっても、トップ下のポジションが保証されているわけではない。
ボランチに目を移すと、ここにはブンデスリーガのデュエル王・遠藤航と今季CLでも存在感をみせた守田英正、FIFAワールドカップ カタール2022のスペイン戦でゴールを決めた田中碧ら、ここでも熾烈なサバイバルが予想されている。
これだけの選手がいるのは、森保監督からすると贅沢な悩みだろう。欧州の最前線で活躍を続ける鎌田がどこのポジションで起用されるのかは要注目だ。
「もっと良いクラブでプレーし続ける」2026年に向けての目標
鎌田は昨年のワールドカップ敗退時に、JFAの公式YouTubeチャンネルで「選手個々の能力、個人個人が成長してもっと良いクラブでプレーし続けることが選手のためにもチームのためにもなる」と発言。
また、「今自分の目指してる場所でプレーをできてるわけじゃないんで、この4年間で自分が目指してるところでしっかりプレーをできるようにして次の大会に臨めば自分はもっと大きくなってるだろうし、より日本代表の力になれると思うんで、この4年間はより良いクラブでしっかり出続けるっていうことができるようにやっていきたい」と語り、先述した通り、自分自身をさらなる高みでプレーすることを第一の目標として掲げている。
そんな野望を掲げる鎌田に対して、多くのビッグクラブが熱視線を送っている。この目標を叶えることになるであろう鎌田は、サムライブルーに何を還元してくれるのだろうか。
今回発表された日本代表メンバーは以下の通り。
▼GK
シュミット・ダニエル(シント・トロイデン/ベルギー)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷晃生(ガンバ大阪)
▼DF
板倉滉(メンヘングラートバッハ/ドイツ)
冨安健洋(アーセナル/イングランド)
伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)
橋岡大樹(シント=トロイデンVV/ベルギー)
角田涼太朗(横浜F・マリノス)※
瀬古歩夢(グラスホッパーズ/スイス)
菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)
バングーナガンデ佳史扶(FC東京)※
半田陸(ガンバ大阪)※
▼MF/FW
遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)
守田英正(スポルティング/ポルトガル)
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
西村拓真(横浜F・マリノス)
三笘薫(ブライトン/イングランド)
前田大然(セルティック/スコットランド)
堂安律(フライブルク/ドイツ)
上田綺世(サークル・ブルッヘ/ベルギー)
田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)
町野修斗(湘南ベルマーレ)
中村敬斗(LASKリンツ/オーストリア)※
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
※は初招集選手