ブンデスリーガに所属する伊藤洋輝は“新生・森保ジャパン”の初陣に向けて代表メンバーに名を連ねた。日本代表は今月24日にウルグアイ代表、28日にはコロンビア代表と強化試合に臨む。伊藤は現在23歳の若手DFであり、FIFAワールドカップ カタール2022に引き続いての選出となる。希少なレフティのセンターバックは、新生・日本代表でどのような立場を築くのだろうか。
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不本意なワールドカップに…
昨年のW杯ではグループステージ第2節、コスタリカ戦の後半のみの出場に留まり、本人にとっては悔しさの残る大会となった。その試合のパフォーマンスも決して良かったとは言えず、自陣でブロックを固めたコスタリカに対して三笘にボールを預けるのではなく、バックパスを選択するプレーが目立った。大会後、伊藤は「つけれるところはもっとつけていった方がよかった」と反省の弁を口にした。
また今大会で日本と対戦したスペイン代表にはパウ・トーレス、クロアチア代表にはヨシュコ・グヴァルディオルと、自らと同じ左利きのセンターバックが高いレベルのパフォーマンスを発揮しており、彼らに大きな刺激を受けたようだ。
シュトゥットガルトで自らの立場を築き上げる
現在、23歳の伊藤はシュトゥットガルトで遠藤航、原口元気らとともにプレーしている。今シーズンはここまでリーグ23試合に出場。ほとんどの試合で90分フル出場している。左センターバックでの起用が大半だが、左サイドバックで出場した試合では足元の技術を活かしたプレーで積極的に攻撃にも参加している。
自らの立場を築き上げている伊藤だが、先月のシャルケ戦ではハーフタイムでの交代を告げられた。ブルーノ・ラッバディア監督は「シャルケがどう来るか明確だったし、センターバックたちがボールを運ぶ時間とスペースを得られることもわかっていた。彼らに限らずうちのサイドの選手も、すでに相手の脇を通っていたにもかかわらず、なぜかもっと前に進む勇気がなかった。何度も引き返してバックパスを選んだんだ。シャルケのプレスから逃れるためにはそうするべきだと話していたが、相手をかわしてからは別の話となる。私はそういうところが気に入らなかった」と交代の理由を明かした。
その後の試合で再び先発に名を連ねているが、伊藤の課題はW杯のコスタリカ戦同様にバックパスなのかもしれない。
激化する日本代表でのポジション争い
センターバック、左サイドバック、左ウイングバックでプレーすることができる伊藤は新生・日本代表でも重宝されることになるだろう。しかし、今回の代表戦ではFC東京のバングーナガンデ佳史扶、横浜F・マリノスの角田涼太朗と、2人の左利きDFが初招集されており、ポジション争いは激しさを増すことになる。
森保監督はバングーナガンデ佳史扶に対し「FC東京で左サイドバックのレギュラーとして存在感を放っています。攻撃に参加できることや、セットプレーのキッカーとしてもいいボールを配球できる。守備面では長友と比べて、まだまだ足りないところはありますが、国際舞台で経験を積み、所属クラブでのさらなる成長を期待しています」とコメント。
角田に対しては「左利きのセンターバックで、サイドバックとしてもプレーできます。攻撃力もあり、後方からのビルドアップ、数的優位を作り出せる選手。国際レベルでどれくらい通用するのか、彼の良さを見ていきたいし、経験を生かして成長してほしいと思います」と述べている。
今回の代表戦では冨安健洋が怪我の影響で離脱が決定。昨年のW杯と比較するとセンターバックの吉田麻也と左サイドバックの長友佑都が選外となっており、どちらのポジションでの起用となるかは定かではないが、伊藤にはスタメンとしての活躍が期待されている。初招集の2人に負けず、このチャンスを生かして、日本代表で不動のスタメンに定着して欲しいものだ。
（ABEMA／ブンデスリーガ）
今回発表された日本代表メンバーは以下の通り。
▼GK
シュミット・ダニエル（シント・トロイデン／ベルギー）
大迫敬介（サンフレッチェ広島）
谷晃生（ガンバ大阪）
▼DF
板倉滉（メンヘングラートバッハ／ドイツ）
冨安健洋（アーセナル／イングランド） ※町田浩樹（ユニオン・サンジロワーズ）が追加招集
伊藤洋輝（シュトゥットガルト／ドイツ）
橋岡大樹（シント＝トロイデンVV／ベルギー）
角田涼太朗（横浜F・マリノス）※
瀬古歩夢（グラスホッパーズ／スイス）
菅原由勢（AZアルクマール／オランダ）
バングーナガンデ佳史扶（FC東京）※
半田陸（ガンバ大阪）※
▼MF／FW
遠藤航（シュトゥットガルト／ドイツ）
伊東純也（スタッド・ランス／フランス）
浅野拓磨（ボーフム／ドイツ）
守田英正（スポルティング／ポルトガル）
鎌田大地（フランクフルト／ドイツ）
西村拓真（横浜F・マリノス）
三笘薫（ブライトン／イングランド）
前田大然（セルティック／スコットランド）
堂安律（フライブルク／ドイツ）
上田綺世（サークル・ブルッヘ／ベルギー）
田中碧（デュッセルドルフ／ドイツ）
町野修斗（湘南ベルマーレ）
中村敬斗（LASKリンツ／オーストリア）※
久保建英（レアル・ソシエダ／スペイン）
※は初招集選手
