ヒジを全力で振り回す過激すぎるタイ人同士の打撃戦は、カウンターで顔面を捉える一撃の右ヒジで終了。あまりにキケンな結末に「危険でクレイジーだ」とファンからドン引きのコメントが寄せられた。
3月17日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 9」。ムアンタイ・PK・センチャイとクラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイの対決は、喧嘩さながらの激しい攻防の末、3ラウンドにムアンタイが放った右のヒジでクラップダムが失神し終了。壮絶なタイ人対決を制した。
ムエタイの世界王者を複数回戴冠し、28歳で200勝を記録する“エルボー・ゾンビ”ことムアンタイ。対する24歳のクラップダムはONE参戦以降3勝2敗 というレコードだが、タイ人の強豪と拳を合わせてきた。前回は2012年のムエタイ年間最優秀選手のセンマニー・PK・センチャイとの2度目の対決に勝利し、徐々に真価を発揮しつつある。
実績はともに申し分ない両者。1ラウンドこそローを蹴り合う静かな立ち上がりも、2ラウンドに入ると、近い距離でクラップダムが突き刺す右を連打。ムアンタイも組んで相手をマットに叩きつけ荒々しく対抗する。
ラウンド中盤は両者、縦ヒジを振り回し首相撲の距離でヒジが飛び交うハイレベルの喧嘩マッチに。ムアンタイはボディを打ちながらヒジをフルスイング、クラップダムはフライングエルボー。”ヒジ縛りの戦い”と錯覚するような展開に視聴者も「肘、ひじ、ヒジ、エルボーだ…」「これはヒジでKOがあるぞ」と大盛りあがり。
期待の3ラウンド、先に出たのはクラップダム。パンチの連打、前蹴りとパンチ、ヒジと猛攻を仕掛け、体を浴びせる。ムアンタイも前蹴りを掴み引き倒して対抗する。すると3ラウンド中盤、組みからのブレイク直後にムアンタイが右を放ち、クラップダムが前に踏み出した瞬間にヒジを飛ばすと、鈍い音とともに顔面を直撃。クラップダムは意識が飛び後方に頭を打ち付け足をピンと伸ばしたまま失神。即座にゴングが打ち鳴らされた。
「爆ヒジだ!」「一発で決めた」「まさにヒジ・ゾンビ」という視聴者の言葉どおり“貰えば一発で終わる”ヒジの破壊力。海外SNSからも「こんな風にやられたくないな」と実感のこもったコメントや、タイ人同士の過激すぎる試合に「クラップダムがセンマニーを倒し、ムアンタイが同門の敵討ちをした。この対戦は危険だしクレイジーだ」とやや引き気味のコメントまで寄せられた。